マネキン
マネキン(仏: mannequin)は、店頭において各種商品の宣伝・販売促進にあたる販売員(宣伝販売促進員)[1][2]や、その職種[3]を指す。服飾品の販売から使われるようになった用語であるが、食品の試食・実演販売などにも用いられている。
単に「マネキン」と言った場合は、衣服の展示に使われる等身大の人形(マネキン人形)を指すことも多い。職種は「マネキン職」、従事者は「マネキンさん」などとも呼ばれる[3]。服飾業界ではフランス語での発音に従った「マヌカン」も用いられる。
名称編集
「マネキン」は、フランス語で「モデル」を指すmannequin(マヌカン)の英語読みに由来する。フランス語のmannequinは、オランダ語で「小人」を指す manikin に由来している。
日本で「マネキン」という語形が普及したことについては、「マヌカン」が「客を招かない(招かん)」ことに通じることに嫌った化粧品会社が、「招き猫」とかけて造語したためとされる[3]。
日本における「マネキン」の語は、マネキン人形を指すために用いられたのが早く、1925年(大正14年)3月には初のマネキン人形専業メーカー「島津マネキン」(京都府京都市)が創業している[4]。モデル兼販売員としての「マネキン」は、関東大震災の5年後で、昭和天皇の即位の大礼が行われた1928年(昭和3年)3月に東京府東京市・上野で開催された大礼記念国産振興東京博覧会において、高島屋呉服店が「マネキン・ガール」を登場させたのがはじまりである。
職業安定法施行規則において「モデル又はマネキン」は、「専門的な商品知識及び宣伝技能を有し、店頭、展示会等において相対する顧客の購買意欲をそそり、販売の促進に資するために各種商品の説明、実演等の宣伝の業務(この業務に付随した販売の業務を含む。)を行う者」と規定されている[1]。有料職業紹介事業所の一形態として、店頭販売員の職業紹介に特化した「マネキン紹介事業」(マネキン紹介所)があり、「正式な職種名」[3]として事業所や業界団体の名称として使われている。
形態編集
服飾・雑貨販売編集
ヨーロッパの会員制婦人服のブティックにおいては産油国などの富裕層むけに、社員として、自社ブランドのモデルを雇用している。彼女らは「ハウスマヌカン」(これは英語由来のハウスと、フランス語由来のマヌカンを組み合わせた造語)と呼ばれており、英仏では定着した呼称である。これらの「ハウスマヌカン」をかかえる店舗の販売形式は、「ハウスマヌカン」がファションショー様に自店舗の洋服をきて矢継ぎ早に登場する。これを1人(もしくは一組)の顧客が観客として見ており、出てくる「ハウスマヌカン」つまりモデルに対し「Oui」「Non」と次々に指定していく。さいごに「Oui」の洋服のみが顧客のもとに届けられる仕組みである。一回の購入単価は当然非常に高額である。
日本にはこれがやや歪曲して伝わって、低価格の婦人服のブティックの店員をすべて「ハウスマヌカン」とよんでいた時期があったが、当然、英仏では通じない。
試食・実演販売編集
「マネキン紹介所」から斡旋を受け、スーパーマーケットやデパ地下などで試食販売や実演販売に従事する販売員のこともマネキンと呼ぶ[2][5]。
脚注編集
関連項目編集
外部リンク編集
- 全日本マネキン紹介事業協会
- スリーエスマネキン紹介所
- 株式会社 トーマネ ※旧名称 東京マネキン(株)