ワット・プラパーイルワン

ワット・プラパーイルワン (Wat Phra Phai Luang、タイ語: วัดพระพายหลวง) は、タイ北部スコータイにある仏教寺院(ワットwat)である。

ワット・プラパーイルワン
วัดพระพายหลวง
Wat Phra Phai Luang
ワット・プラパーイルワンの塔堂部
基本情報
座標 北緯17度1分45秒 東経99度41分58秒 / 北緯17.02917度 東経99.69944度 / 17.02917; 99.69944座標: 北緯17度1分45秒 東経99度41分58秒 / 北緯17.02917度 東経99.69944度 / 17.02917; 99.69944
宗教 仏教
宗派 大乗仏教上座部仏教
地区 ムアンスコータイ郡
スコータイ県
タイ王国の旗 タイ
現況 遺跡
建設
形式 クメール建築英語版
創設者 ジャヤーヴァルマン7世
完成 12世紀末(塔堂)
建築物
正面
横幅 675m
奥行 600m
資材 ラテライト煉瓦
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仏塔(左中央)と仏堂(右奥)の遺構

位置

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ワット・プラパーイルワンは、スコータイ歴史公園にある寺院遺跡であり、旧市街の城壁の北門(サーンルアン門、: Sam Luang Gate)より北約500mの位置にある[1]スコータイ以前における宗教の中心地であり市内で最大の寺院であった[2]

歴史

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12世紀末、都がまだクメール支配によるラヴォ王国のもとにあったジャヤーヴァルマン7世の統治時代に構築された[3]。独立とワット・マハータートの創設後、ワット・プラパーイルワンはその中心であった宗教的役割を失い、上座部仏教寺院となった[4]。ワット・プラパーイルワンはクメール美術からタイ美術への移行を研究するために重要な寺院である。寺院は1965-1966年に修復を受けた[5]

構成

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塔堂の偽扉上の装飾

寺院複合体は2重のに囲まれている。外堀は南北600m、東西675mであり[4]、ラムパーン川より供給される。複合体の北西部には、14世紀末の礼拝堂(ウィハーン、wihan)の遺構がある[6]

ワット・シーサワーイのように、寺院には3基のラテライトの塔堂(プラーン、prang)を備えるが、いまだ良好な状態で保存されているのは北側の1基のみである[1][3]。考古学者は、3基の塔堂はかつて共通のラテライトの基壇に立っていたと考えられる。3基の塔堂はすべて東向きにあり、扉の両側に支柱をもつそのティンパヌムペディメント破風〉)には、仏陀などを描写した装飾が施された[7]。ほかの3面にある扉はいわゆる「偽扉」である[2]。14世紀になり塔堂は改修され、タイ美術の基本的様式となる精巧な葉や枠の模様が化粧しっくい(スタッコ)に追加された。その漆喰美術のほとんどは現在ラームカムヘーン国立博物館ドイツ語版に収蔵されている[2][5]

塔堂の東側に、広い礼拝堂の基礎や支柱の遺構があり、その東の正方形の基壇の中央にはピラミッド型の仏塔(チェーディー、chedi)が構築され、壁龕にスコータイ様式の仏像が見られる[2][8]。また、その東側には15世紀に構築された仏堂(モンドップ、mondop)の遺構もあり、壁面には遊行仏、仏立像、仏坐像、涅槃仏の4体が認められている[1][2]。塔堂の西側には、8か所の結界石(バイセーマ、bai sema)に囲まれる小さな本堂(ウボーソット、ubosot)がある[2][4]

脚注

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  1. ^ a b c 中村浩『ぶらりあるきチェンマイ・アユタヤの博物館』芙蓉書房出版、2016年、93頁。ISBN 978-4-8295-0701-8 
  2. ^ a b c d e f Wat Phra Phai Luang”. Renown Travel. 2017年9月11日閲覧。
  3. ^ a b 高杉等『東南アジアの遺跡を歩く』めこん、2001年、204頁。ISBN 4-8396-0144-5 
  4. ^ a b c Wat Phra Phai Luang, Sukhothai, Thailand”. Asian Historical Architecture. orientalarchitecture.com. 2017年9月11日閲覧。
  5. ^ a b 金子 (1985)、166頁
  6. ^ 金子 (1985)、170頁
  7. ^ 金子 (1985)、167-168頁
  8. ^ 金子 (1985)、168-170頁

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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