ヤラカシ
ヤラカシとは、いわゆる芸能人の追っかけの中でも、特にマナーの悪い人物に対して付けられる蔑称。裏オリキ(うらオリキ)とも呼ばれる。
元々はジャニーズ事務所所属のアイドルのファンで使われていた用語で[1]、一般的な追っかけであるオリキに対し、芸能人の自宅や滞在先を突き止め張り込む、プライベートな時間の行動を尾行するなど、プライバシー侵害やストーキングに当たるような行為を行う人物のことを指していた。「オリキ」とは“追っかけに力(リキ)を入れている”の略[2]。
ヤラカシが芸能人の携帯電話を奪って逃げるといった事件も発生しており[3][注 1]、芸能人側でもヤラカシ対策が急務となっている。このような行為は1980年代から既に起きていた。
嫌がらせ電話をする、持ち物を盗む、郵便物を持ち去るなどの犯罪を行う。同様の傾向のファンの中には、ヤラカシは犯罪者であるにもかかわらず、ヤラカシグループの過激な行動に憧れてヤラカシのファン("信者")になる者がおり、ついにはヤラカシが握手会を開くなどということまで起きている[4]。
また、韓国のアイドルなどに対してこういった行為を行う者は韓国語に由来する「私生(サセン)ファン」「サセンペン」、あるいは単に「サセン」と呼ばれる[5][6]。
背景と動機
編集ヤラカシ達はもはや犯罪と言われる行為(嫌がらせ電話をする、持ち物を盗む、郵便物を持ち去るなど)を好きなタレントに繰り返し、その一部始終を動画で撮影。タレントがもし怒ったり追い払おうとしたらSNSで「暴力を振るわれた」などと拡散させて、好きなタレントの注意を引きたいという歪んだ愛情が背景にある[7]。
韓国でのヤラカシ
編集韓国では主にサセン(ハングル: 사생 漢字: 私生)と言われ、芸能人及び有名人の私生活に侵入するという意味がある[8]。
対策・措置
編集- 地下アイドルの「夢色カンタービレ」は、メンバーである一色ほのかに対し、一人のファンが迷惑行為(チェキ券を投げる、物販中に怒鳴るなど)を相次ぎとったことにより、同ファンを出入り禁止にした[9]。
- ジャニーズ事務所は所属アーティストであるHey! Say! JUMPの2019年のアリーナツアーを一部のファンによる迷惑行為が改善されなかったとして開催見送りにした[10]。
- 乃木坂46、櫻坂46、日向坂46の三つの坂道グループは迷惑行為に対し、いかなる理由であってもただちに警察へ通報し、以降グループに関するすべてのイベント等に出入禁止処分とすると警告[11]。
- JO1、INIが所属をしている芸能事務所「ラポネエンターテインメント」は、無断で待ち伏せをする、居住地を詮索、監視、尾行する等のマナーを守っているファンや一般人にトラブルや迷惑を掛ける悪質な行為に対し、弁護士や警察などの各機関と連携、協力して厳正に対処するつもりだと警告[12][13]。
関連項目
編集注釈
編集出典
編集- ^ ヤラカシ - 日本語俗語辞書
- ^ 「私、近いうちに捕まるかも」逮捕されたヘイセイ中島裕翔ファンは”有名ヤラカシ”だった(2/3)週刊文春
- ^ 男の子アイドル「追っかけ」少年 超えてはならぬ「ヤラカシ」とは - J-CAST・2009年6月18日
- ^ 山Pに謎の液体をブッカケ!? ジャニーズ"やらかし"最新事情 - 日刊サイゾー・2009年8月24日
- ^ “<Wコラム>「EXO」の中国「サセンペン」事件、日中韓アイドル追っかけの実例”. www.wowkorea.jp (2014年6月29日). 2018年12月18日閲覧。
- ^ “韓国のサセンが怖すぎる!自宅侵入、携帯変えても10分で特定 | 女性自身”. WEB女性自身 (2016年1月7日). 2018年12月18日閲覧。
- ^ “ファンの過激行為が問題、暴徒化しやすいファンの傾向とは”. NEWSポストセブン. 2022年4月23日閲覧。
- ^ Lansky, Sam (66692). “» Hallyu Tsunami: The Unstoppable (and Terrifying) Rise of K-Pop Fandom” (英語). 2022年4月23日閲覧。
- ^ “迷惑行為の過激ファンを「出禁にしました」 説教、怒号、人格否定...女性アイドルが壮絶告白”. J-CAST ニュース (2021年6月2日). 2022年4月23日閲覧。
- ^ “アイドルファンの迷惑行為 握手会による抑止効果と対策は?”. NEWSポストセブン. 2022年4月23日閲覧。
- ^ “坂道グループ、迷惑行為ファンへ再び注意喚起 警察へ通報や出入禁止処分を警告”. ORICON NEWS. 2022年4月23日閲覧。
- ^ “「JO1」「INI」事務所が一部ファンの迷惑行為に警告 「公になっていない稼働現場での待ち伏せ」「アーティストと同じ公共交通機関に飛び乗る」”. ねとらぼ. 2022年4月23日閲覧。
- ^ “JO1 誹謗中傷やメンバー車追跡など迷惑、禁止行為多発 運営「法的手続きを含めた厳正な対処進める」(スポニチアネックス)”. Yahoo!ニュース. 2022年4月23日閲覧。