ベチベルソウ
ベチベルソウ (学名: Chrysopogon zizanioides[1]、英語: vetiver)は、イネ科オキナワミチシバ属の多年生草本である。名前は、タミル語の「まさかりで刈る」の意味を持つ "Vetiverr"(タミル語: வெட்டிவேர்)による[2]。
ベチベルソウ | ||||||||||||||||||||||||
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ベチベルソウ
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Chrysopogon zizanioides (L.) Roberty | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ベチベルソウ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Vetiver |
別名に、ベチベル[1][3]、ベチバー[3]、カスカスガヤ[2][3]、ウサル(インドネシア語: usar)[4]がある[注釈 1]。和名のカスカスガヤは、インドでの名称"Khus"(ヒンディー語: खस、"カス"または"クス"とも、「香り高い根」の意味)による[2]。
草は2 - 3メートルにもなり、複数がまとまって大きな株を形成するため、ススキによく似ている。以前は日本でも生産されていたが、現在ではほとんど生産されていない[要出典]。
原産地
編集利用
編集丈夫で根が強く、密集して生える特性を活かし、沖縄県内では赤土の流出防止用に畑の周囲へ植えられる[3][6]。
葉にはあまり芳香がないが、根に強い香りがあり[3]、根茎を水蒸気蒸留することにより精油が得られる。採油量は、1 - 1.5%ほどで、通常、乾燥した根を用いる。精油は香料や化粧品に用いられる[7]。パチョリに似た、土臭いような香りが特徴。
精油は揮発性が少ない点を活かし、多くの香水の保留剤として用いられている。利用例としては、シャネルNo.5のベースノートとして使用されている[2]。また、持続して摂取した場合、体内のアンモニア数値が減ることから体臭などの消臭効果が期待される[要出典]。
主成分
編集主にベチベロール(Vetiverol)などのセスキテルペンから成っている[要出典]。最も含有量が多いのは、Isovalencenolであり、約15%含まれている。その他に、Khusimol、α-Vetivone、β-Vetivoneなども多く含まれている。ベチバーは生産地によって大きく含有成分の比率が異なるので、正確な含有率を出すことは難しい。
近縁種
編集同属の植物としてオキナワミチシバが南西諸島に分布するが、これはごく背丈の低い草で、特に香りもなく、日本国内では特に利用されていない。
脚注
編集注釈
編集- ^ ただし、インドネシアでは、同属のChrysopogon nigritanusを指して "usar" と呼ぶ[5]。
出典
編集- ^ a b (米倉 & 梶田 2003)
- ^ a b c d “ベチバー”. 東邦大学薬学部付属 薬用植物園. 2024年7月1日閲覧。
- ^ a b c d e f (林 & 名嘉 2022, p. 150)
- ^ 三浦利行 (2010年1月20日). “ベチバー抽出液の抽出方法並びにそれを含有する食品の製造方法” (PDF). Google Patents. 特許庁. 2024年7月8日閲覧。
- ^ Wanda Ayu (2016年11月28日). “Manfaat Vetiver sebagai Tanaman Anti-erosi di Danau Kenanga UI” (インドネシア語). インドネシア大学. 2024年7月8日閲覧。
- ^ a b “グリーンベルト 大切な畑の土を守りたい 赤土流出対策無償支援”. 広報いしがき No.631. 沖縄県石垣市. p. 11 (2024年7月). 2024年7月1日閲覧。
- ^ (小山 1997, p. 264)
参考文献
編集- 小山鐵夫「ベチベルソウ Vetivera zizanioides」『朝日百科 植物の世界』 10巻、朝日新聞社、東京、1997年、264頁。ISBN 9784023800106。
- 林将之; 名嘉初美『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、2022年。ISBN 9784899824350。
- 米倉浩司; 梶田忠 (2003年). “ベチベルソウ Chrysopogon zizanioides (L.) Roberty”. BG Plants 和名-学名インデックス (YList). 2024年7月1日閲覧。