レダマ(連玉[2]、鷹爪[3]、鶯織柳[3]西: retama学名: Spartium junceum)は、マメ科レダマ属の落葉低木である。レダマ属の唯一の種で、花木として庭などに植栽されている。

レダマ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
: レダマ属 Spartium
: レダマ S. junceum
学名
Spartium junceum L.[1]
和名
レダマ[1]
英名
Spanish broom

性状 編集

地中海沿岸の日当たりと水はけの良い、特に砂地に多く分布している低木で、樹高は2~4メートルくらい、幹は直立し、根元では直径10cm近くになることもあるが、枝はもろい。エニシダ属ヒトツバエニシダ属によく似ているが、萼の形が少し違っている。葉は非常に細いが、これは乾燥地に耐えるためで、代わりに明るい緑色をした枝が、光合成を助けている。花は通常6月ころに咲き、直径2cmくらいの明るい黄色の蝶形花で、開花期には木全体が花で覆われる。強い香りがあるが、やにくさい、あるいは安物のポマードを連想させるにおいで、日本人では好き嫌いが分かれる。

日本には江戸時代初期に渡来して庭木などに利用された。性質が強く、アメリカ合衆国中西部南アメリカオーストラリアなどに帰化しているが、湿度の高い日本では、開花させることはできるが、比較的短命で枯れることが多い。

学名の起源 編集

属名は縄やひもなどを作るのに使った草の意味、種小名も「イグサに似た」という意味で、葉が非常に細いことに由来する。和名のレダマはスペイン語のボリビア方言「レタマ」からであるが、近縁の属にRetama属というものがあり、非常に紛らわしい。

栽培 編集

栄養繁殖よりも種をまいた方が良く、播種後1~2年で開花する。種は栽培地に直截まくか、浅鉢などにまいて後で移植する。ただし、大きな苗の移植はできない。種をまいたら2mmほど覆土し、間引くか栽培地に定植して、株間を1m位にする。

種は国内ではほとんど売られていないが、英米ではポピュラーなものなので、ネットショップなどで簡単に入手することができる。

脚注 編集

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Spartium junceum L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年9月6日閲覧。
  2. ^ 松村明 編「レダマ」『大辞林 4.0三省堂、2019年。 
  3. ^ a b 落合直文「れだま」『言泉:日本大辞典』 第五、芳賀矢一改修、大倉書店、1928年、4992頁。