デュオトーンズ
『デュオトーンズ』(Duotones)は、アメリカ合衆国のサクソフォーン奏者ケニー・Gが1986年に発表した4作目のスタジオ・アルバム。自身最大のシングル・ヒット曲「ソングバード」が収録されている。
『デュオトーンズ』 | ||||
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ケニー・G の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
カリフォルニア州サンラフェル ターパン・レコーディング・スタジオ ワシントン州シアトル スタジオG | |||
ジャンル | スムーズジャズ、R&B | |||
時間 | ||||
レーベル | アリスタ・レコード | |||
プロデュース |
ナラダ・マイケル・ウォルデン(エグゼクティブ) プレストン・グラス、ケニー・G | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ゴールドディスク | ||||
5×プラチナ(RIAA) | ||||
ケニー・G アルバム 年表 | ||||
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背景
編集ナラダ・マイケル・ウォルデンがエグゼクティブ・プロデューサーを務め、作曲にも関与したが、演奏には参加していない[7]。また、アレサ・フランクリンやホイットニー・ヒューストン等のレコーディングに参加してきたセッション・ミュージシャン、プレストン・グラスがプロデューサーに起用され、グラスはケニー・Gの次作『シルエット』にも参加することとなる[8]。
「愛の鼓動」はジュニア・ウォーカー&ジ・オール・スターズが1969年に発表した曲のカヴァーで[9]、エリス・ホールがボーカルを担当した。この曲は、後のライヴではアンドレ・モンタギューのボーカルをフィーチャーして演奏された[10]。「シャーデー」は、当時アメリカでも人気を獲得していたイギリスのバンド、シャーデーにちなんだ曲である[11]。
日本盤は「愛の鼓動」から始まる曲順に統一されてきたが、アメリカ盤では「愛の鼓動」から始まるヴァージョン[12]と「ソングバード」から始まるヴァージョン[13]が存在する。
反響
編集母国アメリカでは、リリースの翌年の1987年にBillboard 200で6位に達し、自身初の全米トップ10アルバムとなった[1]。また、『ビルボード』のコンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートでは1位を獲得[1]。1987年5月にはRIAAによってゴールドディスクに認定され、その後も売り上げを伸ばして、リリースから9年後の1995年には5×プラチナの認定を受けている[14]。
『ビルボード』の年間アルバム・チャートでは、1987年に15位[15]、1988年に59位となった[16]。
本作からの第1弾シングル「愛の鼓動」は、『ビルボード』R&B/ヒップホップ・シングル・チャートで15位を記録[1]。そして、その後シングル・カットされた「ウェイト・フォー・ラヴ」(全米15位)と「ソングバード」(全米4位)が全米ポップ・チャート入りした[1]。とりわけ「ソングバード」はインストゥルメンタルとしては記録的なヒット曲の一つで、これ以後は1996年にアダム・クレイトンとラリー・マレン・ジュニアが映画『ミッション:インポッシブル』のテーマ曲をヒットさせるまで、インストゥルメンタルのシングルが全米トップ10入りすることはなかった[17]。本人はこの成功を受けて、『ロサンゼルス・タイムズ』紙のインタビューにおいて「僕は前からずっと、インストゥルメンタルをもっと追求したかった。"Songbird"の成功で、僕が正しかったことが証明されたよ。少なくとも、これからは(レコード会社から)ボーカル曲を強要されることに悩む必要はないだろうね」とコメントしている[9]。
イギリスでは1986年に「愛の鼓動」が全英シングルチャートで64位を記録し、1987年には「ソングバード」が全英22位のヒットとなる[18]。そして、本作は1987年8月8日付の全英アルバムチャートに初登場し、最高28位を記録した[5]。「ソングバード」のヒット以後、本作はヨーロッパでも成功を収め、オーストリアでは1987年9月1日付のアルバム・チャートで11位[2]、オランダでは同年9月5日付のアルバム・チャートで23位を記録した[4]。
日本では自身初のオリコンLPチャート入りを果たし、最高78位を記録した[6]。
収録曲
編集特記なき楽曲はケニー・G作。「愛の鼓動」、「ウェイト・フォー・ラヴ」、「スリップ・オブ・ザ・タング」、「ビリーヴ・イン・ラヴ」を除く全曲ともインストゥルメンタル。
- 愛の鼓動 - "What Does It Take (To Win Your Love)" (Johnny Bristol, Vernon Bullock, Harvey Fuqua) - 4:59
- ミッドナイト・モーション - "Midnight Motion" - 4:06
- ウェイト・フォー・ラヴ - "Don't Make Me Wait for Love" (Preston Glass, Walter Afanasieff, Narada Michael Walden) - 4:45
- シャーデー - "Sade" - 4:19
- シャンペン - "Champagne" (Kenny G., Kenny McDougald) - 4:48
- スリップ・オブ・ザ・タング - "Slip of the Tongue" (P. Glass, N. M. Walden) - 4:52
