ロデオの恋人

バーズのアルバム

ロデオの恋人』(Sweetheart of the Rodeo)は、1968年にリリースされた、ザ・バーズの6作目のスタジオ・アルバム

ロデオの恋人
Sweetheart Of The Rodeo
ザ・バーズスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル カントリー・ロック
フォーク・ロック
レーベル アメリカ合衆国の旗コロムビア
プロデュース ゲイリー・アッシャー
ザ・バーズ アルバム 年表
名うてのバード兄弟
1968年
ロデオの恋人
(1968年)
バーズ博士とハイド氏
1969年
『ロデオの恋人』収録のシングル
  1. 「You Ain't Goin' Nowhere / Artificial Energy」
    リリース: 1968年4月2日 (1968-04-02)
  2. 「I Am a Pilgrim / Pretty Boy Floyd」
    リリース: 1968年9月2日 (1968-09-02)
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解説編集

前作『名うてのバード兄弟』をレコーディング中の1967年10月にデヴィッド・クロスビーが、さらにアルバム・レコーディング終了と前後してマイケル・クラークがそれぞれ脱退。バーズはギターのロジャー・マッギンとベースのクリス・ヒルマンの二人だけとなり、バンドとしての存続が危ぶまれた。そんな中、10月にヒルマンのいとこで、ライ・クーダータジ・マハールのバンド“ライジング・サンズ”のメンバーだったケヴィン・ケリー、11月には“インターナショナル・サブマリン・バンド”のメンバーとしても活動してたグラム・パーソンズがそれぞれ新メンバーとして加わった[1]

新メンバーの二人、なかでもパーソンズは、ロック・シーンにおけるカントリー・ミュージックの強力な推進者であり、かねてからヒルマンも一目置いていた存在だった。ヒルマンの紹介でやってきたパーソンズが実は熱心なカントリー・ミュージック信奉者であることをマッギンは知らず、単にキーボードができるということでメンバーに迎えたという。ところがパーソンズはバーズの一員となった途端、マッギンにナッシュビルでのレコーディングを執拗に勧めた。こうして1968年8月にリリースされた本作はいわば、パーソンズにバンドが乗っ取られたアルバムとなったが、結果的にカントリー・ロックの先駆者としてバーズの名を高めたアルバムとなった[1][2]

しかし、パーソンズはカントリー志向をめぐってマッギンと対立し、アルバム発売を待たずにバーズを脱退。同じくバーズを抜けたヒルマンらと“フライング・ブリトー・ブラザーズ”を結成、カントリー・ロックを全米に広めた[2]。もうひとりの新メンバーであるケヴィン・ケリーも、当時バーズの準レギュラー・メンバーだったクラレンス・ホワイトがケリーの演奏技術に不満を抱いていたことから1968年7月、ホワイトの意向でジーン・パーソンズと交替させられた[3]

なお、アルバムには当初、パーソンズのリードで歌われるはずだった曲は6曲だが、アルバム発表当時、バーズ加入以前にパーソンズが在籍したインターナショナル・サブマリン・バンドとそのレコード会社であるLHIとの契約がまだ存続していた。そのためトラブルの発生を恐れたコロムビアがグラム・パーソンズのボーカルを差しかえるように指示、マッギンやヒルマンによって歌い直されるという、パーソンズにとっては屈辱的な経緯があった。結果として彼のリードで収録されたトラックは3曲だけとなった[4]

収録曲編集

Side 1編集

  1. ゴーイング・ノーホエア - You Ain't Goin' Nowhere
    (B.Dylan. Vocal: McGuinn. Time: 2:33) Rec. date: March 9, 1968
  2. 私は巡礼 - I Am a Pilgrim
    (Arr. R.McGuinn - C.Hillman. Vocal: Hillman. Time: 3:39) Rec. date: March 13, 1968
  3. クリスチャン・ライフ - Christian Life
    (I.Louvin - C.Louvin. Vocal: McGuinn. Time: 2:30) Rec. date: April 24, 1968
  4. 涙の涸れるまで - You Don't Miss Your Water
    (W.Bell. Vocal: McGuinn. Time: 3:48) Rec. date: April 15, 1968
  5. 思い焦がれて - You're Still On My Mind
    (L.McDaniel. Vocal: Persons. Time: 2:25) Rec. date: April 17, 1968
  6. プリティ・ボーイ・フロイド - Pretty Boy Floyd
    (W.Guthrie. Vocal: McGuinn. Time: 2:34) Rec date: March 12, 1968

Side 2編集

  1. ヒッコリー・ウィンド - Hickory Wind
    (G.Parsons - B.Buchanan. Vocal: Persons. Time: 3:31) Rec date: March 9, 1968
  2. 100年後の世界 - One Hundred Years from Now
    (G.Parsons. Vocal: McGuinn, Hillman. Time: 2:40) Rec date: May 27, 1968
  3. ブルー・カナディアン・ロッキー - Blue Canadian Rockies
    (C.Walker. Vocal: Hillman. Time: 2:02) Rec date: April 24, 1968
  4. 監獄暮らし - Life in Prison
    (M.Haggard - J.Sanders. Vocal: Persons. Time: 2:46) Rec date: Aplir 4, 1968
  5. なにも送ってこない - Nothing Was Delivered
    (B.Dylan. Vocal: McGuinn. Time: 3:24) Rec date: March 15, 1968

クレジット編集

Produced by Gary Usher
 
We Would like to thank the following :
Roger McGuinn - Guitar, Banjo
Chris Hillman - Bass Guitar, Mandolin
Gram Parsons - Guitar
Kevin Kelley - Drums
Earl P. Ball - Piano
Jon Corneal - Drums
Lloyd Green - Steel Guitar
John Hartford - Banjo, Guitar
Roy M.Husky - Bass
JayDee Maness - Steel Guitar
Clarence J.White - Guitar
 
Album Package Design by Geller and Butler Advertising;
Cover Illustration by Jo Mora, copyright 1933

脚注編集

出典編集

  1. ^ a b 宇田和弘「ザ・バーズ 多彩な変遷から見えてくるアメリカン・ロックの存在証明」『レコード・コレクターズ増刊 アメリカン・ロックVol.2』第14巻第14号、株式会社ミュージック・マガジン、1995年12月25日、 119-125頁。
  2. ^ a b 鈴木カツ「ザ・バーズ オリジナル・アルバム・ガイド」『レコード・コレクターズ増刊 アメリカン・ロックVol.2』第14巻第14号、株式会社ミュージック・マガジン、1995年12月25日、 132-134頁。
  3. ^ 白井英一郎「ザ・バーズ 関係アーティスト名鑑」『レコード・コレクターズ増刊 アメリカン・ロックVol.2』第14巻第14号、株式会社ミュージック・マガジン、1995年12月25日、 174-176頁。
  4. ^ 宇田和弘「ザ・バーズ 素顔のバーズに迫ったこだわりのCDボックス」『レコード・コレクターズ増刊 アメリカン・ロックVol.2』第14巻第14号、株式会社ミュージック・マガジン、1995年12月25日、 142-145頁。