ベータ (オートバイメーカー)

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ベータ・モーター S.p.A(Beta Motor S.p.A)は、イタリアのオートバイメーカー・ブランド。

ベータ・モーター S.p.A
Beta Motor S.p.A
略称 Beta
本社所在地 イタリアの旗 イタリア
トスカーナ州フィレンツェ県リニャーノ・スッラルノ
設立 1905年
業種 輸送機械
事業内容 オフロード用オートバイの製造販売
外部リンク www.betamotor.com
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エンデューロトライアルモトクロスのようなオフロード用バイクを専門に製造している。

概要

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1905年にエンツォ・ビアンキがフィレンツェを拠点に「ソシエタ・ジュゼッペ・ビアンキ」という社名で足漕ぎ自転車の製造会社を創業[1]。ビアンキは兵役中にアリーゴ・トシと出会って、妹のエルダと結婚し、以降家族で経営するようになる[2]。ベータの名前の由来はビアンキとトシの頭文字に由来する[1]

1940年代後半からオートバイの製造に着手。スクーターモペッド、スポーティなバイクを製造し、競技で活躍した[1]

1960年代にヴィア・ベッラリーヴァにあった老朽化した工場を放棄し、オスマンノロへ移転した[2]。1966年にフィレンツェは大洪水に見舞われたが、幸い復旧は早かった[2]。この頃エンジンの自社生産が開始された[2]

1970年代に入るとオフロード部門が台頭し、ますますオフロードバイク(モトクロスエンデューロ)へ傾倒していった[1]。しかしこの間もスクーターのラインナップは欠かさなかった[2]

しかし日本メーカーが両競技を支配し始めるようになったため[2]、1980年代半ばからベータはトライアルへ注力するようになる。自転車トライアル出身で革新的なライディングフォームを持ち込んだスペイン人ライダーのジョルディ・タレスにより、ベータはトライアル世界選手権を1987 - 1991年の間に4度制覇した。また後にタレスを上回るタイトル数を得るダニー・ランプキンも、1997 - 1999年にベータ車でタイトルを3連覇した[1]。1993年から始まった室内選手権でも、ベータは90年代を通じて無類の強さを発揮し、6度タイトルを獲得した[1]

90年代にラポ・ビアンキ博士が加入して技術・管理体制・商業の両面で革新的な改良がされた[2]。この頃KTMハスクバーナのスクーターの受託生産を行った。

2004年にKTMからのエンジン供給を受けて、4ストロークエンジン車でエンデューロに復帰した[1][3]

2005年以降はスズキやKTMとの提携を行い、海外への積極的な販路拡大に力を注いでいる[1][4]。トライアルの販売は減少し、モトクロスとエンデューロバイクが売り上げを伸ばした[1]。2010年代から自社製エンジンのエンデューロマシンも開発するようになり、現在は4ストローク/2ストロークともに全て自社製エンジンとなっている[1]。加えて電動オフロードバイクもラインナップするようになった。

2016年にエンデューロ世界選手権で最大排気量のE3クラスでタイトルを獲得したのを皮切りに、ベータは快進撃を開始。2018年・2019・2020年と2クラスでタイトルを獲得。さらに2021・2022年とGP(E1 - E3の総合)およびE3クラスのタイトルを連覇した[5]

日本では富山県のベータジャパンが正規輸入販売を行っている。また全日本トライアル選手権全日本エンデューロ選手権に参戦している。

車種

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50 RR Enduro
 
ALP200
 
M4

トライアル

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  • Evo 2009-
  • Rev-3 2000-2008
  • Techno 1994-1999
  • Zero 1990-1993

エンデューロ

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  • RR2T

トレッキング

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  • Alp

ストリート

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  • Urban
  • M4
  • Ark

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j THE HISTORY OF BETA MOTORCYCLES Beta Motor USA 2023年9月9日閲覧
  2. ^ a b c d e f g BETAMOTOR. OVER A CENTURY OF TECHNIQUE AND SPORTBETA MOTOR SpA 2023年9月9日閲覧
  3. ^ ベータ RR2T 300 – トライアル界の名門がエンデューロ界に殴り込みバイクブロス 2023年9月9日閲覧
  4. ^ オフロードバイクメーカー「BETA」をご存じですか?バイクのニュース 2023年9月8日閲覧
  5. ^ BRAD FREEMAN WORLD CHAMPION ベータ・モーター公式サイト 2023年9月13日閲覧

外部リンク

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