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スーパー歌舞伎(-かぶき)は、三代目市川猿之助が1986年に始めた、古典芸能化した歌舞伎とは異なる演出による現代風歌舞伎。新橋演舞場などで上演されることが多い。第一作は梅原猛の脚本による「ヤマトタケル」であった。2014年より「スーパー歌舞伎II(セカンド)」として、四代目市川猿之助を中心とした作品を上演[1]

目次

特徴編集

3代目猿之助は、スーパー歌舞伎創作以前から宙乗りや派手な立ち回りなどエンターテイメント要素の強い「猿之助歌舞伎」を得意としたが、歌舞伎ファン以外に話題を広げた一方で一部の保守的な論客からは酷評された[1]

スーパー歌舞伎ではさらに古典歌舞伎の踊りや立ち回り、見得、ケレン(観客を驚かされるような演出)、隈取り、下座音楽といった演出法や演技術を意識的に取り入れる[2]一方、中国の古典や日本の古代神話など、従来の歌舞伎の枠にとらわれない題材を脚本化した。猿之助はスーパー歌舞伎の特徴のひとつとして「真に現代人の胸に迫る物語性」を挙げ[2]、壮大で骨太な物語が基調となっている。制作に当たっては現代劇や京劇など多ジャンルの出演者やスタッフを取り入れて創作され、煌びやかな衣装と最新の照明や舞台装置、雄大な劇伴音楽などで世界観を作り込む、現代劇と古典歌舞伎の融合的作品群である[3]


現代語調による台詞回しが多く目立つ一方、そのセリフの合方や間合いには伝統的な歌舞伎の技法が取られている。

スーパー歌舞伎の成り立ち編集

スーパー歌舞伎の成り立ちについて、創始者である二代目猿翁(三代目猿之助)は、作家梅原猛とよもやま話に講じる中で出来たアイディアであったとしている。猿之助と梅原はたびたび演劇について討論し、おおむね以下のような結論にたどり着いた。 「江戸時代にできた古典歌舞伎の美意識や発想、演出法や演技術は素晴らしいが、物語は当時の世界観や道徳観による忠君愛国や義理人情的内容で、真に現代人の胸に迫るところが少ない。それに対しテーマ性のある内容を持つ明治以降の新歌舞伎は、近代劇的リアリズムを取り入れたため、歌舞伎本来の魅力であるべき歌(音楽性)と舞(舞踊性)に乏しく楽しくない。両方の長所を兼ね備えた"新・新歌舞伎"を創造すべきだ」[4] 「それならいっそ先生が」という猿之助の言葉に梅原が応じて出来上がったのが1986年(昭和61年)の「ヤマトタケル」である。

初演編集

スーパー喜劇編集

スーパー歌舞伎と藤山直美の喜劇の融合を試みた企画が「スーパー喜劇」で、猿之助がエグゼクティブスーパーバイザーとして監修、藤山や松竹新喜劇の出演者と澤瀉屋一門の俳優たちが出演した。

  • 2005年 狸御殿
原案:木村恵吾 作・演出:齋藤雅文 エグゼクティブスーパーバイザー:市川 猿之助
2005.11/1(火)~25(金) 大阪松竹座、2005.12/2(金)~25(日) 新橋演舞場[8]
  • 2015年 かぐや姫
脚本:佐々木渚 演出:齋藤雅文 エグゼクティブスーパーバイザー:市川 猿翁[9]

関連項目編集

脚注編集

  1. ^ a b “歌舞伎の新しいカタチ・スーパー歌舞伎の魅力とは”. 趣味時間. (2016年5月25日). https://hobbytimes.jp/article/20160525e.html 2017年11月4日閲覧。 
  2. ^ a b スーパー歌舞伎Ⅱ 『ワンピース』平成29年10月・11月新橋演舞場公演筋書 より
  3. ^ スーパー歌舞伎(スーパーかぶき)とは - コトバンク
  4. ^ スーパー歌舞伎Ⅱ 『空ヲ刻ム者―若き仏師の物語―』平成26年3月 新橋演舞場公演筋書 より
  5. ^ 2018年5月1日中日劇場(中日新聞文化芸能局)発行「中日劇場全記録」
  6. ^ 2018年5月1日中日劇場(中日新聞文化芸能局)発行「中日劇場全記録」
  7. ^ 歌舞伎『ワンピース』配役発表 ルフィは猿之助、エースは福士誠治”. ORICON (2015年7月28日). 2015年7月28日閲覧。
  8. ^ “『スーパー喜劇狸御殿』制作発表”. 演劇ポータルサイトシアターガイド. (2005年10月13日). http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2005/10/13_02.php 2017年11月5日閲覧。 
  9. ^ “松竹創業120周年 スーパー喜劇『かぐや姫』製作発表 2015年01月”. エンタメターミナル. (2015年1月22日). http://enterminal.jp/2015/01/kaguyahime/ 2017年11月5日閲覧。