タケ亜科

イネ目イネ科タケ亜科に属する植物のうち、茎が木質化する種の総称
タケ科から転送)

タケ亜科(タケあか、Bambusoideae)は、イネ科の1亜科である。タケなどが含まれる。

タケ亜科
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: イネ目 Poales
: イネ科 Poaceae
階級なし : BEP clade
亜科 : タケ亜科 Bambusoideae
学名
Bambusoideae Luerss.
和名
 タケ
英名
bamboo(広義)
  • タケ連 Bambuseae
  • Olyreae
  • Arundinarieae

以前は非常に広いグループをタケ亜科とすることもあったが、現在は、Grass Phylogeny Working Group (GPWG) が2001年に定義した「狭義のタケ亜科 (Bambusoideae sensu stricto)」が標準的である。

英語では(狭義の)タケ亜科は bamboo と総称され(bamboo はより狭い意味で使うこともある)、この意味での bamboo は通常タケ類と訳される。

イネ科内の位置づけ 編集

かつては、イネ科の中で最初に分岐したとする説もあり、タケ科 (Bambusaceae) として独立させることもあった。

現在判明している系統では、エールハルタ亜科(イネ亜科)とイチゴツナギ亜科とともに、イネ科の中で進化が進んだグループである BEP clade に含まれる。「BEP」は、3つの亜科名 BambusoideaeEhrhartoideaePooideaeアクロニムである。

分類 編集

GPWGによる分類では、タケ亜科はタケ連 (Bambuseae) と Olyreae 連に分かれていた。

タケ連は、木本タケ類 (woody bamboos) とも呼ばれ、広義のタケササ等を含む)である。「木本」とされるが、木質化はするものの通常の木本のような二次肥大成長はしない。一方、Olyreae 連は草本タケ類 (herbaceous bamboos) とも呼ばれ、通常の草本である。

しかし Sungkaew et al. (2009)[1]の分子系統学的解析によると、タケ連は単系統ではなく、熱帯性木本タケ類と温帯性木本タケ類の2つの系統に分かれる。熱帯性木本タケ類が Olyreae と姉妹群となり、温帯性木本タケ類はそれら全体と姉妹群である。彼らはこの結果から、温帯性木本タケ類をタケ連から Arundinarieae 連に分割すべきとしている。

BEP clade
タケ亜科

狭義のタケ連(熱帯性木本タケ類)

Olyreae(草本タケ類)

Arundinarieae(温帯性木本タケ類)

イチゴツナギ亜科

エールハルタ亜科

Olyreae 連は中南米アフリカニューギニア島にのみ分布する小さなグループである。日本には狭義のタケ連と Arundinarieae が分布する。

出典 編集

  1. ^ Sungkaew, Sarawood; et al. (2009), “Non-monophyly of the woody bamboos (Bambuseae; Poaceae): a multi-gene region phylogenetic analysis of Bambusoideae s.s.”, Journal of Plant Research 122 (1), doi:10.1007/s10265-008-0192-6, http://www.springerlink.com/content/l66176827751xx86/ [1][2]