レイヤ3スイッチ(L3スイッチ)とは、コンピュータネットワークにおいて、ルータースイッチングハブの機能を併せ持つ機器。LANの中核を構成することが多く、その場合はコアスイッチとも呼ばれる。「レイヤ3」は、OSI参照モデルにおけるネットワーク層(第3層)のデータ転送処理を担うことに由来する。

VLAN対応のL2スイッチにルータ機能を組み込んだ装置がL3スイッチとして解説される事もある[1]

動作方式編集

L3スイッチは、L2スイッチ(スイッチングハブ)から派生したもので、その処理ロジックはルーターよりもL2スイッチに似ている。一部の動作モードを除き、L2スイッチがEthernetフレームのヘッダのみをスキャンしてMACアドレスを元にMACテーブルを作成し、フレームをフォワードするのに対し、L3スイッチでは主にFDBForwarding DataBase:後述)と呼ばれるテーブルで3層とMACおよび物理ポート番号を統合して管理する。

FDB(Forwarding DataBase)編集

通常のL3機器では、経路情報とARP情報が別々のテーブルにて管理されるが、L3スイッチにおいては、FDBにより経路情報とARP情報が一元管理される。以下に簡略したものではあるが例を示す。

  • ルータの経路情報
宛先ネット マスク      次ノード
10.0.0.0   255.0.0.0   192.168.0.1
172.16.0.0 255.255.0.0 192.168.0.2
0.0.0.0   0.0.0.0     192.168.0.3
  • ルータのARP情報
IPアドレス   MACアドレス        インターフェース
192.168.0.1 00:00:C0:11:11:11 FastEthernet0/0
192.168.0.2 00:00:C0:22:22:22 FastEthernet0/1
192.168.0.3 FF:FF:FF:FF:FF:FF Serial0/0
  • L3スイッチのFDB
宛先ネット マスク       次ノード      MACアドレス      ポート
10.0.0.0  255.0.0.0    192.168.0.1 00:00:C0:11:11:11 1
172.16.0.0 255.255.0.0 192.168.0.2 00:00:C0:22:22:22 9
0.0.0.0   0.0.0.0      192.168.0.3 00:00:C0:33:33:33 17

ルータの場合は、1.受信フレーム内のIPヘッダから送信先のIPアドレスを抽出した後、2.経路情報を参照して次ノードを決定し、3.ARP情報を参照して送出インターフェースの決定とフレームヘッダのMACの書き換えをおこなう。

L3スイッチでは、1.受信フレーム内のIPヘッダから送信先のIPアドレスを抽出した後、2.FDBを参照して送出ポートの決定とフレームヘッダのMACの書き換えを行う。

この1手差の違いと高速なASIC、速いメモリの組み合わせが、高速なルーティングを可能にしている。

主なL3スイッチ製品とベンダ編集

関連項目編集

出典編集