- ビリーヴ・イン・ラヴ - "You Make Me Believe in Love" (W. Afanasieff, Kenny G., P. Glass, N. M. Walden) - 5:19
- ソングバード - "Songbird" - 5:02
- スリー・オブ・ア・カインド - "Three of a Kind" (P. Glass, Kenny G., N. M. Walden) - 4:45
- エスター - "Esther" - 5:25
別ヴァージョン(北米版)の曲順は下記の通り[13]。
- "Songbird"
- "Midnight Motion"
- "Don't Make Me Wait for Love"
- "Sade"
- "Champagne"
- "What Does It Take (To Win Your Love)"
- "Slip of the Tongue"
- "Three of a Kind"
- "Esther"
- "You Make Me Believe in Love"
参加ミュージシャン
編集- ケニー・G - サックス、キーボード、シンセサイザー、ウインドシンセサイザー、シンセベース、ドラムマシン、バックグラウンド・ボーカル
- エリス・ホール - リード・ボーカル(on "What Does It Take (To Win Your Love)")
- レニー・ウィリアムス - リード・ボーカル(on "Don't Make Me Wait for Love")、バックグラウンド・ボーカル
- クレイトーヴェン・リチャードソン - リード・ボーカル(on "You Make Me Believe")、バックグラウンド・ボーカル
- プレストン・グラス - キーボード、シンセベース、ドラムマシン、ウィンドチャイム、バックグラウンド・ボーカル
- ウォルター・アファナシェフ - キーボード、シンセベース
- Roger Sauce - キーボード
- コリー・レリオス - シンセベース、ドラムマシン
- サル・ガリーナ - ウインドシンセサイザー
- ジョン・レイモンド - ギター
- アラン・グラス - ギター
- Corrado Rustici - ギター
- ランディ・ジャクソン - ベース、シンセベース
- ジョー・プラス - ベース
- グレッグ・ゴナウェイ - ドラムス、パーカッション
- Kenny McDougald - ドラムス
- トニー・ゲイブル - パーカッション
- ジーナ・グラス - バックグラウンド・ボーカル
- ヨランダ・グラス - バックグラウンド・ボーカル
- キティ・ベートーヴェン - バックグラウンド・ボーカル
脚注・出典
編集- ^ a b c d e Kenny G | Awards | AllMusic
- ^ a b Kenny G - Duotones - austriancharts.at
- ^ charts.org.nz - Kenny G - Duotones
- ^ a b Kenny G - Duotones - dutchcharts.nl
- ^ a b KENNY G | full Official Chart History | Official Charts Company - 「Albums」をクリックすれば表示される
- ^ a b 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.136
- ^ Duotones - Kenny G | Credits | AllMusic
- ^ Preston Glass | Credits | AllMusic
- ^ a b Johnson, Connie (1987年6月12日). “Kenny G's Hit Broke All The Rules”. Los Angeles Times. 2015年11月30日閲覧。
- ^ Duffy, Thom (1987年11月22日). “Saxophonist Kenny G's Career Takes Off With 'Songbird'”. Orlando Sentinel. 2015年11月30日閲覧。
- ^ “おんがく日めくり - ポピュラー歌手、シャーデー誕生 (1959)”. ヤマハ. 2015年11月30日閲覧。
- ^ Kenny G - Duotones (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ a b Kenny G - Duotones (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ RIAA公式サイト内SEARCHABLE DATABASE - "DUOTONES"と入力して検索すれば表示される
- ^ “Billboard 200 Albums Year End 1987”. Billboard. 2015年11月30日閲覧。
- ^ “Billboard 200 Albums Year End 1988”. Billboard. 2015年11月30日閲覧。
- ^ “The 'Impossible' Has Happened”. Billboard (Nielsen Business Media) 108 (24): 98. (1996-06-15). ISSN 0006-2510. Google Books参照
- ^ KENNY G | full Official Chart History | Official Charts Company