ハンス島
ハンス島(ハンスとう、グリーンランド語 Tartupaluk, デンマーク語 Hans Ø, 英語 Hans Island, フランス語 Île Hans)は、グリーンランド(デンマークの自治領)とカナダのエルズミーア島との間のネアズ海峡に位置する無人島。面積は1.3km2。名前の由来はグリーンランドの探検家ハンス・ヘンドリックから。
現地名: Tartupaluk, ᑕᕐᑐᐸᓗᒃ | |
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![]() 東側(グリーンランド)から見たハンス島 | |
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地理 | |
場所 | ネアズ海峡のケネディ海峡 |
座標 | 北緯80度49分41秒 西経66度27分35秒 / 北緯80.82806度 西経66.45972度座標: 北緯80度49分41秒 西経66度27分35秒 / 北緯80.82806度 西経66.45972度 |
行政 | |
人口統計 | |
人口 | 無人 |
領土紛争 編集
詳細は「ウイスキー戦争」を参照
長らく、カナダとデンマークとの間で領有をめぐって係争をしていた。かつてはこの島やその周辺海域を領有したところで大した利益が見込めるわけではなかったが、地球温暖化により、この海峡の氷が溶けて北米とアジア、ヨーロッパなどを結ぶ「北西航路」の要衝に一変する可能性が発生し、この小さな島を領有する事によって資源探査や漁業権といった国益が生じる可能性が出てきたため、領有権問題がにわかに熱を帯びた。
両国の軍隊が入れ替わり上陸し、領有権主張の一環として自国の旗を立て相手の旗を撤去していた。同時に自国産の酒と「カナダにようこそ」「デンマークにようこそ」などとメッセージを残していくことが慣例化していた。このように武力衝突を伴わない形で係争してきたことから、「最も礼儀正しい領土紛争」と呼ばれるケースもある[1][2]。
2022年6月14日、カナダとデンマークはこの島を分割領有することで合意し、長らく続いた係争状態が終結した[2]。
脚注 編集
- ^ 2012年8月27日「春秋」 - 日本経済新聞
- ^ a b 「最も礼儀正しい領土紛争」が終結…ウイスキー戦争の舞台の島、国境確定 - 読売新聞(2022年6月15日)、2022年6月15日閲覧