バルバンクールフランス語: Barbancourt)は、ハイチで製造されるラム酒の銘柄[1]。ハイチのラム酒としては唯一の銘柄である[1][2]

バルバンクール リゼルヴァ・デュ・ドメーヌ

概要

編集

熟成度によって、いくつかのの種類が販売されている[1]

かつて、ハイチには184のラム酒蒸留所が存在していたが、1890年代以降はハイチで稼働しているラム酒蒸留所はバルバンクールのものだけである[2]。ハイチではラム酒と同じ原料、同じ製法でつくられるクレランフランス語版という酒はあり[1]、こちらの蒸留所は500を超えて稼働中である[2]

歴史

編集
 
デュプール・バルバンクールの墓石 (ペール・ラシェーズ墓地

フランス出身のデュプール・バルバンクール英語版が、1862年にバルバンクール蒸留所を設立し、コニャックを製造する手法を用いてアグリコール・ラムの生産を始めた[2]。デュプールはナタリ・ガルデル(Nathalie Gardère)と結婚し、蒸留所は甥のポール・ガルデル(Paul Gardère)が引継ぎ、企業としてポール・ガルデル&Co.を設立した[2]

ハイチ地震 (2010年)では大きな被害を被ったものの、2022年までには復興している。

製法

編集

サトウキビのしぼり汁を72時間かけて発酵させ、7度前後のアルコールを作り、柱状蒸留器を用いて蒸留する[2]。1回の蒸留で70度前後のアルコールが得られるが、この状態のものがクレランとなる[2]。なお、クレランを名乗るには、原料はハイチ産のサトウキビのみを使用すること、収穫は全て手作業で行わなければならず、収穫したサトウキビを蒸留所まで運搬するのは動物が運ぶこと、サトウキビジュースに存在するナチュラルな酵母のみで発酵する、瓶詰めはハイチ国内のみで行うといった厳格な規則がある[2]

バルバンクールのラムは、再度蒸留を行い、火水調整を行った後にリムーザン地域圏産のオーク樽で熟成を行う[2]

製品

編集
  • スリースター(4年) 3-Star
  • ファイブスター(8年) 5-Star
  • リゼルヴァ・デュ・ドメーヌ(15年以上) Estate Reserve
  • ホワイト

出典

編集
  1. ^ a b c d 「ハイチ」『W27 世界のお酒図鑑』地球の歩き方、2023年、164頁。ISBN 978-4059207276 
  2. ^ a b c d e f g h i ラム酒のおすすめ(ハイチ共和国)”. ラム酒のススメ (2022年1月10日). 2024年2月21日閲覧。

外部リンク

編集