バージェス・メレディス
バージェス・メレディス(Burgess Meredith, 本名: Oliver Burgess Meredith, 1907年11月16日 - 1997年9月9日)は、アメリカ合衆国の俳優、映画監督である。多才な人物で2度アカデミー賞にノミネートされた。代表作は映画『ロッキー』シリーズ(トレーナー、ミッキー・ゴールドミル)と、テレビドラマシリーズ『バットマン』(ペンギン)。
バージェス・メレディス Burgess Meredith | |
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1954年 宣材写真 | |
本名 | Oliver Burgess Meredith |
生年月日 | 1907年11月16日 |
没年月日 | 1997年9月9日(89歳没) |
出生地 | オハイオ州クリーブランド |
国籍 |
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配偶者 |
Helen Derby (1933-1935) Margaret Perry (1936-1938) ポーレット・ゴダード (1944-1950) Kaja Sundsten (1950-1997) |
主な作品 | |
『ロッキー』シリーズ |
最近のファンは、メレディスを映画『ラブリー・オールドメン』と『ラブリー・オールドメン/釣り大将LOVE LOVE日記』に出てくる"Grandpa Gustavson"(ジャック・レモンの祖父役)として回想している。
経歴・生涯編集
メレディスはオハイオ州クリーブランドで、カナダ人の血を引く父ウィリアム・ジョージ・メレディスと、母アイダ・ベス(旧姓バージェス)の間に生まれた[1][2]。Hoosac Schoolを卒業後、1931年卒業予定クラスの一員としてアマースト大学に入学したが、1929年にはエヴァ・ル・ガリエンヌがニューヨークに設立したレパートリー・シアターCivic Repertory Theatreの一員となった[3]。
ジョン・スタインベック原作、1939年公開の映画『廿日鼠と人間』におけるジョージや、1945年公開の『G・I・ジョウ』におけるアーニー・パイル通信兵などといった役で人気を博した。後者を原作としたコミック・ストリップは後にアクションフィギュアを生み出すほどの人気を出し、1987年にはこのアクションフィギュアを元にしたアニメ映画『G.I.ジョー』が公開され、メレディスは悪役ゴロブュラスの声を当てた。また、『セカンド・コーラス』(1940年)で共演したポーレット・ゴダードと1944年に結婚[4]、『小間使の日記』(1946年)、『我が道は楽し』(1948年)でも共演した。その一方で、第二次世界大戦の間はアメリカ空軍に従軍し、大尉まで昇進した。戦後、下院非米活動委員会による共産主義者狩りの影響がハリウッドの映画業界にまで及び、1950年代の間メレディスの名がハリウッド・ブラックリストに載ってしまった。
それから約10年後、メレディスはテレビドラマシリーズ『怪鳥人間バットマン』のペンギンの役で知られるようになった。彼のキャラクターは人気が出たため、メレディスが可能な時にはペンギンが登場するようにされた。また、ペンギンの総登場回数は他の悪役より多く、バットマンが初めて実写映画になったときもペンギンを演じた。また、オットー・プレミンジャーは自身の監督作品である『野望の系列』(1962年)、『枢機卿』(1963年)、『危険な道』(1965年)、『夕陽よ急げ』(1967年)、『Skidoo』(1968年)、『男と女のあいだ』(1971年)にメレディスを出演させるほど彼を気に入っていた。なお、プレミンジャー自身もバットマン・シリーズで悪役「ミスター・フリーズ」(日本語訳名「冷凍人間」)を演じた何人かの俳優の一人でもあった。
メレディスはレイ・ハリーハウゼンの最後のストップ・モーション映画である『タイタンの戦い』(1981年)に脇役で出演した。
また、『ロッキー』シリーズでは主人公ロッキー(シルヴェスター・スタローン)のトレーナー、ミッキー・ゴールドミルを演じた。トレーナーは『ロッキー3』で死亡するものの、『ロッキー5』(1990年)では、数シーンだが出演した。リー・メジャースと競演した1981年の映画『ラスト・カーチェイス』では朝鮮戦争時代の古参兵キャプテン・J・G・ウィリアムズを演じた。『トワイライト・ゾーン』とは長いこと親しみがあったため、この作品を基にした映画ではナレーターを担当した。この他には『ファール・プレイ』でゴールディ・ホーンの家主役を演じた。
『イナゴの日』(1975年)と『ロッキー』(1976年)で、アカデミー助演男優賞に2度ノミネートされた。
晩年は『ラブリー・オールドメン』(1993年)とその続編『ラブリー・オールドメン/釣り大将LOVE LOVE日記』(1995年)で、ジャック・レモンが演じたキャラクターの祖父役を務めた。
1956年(昭和31年)7月に映画『東京特ダネ部隊』の日本ロケと1962年(昭和37年)1月に来日している。
監督業編集
メレディスはアーヴィング・アレン制作チャールズ・ロートン主演の映画『The Man on the Eiffel Tower』(1949年)を監督。なお、この作品にはメレディス自身も脇役として出演した。
自伝出版編集
1994年、『So Far, So Good』というタイトルの自伝を出版した。この本の中で、メレディスは双極性障害(いわゆる躁鬱病)の一種である気分循環症のせいで激しい気分の変調に苦しめられてきたことを告白した[5]。
死去編集
