ニトロソウレア (nitrosourea) とは、尿素の水素が1個ニトロソ基 (-NO) に置き換わった化合物。薬剤や生理活性物質の中に、その構造を持つ誘導体群があり、それらもニトロソウレアと呼ばれることがある。

ニトロソウレア
識別情報
CAS登録番号 13010-20-3
PubChem 105035
ChemSpider 94772 チェック
特性
化学式 CH3N3O2
モル質量 89.05 g mol−1
精密質量 89.022526355 g mol-1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
ニトロソウレア系抗ガン剤のひとつ、カルムスチン
ニトロソウレア系抗ガン剤のひとつ、ロムスチン

ニトロソウレア系抗ガン剤 編集

ニトロソウレア系抗ガン剤はDNAへの作用と共にタンパク質に対する作用も有し、広義のアルキル化薬として定義されている。主な特徴として血液脳関門を通過するという事があるため、ニムスチン(nimustine、ニドラン、ACNU)は脳腫瘍の治療によく使用される。多剤併用では消化器癌、小細胞性肺癌などにも使われることがある。その他の代表薬剤としてラニムスチン(ranimustine、サイメリン、MCNU)、カルムスチン (Carmustine, BCNU)、ロムスチン (Lomustine, CCNU)、セムスチン (semustine, methyl-CCNU) などが挙げられる。

関連項目 編集