マルスッポン(円鼈、学名Pelochelys cantorii)は、スッポン科マルスッポン属に分類されるカメ。マルスッポン属の模式種。別名カントールマルスッポン

マルスッポン
マルスッポン
マルスッポン Pelochelys cantorii
保全状況評価
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
ワシントン条約附属書II類
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
上科 : スッポン上科 Trionychoidea
: スッポン科 Trionychidae
亜科 : スッポン亜科 Trionychinae
: マルスッポン属 Pelochelys
: マルスッポン P. cantorii
学名
Pelochelys cantorii Gray, 1864
和名
マルスッポン
英名
Cantor's giant softshell turtle

分布 編集

インド、インドネシアジャワ島スマトラ島ボルネオ島)、カンボジアタイ中華人民共和国南部、バングラデシュフィリピンベトナムマレーシアミャンマー

形態 編集

最大甲長129cm。背甲の表面に突起や皺はなく、滑らか。背甲の色彩は緑褐色や褐色一色で、斑紋は入らない。

分類 編集

広域に分布し形態に差異が大きいことから、将来的には細分化される可能性が高い。

生態 編集

大型河川に生息する。しばしば汽水域でも見つかることもあり、海水域で発見された例もある。

食性は動物食傾向の強い雑食で、貝類甲殻類魚類等を食べる。水底の砂の中等に潜り、通りかかった獲物を頸部を伸ばして噛みついて捕食する。

繁殖形態は卵生。河川の土手や、河口および海洋の砂浜等に1回に20-28個の卵を産む。

人間との関係 編集

生息地では卵も含めて食用とされる。

開発による生息地の破壊、食用の乱獲等により生息数は減少している。

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。流通量は少なく、稀に飼育下繁殖個体が流通する。主に幼体が流通する。大型種のため、大型のケージが用意できない限り一般家庭での飼育には向かない。アクアリウムで飼育される。潜れるように細かい砂を底砂として最低でも甲高程の深さで敷く。大型種の上に顎の力が強く嘴も鋭いため噛まれるとひどい怪我を負うこともあるため、扱いには注意が必要。

関連項目 編集

参考文献 編集

  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社2000年、209頁。
  • 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ2 ユーラシア・オセアニア・アフリカのミズガメ』、誠文堂新光社2005年、75頁。

外部リンク 編集