ブリストル・カーズ
ブリストル・カーズ(Bristol Cars)はイギリスの高級車メーカーである。モーガンと同じく、数少ない純イギリス資本の自動車メーカーのひとつ。
概要 編集
イングランド西部、ブリストル郊外のフィルトンに製造拠点を置き、ロンドンのケンジントンに唯一のディーラーを構えている。生産台数は現在公表されていないが、年間に生産される車はごくわずかである。派手さや豪華さが重視される高級車市場において、実用性の高い控えめな車を製造しているためイギリス人でさえ知らない場合が多い。しかしこの個性に魅かれたファンも多く、イギリスの高級車市場では独自のポジションを築いている。また乗り手に合わせた足回りの調整、高度なメンテナンス体制などは評価が高い。広告を全く出さないことでも知られており、つい最近までマスメディア向け広報車なども存在しなかった。
歴史 編集
1945年戦後、ブリストル・エアロプレーン(BAC)社は余剰人員の活用のためにフレーザー・ナッシュ車の生産と、戦前のイギリスにおけるBMWインポーターであったAFN Ltd.と業務提携を結び自動車生産の計画を立てる。1945年7月 BACは自動車部門を新設し、AFN社を買収した。なお提携後のBACの代表であったHJ Aldingtonは、イギリス軍とのつながりを利用して、爆撃されたドイツ・ミュンヘンのBMW工場を戦後数回に渡り訪れており、1945年にBMW車を再度イギリスに持ち込む計画を立て、BMWのチーフエンジニアであったフリッツ・フィードラーを雇用している。そうしてブリストル最初の乗用車ブリストル・400のプロトタイプが1946年に作られ、翌年のジュネーヴ・ショーに登場する。このモデルは、BMW・326をベースとしており、BMW車の特徴であるキドニーグリルもそのまま付けられており、このデザインはその後に登場するブリストル・401、ブリストル・402、ブリストル・403と採用され続け、1953年に登場したブリストル・404で初めて独自のデザインが採用された。
1961年登場のブリストル・407から、そのエンジンに、従来のBMW直6OHVエンジンに替わってクライスラー製V8エンジンを使用している。歴代のブリストル車は伝統的に、極めて保守的かつパーソナル指向の強い、2ドアクーペを中心としたGTカーである。
2004年に発売されたブリストル・ファイターは、ダッジ・バイパーと同じクライスラーV10を搭載するスーパーカーである。個性的なガルウィングドアを持つ。標準モデルで532馬力をマーク、ターボ仕様のファイターTに至ってはブガッティ・ヴェイロンを上回る1012馬力に達し、これは市販車では最高クラスの数値である。
2011年3月3日、破産管財人の管理下に入り、22名の従業員が解雇されたと発表された。翌月21日にはスイスに拠点を置くカムコルプ・アウトクラフト社に買収された。なお同社は電気自動車やハイブリッドカーの設計で世界をリードするフレイザー・ナッシュ・リサーチを所有しており、ブリストル・カーズは65年ぶりにフレイザー・ナッシュ・グループとの関係が復活することとなった。
車種一覧 編集
BMW製エンジン搭載車 編集
- 400(1946年–1950年)
- 401(1948年–1953年)
- 402(1949年–1950年)
- 403(1953年–1955年)
- 404(1953年–1955年)
- 404X(1954年–1958年)
- 405 - 4ドアサルーン(1954年–1958年)
- 405D
- 406(1958年–1961年)
- 450(1953年–1955年)
クライスラー製エンジン搭載車 編集
- 407(1961年–1963年)
- 408(1963年–1965年)
- 409(1965年–1967年)
- 410(1967年–1969年)
- 411(1969年–1976年)
- 412(1975年–1993年)
- ボーファイター(Beaufighter)
- ボーフォート(Beaufort)
- 603 (1976年–1982年)
- ブリタニア(Britannia)(1982年–1993年)
- ブリガンド(Brigand)(1982年–1993年)
- ブレニム(Blenheim)(1993年– )
- ブレニム 2
- ブレニム 3, 3S and 3G
- ブレニム 4
- ブレニム・ロードスター/スピードスター(2003年- )
- シリーズ6 (2000年–)
- ファイター(2004年- )