ノーンカーイ駅

タイの鉄道駅

ノーンカーイ駅(ノーンカーイえき、タイ語สถานีรถไฟหนองคาย)は、タイ王国東北部ノーンカーイ県ムアンノーンカーイ郡にある、タイ国有鉄道東北本線である。

ノーンカーイ駅
ノーンカーイ駅
หนองคาย
Nong Khai
地図
所在地 タイ王国の旗 タイ王国
ノーンカーイ県
ムアンノーンカーイ郡
北緯17度51分52秒 東経102度43分52秒 / 北緯17.86444度 東経102.73111度 / 17.86444; 102.73111
駅番号 2209
所属事業者 タイ国有鉄道
等級 一等駅
電報略号 นค.
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
開業年月日 2000年5月28日
乗入路線 2 路線
所属路線 東北本線
キロ程 621.10 km(クルンテープ駅起点)
ナーター (3.26 km)
(6.15 km) ターナレーンラオス
所属路線 タラットノーンカーイ線
廃止
キロ程 0.00 km(ノーンカーイ駅起点)
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概要 編集

ノーンカーイ駅はラオス国境を接しているノーンカーイ県県庁所在地であり人口約14万人が暮らすムアンノーンカーイ郡に位置しており、ノーンカーイ市街地の中心部からはやや離れている。東北本線開業時のノーンカーイ駅は、現在のノーンカーイ駅より北進したのち、タイ=ラオス友好橋の手前で東に向きを変え、ノーンカーイ中心部に近い場所に設置されていた。ラオスとの国際線の開業をふまえて新ノーンカーイ駅(当駅)を新設した際、これまでのノーンカーイ駅は当駅に駅名を譲り、タラットノーンカーイ駅(「タラット」は市場の意だが、ノーンカーイ中心部のターサデート市場からは2kmほど離れていた)に改名されたうえで、非公式に1日1往復の普通列車のみが発着していたが、2011年頃に廃止された。(タイ国鉄には、南線スパンブリー支線、同ナムトク支線等にも非公式の営業区間が存在する)

現ノーンカーイ駅には1日に8本(4往復)の国内線と、4本(2往復)の国際線の旅客列車が発着する。このうち国際線2往復の列車は、メコン川を隔てた対岸のラオス最初の鉄道駅ターナレーン駅までの間を往復する。タイ国鉄の列車網には、かつてはカンボジアビルマ(現ミャンマー)への国際列車も存在したが、現時点でフワランポーン駅バンコク)-パダン・ブサール駅マレーシア)間を結ぶ列車に次ぐタイ2番目の国際列車となっている(イースタン・アンド・オリエント・エクスプレスを除く)。この国際列車の運行区間はわずか1駅間、6.15kmという短さであり、ウッドランズ・トレイン・チェックポイント-JBセントラル駅間を結ぶマレー鉄道の国際列車(運行区間2.1km)が設定されるまでは世界で最も運行区間が短い国際列車であった。列車は当駅を発車すると鉄道道路併用橋であるタイ=ラオス友好橋を渡って橋上で国境を越え、橋を渡り終えた後1分程度で終着のターナレーン駅に到着する。当駅-ターナレーン駅間の運賃は、急行列車の為3等車でも20バーツ(約55)であるが、タイ国鉄の他線区で同じ距離を普通列車3等の乗車なら2バーツ(約6円)である。

この国際線列車設立に伴い当駅ホーム上に出入国管理所ができ、列車の発着に合わせて業務を行っている。

一方、国内線列車は、同駅を始終着としてバンコクのフワランポーン駅とを結ぶ列車が、座席急行1往復、寝台急行1往復、全車3等座席車の快速1往復発着するほか、ナコン・ラーシャシーマ発着の普通列車が1往復発着する。このうち、バンコクとを結ぶ列車は、早朝6時発の急行第76列車を除いてはすべて夜行である。

歴史 編集

 
ノーンカーイ駅周辺

タイ最初の官営鉄道であるフワランポーン駅-アユタヤ駅間が1897年3月26日に開業した[1]。その後当初計画のナコーンラーチャシーマー駅まで完成すると、北本線、南本線の工事が始まりしばらく東北線の動きはなかった。北本線、南本線の完成後、東北線をウボンラーチャターニーまで延長する事になり1930年4月1日に完成した。その後ようやくウドーンターニーへ向け工事が開始され、1941年6月24日ウドーンターニー駅までの完成を見たが、旧ノーンカーイ駅まで到達したのは、更に17年後の1958年7月31日である[2]

運行列車 編集

国際線 編集

上り 編集

  • ターナレーン駅(ラオス) - ノーンカーイ駅(6.15km): 第914デーゼル急行(全行程10分)(表定速度36.9km/h)
  • ターナレーン駅(ラオス) - ノーンカーイ駅(6.15km): 第918デーゼル急行(全行程15分)(表定速度24.6km/h)

下り 編集

  • ノーンカーイ駅 - ターナレーン駅(ラオス)(6.15km): 第913デーゼル急行(全行程10分)(表定速度36.9km/h)
  • ノーンカーイ駅 - ターナレーン駅(ラオス)(6.15km): 第917デーゼル急行(全行程15分)(表定速度24.6km/h)

国内線 編集

上り 編集

  • ノーンカーイ駅 - フワランポーン駅(621.10km): 第70寝台急行(全行程12時間05分)(表定速度51.4km/h)
  • ノーンカーイ駅 - フワランポーン駅(621.10km): 第76デーゼル急行(全行程11時間10分)(表定速度55.6km/h)
  • ノーンカーイ駅 - フワランポーン駅(621.10km): 第134快速(全行程12時間45分)(表定速度48.71km/h)
  • ノーンカーイ駅 - ナコンラチャシーマ駅(357.45km): 第418普通デーゼル(全行程6時間35分)(表定速度54.3km/h)

下り 編集

  • フワランポーン駅駅 - ノーンカーイ駅(621.10km): 第69寝台急行(全行程12時間25分)(表定速度50.0km/h)
  • フワランポーン駅駅 - ノーンカーイ駅(621.10km): 第77デーゼル急行(全行程10時間30分)(表定速度59.1km/h)
  • フワランポーン駅駅 - ノーンカーイ駅(621.10km): 第133快速(全行程13時間00分)(表定速度47.8km/h)
  • ナコンラチャシーマ駅 - ノーンカーイ駅(357.45km): 第415普通デーゼル(全行程6時間23分)(表定速度56.0km/h)

駅周辺 編集

  • ノーンカーイ県庁 (1.5km)
  • タイインドシナ大学
  • ノーンカーイバスターミナル (4.5km)

図書館 編集

駅前に、退役した客車2両を利用した図書館がある。車両は現役時とは異なるクリーム色に塗装されている。

脚注 編集

  1. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.25
  2. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.202 - 203

参考文献 編集

  • 岡本和之 『タイ鉄道旅行』 (めこん、1993年)ISBN 4-8396-0080-5
  • 杉本聖一 『魅惑のタイ鉄道』 (玉川新聞社、2000年)ISBN 4-924882-29-1
  • 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)ISBN 978-4-87698-848-8
  • 渡邉乙弘 『タイ国鉄4000キロの旅』 (文芸社、2013年)ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目 編集