メレディスは1997年9月9日、アルツハイマー病とメラノーマで亡くなった。88歳。映画産業における功績が認められ、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム6904に星が刻まれた。
出演作品編集
- 目撃者 Winterset (1936)
- There Goes the Groom (1937)
- Spring Madness (1938)
- 愚者の喜び Idiot's Delight (1939)
- 廿日鼠と人間 Of Mice and Men (1939) - 第12回アカデミー作品賞ノミネート
- Castle on the Hudson (1940)
- セカンド・コーラス Second Chorus (1940)
- 愛の鐘はキッスで鳴った Tom, Dick and (1941)
- 淑女超特急 That Uncertain Feeling (1941)
- Street of Chance (1942)
- G・I・ジョウ The Story of G.I. Joe (1945)
- 激戦地 A Walk in the Sun (1945)
- アメリカの恋人 Magnificent Doll (1946)
- 小間使の日記 The Diary of a Chambermaid (1946)
- 我が道は楽し On Our Merry Way (1948)
- Golden Arrow (1949)
- The Man on the Eiffel Tower (1950)
- 東京特ダネ部隊 Joe Butterfly (1957)
- Man on the Run (1958)
- 野望の系列 Advise and Consent (1962)
- 枢機卿 The Cardinal (1963)
- The Kidnappers (1964)
- テキサスの五人の仲間 - A Big Hand for the Little Lady (1965)
- 危険な道 In Harm's Way (1965)
- 母の旅路 Madame X (1966)
- バットマン Batman (1966)
- 残酷の沼 Torture Garden (1967)
- 夕日よ急げ Hurry Sundown (1967)
- Skidoo (1968)
- ステイ・アウェイ・ジョー Stay Away, Joe (1968)
- 華麗なる週末 The Reivers (1969)
- マッケンナの黄金 Mackenna's Gold (1969)
- 大脱獄 There Was a Crooked Man... (1970)
- 男と女のあいだ Such Good Friends (1971)
- イナゴの日 The Day of the Locust (1975)
- ロッキー Rocky (1976) - 第49回アカデミー作品賞受賞
- 家 Burnt Offerings (1976)
- センチネル The Sentinel (1977)
- ファール・プレイ Foul Play (1978)
- マジック Magic (1978)
- アトランチスの謎 The Return of Captain Nemo (1978)
- マニトウ The Manitou (1978)
- ロッキー2 Rocky II (1979)
- タイタンの戦い Clash of the Titans (1981)
- 告白 True Confessions (1981)
- ロッキー3 Rocky III (1982)
- サンタクロース Santa Claus: The Movie (1985)
- ゴダールのリア王 King Lear (1987)
- G.I.ジョー/ザ・ムービー G.I. Joe: The Movie (1987)
- ステート・オブ・グレース State of Grace (1990)
- ロッキー5/最後のドラマ Rocky V (1990)
- ラブリー・オールドメン Grumpy Old Men (1993)
- 僕達のサマーキャンプ Camp Nowhere (1994)
- ラブリー・オールドメン/釣り大将LOVE LOVE日記 Grumpier Old Men (1995)
- トール・テイル/パラダイス・ヴァレーの奇跡 Tall Tale: The Unbelievable Adventures of Pecos Bill (1995 - ) 老人の役で出演、クレジットなし。
テレビ出演編集
- 怪鳥人間バットマン Batman (1966-1968) ペンギン役
- プローブ捜査指令 Search (1972-1973)
- Those Amazing Animals (StaffordとPriscilla Presleyとの共同司会)
- フェアリーテール・シアター/おやゆび姫 Faerie Tale Theatre: Thumbelina
脚注編集
- ^ 1
- ^ Burgess Meredith, 89, Who Was at Ease Playing Good Guys and Villains, Dies - New York Times
- ^ Harter, Chuck (2017). Mr. Novak: An Acclaimed Television Series. BearManor Media. p. 144. ISBN 978-1-62933-163-8
- ^ Parish, James Robert (1972). The Paramount pretties. Arlington House. p. 384
- ^ CNN.com retrieved 12 OCT 2007