メイリアンヌ・エグロン

メイリアンヌ・エグロンことマリー=アントワネット・ヴィレムゼン(Meyrianne Héglon、Marie-Antoinette Willemsen 1867年6月21日 - 1942年1月11日)は、ベルギーのオペラ歌手。作曲家グザヴィエ・ルルーとの結婚後はエグロン=ルルー婦人として知られた。

メイリアンヌ・エグロン
Meyrianne Héglon
基本情報
生誕 1867年6月21日
ベルギー ブリュッセル
死没 (1942-01-11) 1942年1月11日(74歳没)
フランス国 パリ
ジャンル クラシック
職業 ソプラノメゾソプラノ

生涯 編集

ブリュッセルに生まれた。マリー・ザッセ、バルトート、テキ(Tequi)、ルイ=アンリ・オバンに師事した後、ロジーヌ・ラボルドの下で研鑽を続けた[1]。1890年11月にパリオペラ座において『リゴレット』でデビューを果たした。

1894年から1895年にかけてと、その後1901年から1902年にはモネ劇場で歌った。1898年、1899年はヘントで招待演者として活躍した。

1897年から1907年には頻繁にパリ・オペラ座の舞台に上がった。1898年4月7日にはベルディの『聖歌四篇』の世界初演に参加しており[注 1]、エグロンとマリー・デルナメゾソプラノアイノ・アクテルイーズ・グランジャンソプラノで、ポール・タファネル指揮をするパリ音楽院管弦楽団のコンサートでの一幕だった。1901年にはルルーの『Astarté』の初演でOmphale役を歌っており[2]、この時はルイーズ・グランジャン、アルベール・アルヴァレス、フランシスク・デルマとの共演だった[3]

エグロンはキャリアの大半をモンテカルロ歌劇場で過ごした。1898年10月4日に『アイーダ』のアムネリスをイタリア語で3回、またイジドール・ド・ララの『メッサリーヌ』の初演でタイトル・ロールを4回演じるという契約にサインした。カミーユ・サン=サーンスからは知遇を得て、1904年には彼の『サムソンとデリラ』の舞台にも上がっている[1]

1989年にはロイヤル・オペラ・ハウスで『ヘンリー八世』のアン・ブーリン役を演じた。同劇場では1899年7月13日にも『メッサリーヌ』のタイトル・ロールを担い、このときはアルベール・アルヴァレスがエリオン、モーリス・ルノーがアレを演じた。ベルギーの主要なオペラ・ハウスでも歌を披露している。オペラ=コミック座では1905年11月7日にアレクサンドル・ジョルジュの『Miarka』の初演でLa Vougneを歌い[4]、同作品のロンドン初演の舞台にも上がった。

舞台を退いた後は歌唱指導を行った。著名な門人にはフランスのソプラノであるニノン・ヴァランがいる。

1917年4月8日に、夫のグザヴィエ・ルルーが自作『Les cadeaux de Noël』を指揮した。参加したのは全てエグロンの教え子であった。1918年4月6日には夫が『1814年』を演奏、この公演のために彼女は一時引退を撤回して母親役を歌っている[1]

1904年にはグラモフォン・カンパニーへ録音を行っている。彼女の声はアルバム『The Record of Singing Volume I (1899-1919)』で聴くことができる。

レパートリー 編集

初演 編集

パリ・オペラ座にて

  • 1893年5月12日: シュヴェルトライテ - 『ワルキューレ』
  • 1894年3月16日: ミルタル - 『タイス
  • 1894年5月25日: Ourvaci - 『Djelma』
  • 1894年10月10日: エミーリア - 『オテロ
  • 1895年2月8日: Dara - 『黒い山』[5]
  • 1898年12月23日: Pyrrha - 『La Burgonde』
  • 1901年2月: Omphale - 『Astarté』
  • 1901年: Frédégonde - 『フレデゴンド
  • 1901年10月23日: リヴィー - 『野蛮人
  • 1902年1月3日: エルダ - 『ジークフリート[6]
  • Liba - 『La Cloche du Rhin』[7]
  • テオドーラ - 『テオドーラ』(ヘンデル

脚注 編集

注釈

  1. ^ この時は3部構成だった。

出典

  1. ^ a b c (英語) Richard T. Soper, Belgian Opera Houses and Singers (Reprint Company 1999), p.265-266. ISBN 9780871525161
  2. ^ Paul Milliet (1901年2月17日). “Première représentation d'Astarté” (フランス語). Le Monde artiste (7): pp. 2. https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k5454043b/f10.image 2018年11月16日閲覧。 .
  3. ^ Szifer (1934年5月). “La mort de Mlle Louise Grandjean” (フランス語). Lyrica (2540). https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k5410879c/f4.item.r=%22Louise%20Grandjean%22 2018年11月16日閲覧。 .
  4. ^ Miarka on BnF
  5. ^ La Montagne-Noire: drame lyrique en quatre actes et cinq tableaux”. Bibliothèques spécialisées de la Ville de Paris. 2018年11月16日閲覧。
  6. ^ Arthur Pougin (1902年1月5日). “La première représentation de Siegfried à Paris” (フランス語). Le Ménestrel (3593): pp. 2. https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k5782521d/f9.item.r=Siefried.zoom 2018年11月16日閲覧。 .
  7. ^ La Cloche du rhin on BnF

外部リンク 編集