フワヒン駅

タイの鉄道駅

フワヒン駅 (フワヒンえき、タイ語:สถานีรถไฟหัวหิน)は、タイ王国中部プラチュワップキーリーカン県フワヒン郡にある、タイ国有鉄道南本線である。

フワヒン駅
地上ホーム上の王室専用待合室
หัวหิน
Hua Hin
フアイサイタイ (11.35 km)
(3.97 km) ノーンケー
地図
所在地 タイ王国の旗 タイ王国
プラチュワップキーリーカン県
フワヒン郡
北緯12度33分53秒 東経99度57分19秒 / 北緯12.56472度 東経99.95528度 / 12.56472; 99.95528
駅番号 4118
所属事業者 タイ国有鉄道
等級 一等駅
所属路線 南本線
キロ程 212.99 km(旧トンブリー駅起点)
電報略号 หห.
駅構造 高架駅
ホーム 2面2線
開業年月日 1911年11月25日
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高架新ホーム
地上駅時代の停車中の気動車。背後に信号扱所が見える。

概要 編集

フワヒン駅は、タイ王国中部プラチュワップキーリーカン県人口約9万6千人が暮らすフワヒン郡にある、タイ国有鉄道南本線である。駅の正面側は東向きであり、町の中心部に位置する。クルンテープ駅より229.04kmであり、特急列車利用で3時間20程度である。ナコーンパトム駅以南は、単線区間であるが現在ナコーンパトム駅より当駅までの複線化工事が進行中である。

1911年11月25日に開業し、約100年の歴史を持つ一等駅であり、特急列車を含む全列車の停車駅である。1日当たり28列車(14往復)が発着しその内訳は、特急4往復、急行2往復、快速5往復、普通3往復である。普通列車の1往復は当駅が始発終着である。

フワヒン郡内にあるいくつかの宮殿には王室関係者がしばしば滞在し、バンコクとの間で王室関係者の移動が行われる。移動には鉄道が利用されることもあり、当駅も王室関係者の利用に備え、駅本屋側のホーム上に王室専用の壮麗な待合室が設置されている[1]

本屋と反対側のホーム上には信号扱所が設けられている。

前述の南本線複線化に伴い、当駅付近における高架化工事が行われ、2023年12月11日より高架新ホームが供用された[2]

歴史 編集

タイ国有鉄道南本線東北本線北本線に次ぐ3番目の幹線として1899年に着工された。南本線は前記2線とは異なり始めから1,000mm軌間を採用して敷設された[3]。(前記2線は当初は標準軌間である1,435mmで敷設されたがその後1,000mm軌間に改軌された[4]。)

南本線は旧トンブリー駅-ペッチャブリー駅間が1903年6月19日に開業したのを皮切りに南北3か所(ペッチャブリー駅ソンクラー駅カンタン駅)より同時に延伸工事が開始され[5]、当駅はペッチャブリー駅側からの第二期工事分として1911年11月25日終着駅として開業した。開業して約2年後に、ワンポン駅まで延伸開業し中間駅となった。

  • 1903年6月19日 【開業】旧トンブリー駅 - ペッチャブリー駅 (150.49km)
  • 1911年6月9日 【開業】ペッチャブリー駅 - チャアム駅 (36.57km)
  • 1911年11月25日 【開業】チャアム駅 - フワヒン駅 (25.93km)
  • 1914年1月1日 【開業】フワヒン駅 - ワンポン駅 (19.86km)

駅構造 編集

旧駅(地上ホーム) 編集

単式及び島式1面の複合型ホーム2面3線及び待避線から成る地上駅であり、駅舎はホームに面していた。

新駅(高架ホーム) 編集

相対式2面2線から成る高架駅である。

駅構内 編集

駅構内に退役した蒸気機関車305号機(1925年Baldwin製、製造番号58670[6])が、静態保存されている[7]

駅前 編集

 
フワヒン駅前のA.P.D.101

駅前には西日本旅客鉄道(JR西日本)より譲渡され、その後退役した元キハ58型2両A.P.D.101(元キハ58 224)、A.P.D.209(元キハ28 3017)が図書館として活用されている[8][9]。外面塗装は現役時代と異なり、前後面は黄色一色、側面は赤茶色地に白線2本の、かつての身延線の車輛のそれに似ている。

駅周辺 編集

脚注 編集

  1. ^ 2010年8月26日付西日本新聞夕刊
  2. ^ 【ホアヒン】2023年12月11日、新ホアヒン駅開業!”. タイ国政府観光庁 (2023年12月1日). 2024年2月11日閲覧。
  3. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.29
  4. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.79
  5. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.31
  6. ^ 高田隆雄 『タイ国の蒸気機関車』 (エリエイ出版部、1978年)p.18
  7. ^ 渡邉乙弘 『タイ国鉄4000キロの旅』 (文芸社、2013年)p.115
  8. ^ 渡邉乙弘 『タイ国鉄4000キロの旅』 (文芸社、2013年)p.649-650
  9. ^ “市川紗椰がタイで見つけた、日本の鉄道車両の"セカンドライフ"”. 週プレNEWS (集英社). (2019-04-05). https://wpb.shueisha.co.jp/news/lifestyle/2019/04/05/108572/ 2019年6月16日閲覧。. 

参考文献 編集

  • 高田隆雄 『タイ国の蒸気機関車』 (エリエイ出版部、1978年)
  • 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)ISBN 978-4-87698-848-8
  • 渡邉乙弘 『タイ国鉄4000キロの旅』 (文芸社、2013年)ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目 編集