タンタル石
タンタル石(タンタルせき、Tantalite)は組成式 [(Fe, Mn)Ta2O6] で表される鉄・マンガン・タンタルの複酸化物鉱物である。
タンタル石 Tantalite | |
---|---|
タンタル石(オーストラリア、ピルバラ産) | |
分類 | 酸化鉱物 |
シュツルンツ分類 | 04.DB.35 |
化学式 | (Fe,Mn)Ta2O6 |
結晶系 | 斜方晶 |
へき開 | 一方向に良好 |
断口 | 亜貝殻状 |
モース硬度 | 6-6.5 |
光沢 | 亜金属光沢 - ほぼ樹脂光沢 |
色 | 暗黒色、黒鉄色 - 暗褐色、赤褐色 |
条痕 | 赤褐色 - 黒 |
比重 | 8.0+ |
文献 | [1][2] |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
タンタルとニオブは任意の割合で固溶するため、コルンブ石-タンタル石系(現在ではコルンブ石スーパーグループに含まれる)をなし、ニオブが多いものがコルンブ石、タンタルが多いものがタンタル石と呼び分けられる(区別しない場合は総称してコルタンと呼ぶ)。ただし、比重は大きく異なり、コルンブ石は5.2なのに対しタンタル石では8.0以上にもなる[2]。また、鉄が多いものは鉄タンタル石 (tantalite-(Fe) 、旧名 ferrotantalite、Fe2+Ta2O6)、マンガンが多いものはマンガンタンタル石(tantalite-(Mn)、旧名 manganotantalite、Mn2+Ta2O6)と呼ぶ(当初は鉄が卓越したものをタンタル石と呼称していたが、2008年に組成に基づいて再命名された)。
タンタル石はタピオライトともよく似ている。化学組成は近いが結晶構造は異なっており(同質異像)、タンタル石が斜方晶なのに対してタピオライトは正方晶である[3]。こちらも鉄、マンガンを含むものは鉄タピオライト、マンガンタピオライトと呼ぶ。現在では、鉄タンタル石とされるものの多くは鉄タピオライトで、鉄タンタル石自体は希少だとされる[4]。
タンタル石は黒-褐色で、条痕も同じである。マンガンを多く含むものは褐色で、しばしば透明のものもみられる。
産地
編集タンタル石はオーストラリア、ブラジル、カナダ、コロンビア(グアイニア県、ビチャーダ県)、エジプト、北欧、マダガスカル、ナミビア、ナイジェリア、ルワンダ、アメリカ合衆国(カリフォルニア州、コロラド州、メイン州、バージニア州)、ジンバブエで産出される。 資源量はブラジルが最大であり、52.1%を占める).[5]が、2006年の産出量ではオーストラリアが75%を占めた[5]。
持続可能な開発
編集脚注
編集- ^ “TANTALITE (Iron Manganese Tantalum Niobium Oxide)”. Galleries.com. 2011年10月25日閲覧。
- ^ a b Tantalite. Mindat.org (2011-09-07). Retrieved on 2011-10-30.
- ^ P. Cerny (1992). “The tantalite-tapiolite gap: natural assemblages versus experimental data”. Canadian Mineralogist 30: 587 .
- ^ Tantalite-(Fe), mindat.org
- ^ a b Papp, John F. (2006年). “2006 Minerals Yearbook Nb & Ta”. US Geological Survey. 2008年6月3日閲覧。
- ^ Coltan, Gorillas and cellphones Archived 2005年4月7日, at the Wayback Machine.. Cellular-news.com (2001-04-03). Retrieved on 2011-10-30.
- ^ The Coltan Scandal. Geology.about.com (2010-07-04). Retrieved on 2011-10-30.