マウザー BK-27(Mauser BK-27)は、ドイツマウザー社が開発した27mm口径リヴォルヴァーカノン。現在はラインメタル社が製造している。BKはドイツ語の"Bordkanone"(ボルトカノーネ:搭載砲の意)の略称である。

マウザー BK-27
マウザー BK-27
種類 ガス圧駆動リヴォルヴァーカノン
原開発国 ドイツの旗 ドイツ
運用史
配備先 運用国を参照
開発史
開発者 マウザー(現:ラインメタル
開発期間 1976年
製造業者 マウザー(現:ラインメタル)
製造期間 1977年-現在
製造数 3,100-
諸元
重量 100 kg (220 lboz)
全長 2.31 m (7 ft 7 in)
銃身 1.73 m (5 ft 8 in)

砲弾 27x145mm
口径 27 mm (1.063 in)口径
銃砲身 単砲身
作動方式 リボルバー
発射速度 1,000-1,700rpm(+/-100rpm), 選択式
初速 1,025 m/s (3,360 ft/s)
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概要 編集

BK-27はMRCA(Multi-Role Combat Aircraft)、後のパナヴィア トーネードに搭載するための新型機関砲として、1960年代後期に開発が始まった。初期の空中試射はイギリスにおいて、ライトニング戦闘機ADEN Mk.4を換裝して行われ、後にトーネード IDS試作機でも試験が行われた。

弾薬は、本砲のために新規開発された27x145mm弾を使用する。それまでNATO空軍機に用いられていた30mm口径のADENおよびDEFA 550の両リヴォルヴァーカノンに比べ、若干小口径であるが弾頭重量は上回り、発射速度・砲口初速ともに速くなっている。ヨーロッパではソ連地上軍機甲部隊との交戦を考慮すれば20mmでは口径不足との意見が強く、そのために大口径砲を用いていたが、マウザー社は新型機関砲の口径として、従来の30mmでもなければソビエト連邦で主力となっていた23mmでもなく、その間を埋める理想の口径として27mmを選んで開発した。なお、ADENやDEFAは第二次世界大戦中にマウザーが開発して実戦に間に合わなかった30mm MK 213/C30を原型とするものであり、分家の後継者を本家で開発したこととなる。トーネードをはじめとして、アルファジェットユーロファイター タイフーンサーブ 39 グリペンなど多数の軍用機に搭載されている。

従来はベルトリンクを用いた給弾機構であったが、タイフーンに採用される際に、リヴォルヴァーカノンで初めてM61A1 バルカンのようなベルトコンベア式のリンクレスフィード型に改めており、弾薬の搭載体積の60%削減を実現している[1]。グリペンもE/F型においてリンクレスモデルを装備する[2]

ボーイングではJSFに搭載するためライセンス生産を提案したが、GAU-12 イコライザーの派生型が選定された[3]。選定されていた場合、アライアントティーチシステムズ英語版によってライセンス生産される予定であった[4]

海軍向けにMN 27 GSやMLG 27ドイツ語版なども存在する。

運用国 編集

 
ドイツ海軍のエルベ級支援母艦に備えられたMLG 27
  オーストリア
  ボリビア
  カメルーン
  カナダ
  チェコ
  ドイツ
  ハンガリー
  イタリア
  ポルトガル
  南アフリカ共和国
  サウジアラビア
  スウェーデン
  スペイン
  タイ
  イギリス

諸元 編集

脚注 編集

  1. ^ Eurofighter Technology and Performance : Weapon Systems
  2. ^ Rheinmetall automatic cannon for Gripen
  3. ^ F-35 JSF Weapon Carriage Capacity
  4. ^ Boeing Demonstrates 27mm Cannon Proposed for JSF

外部リンク 編集