ヴィルト第2彗星
ヴィルト第2彗星(81P/Wild)は、周期6.41年で太陽の周りを公転する短周期彗星。1978年1月6日、スイスの天文学者パウル・ヴィルトによって発見された。
| 彗星 周期彗星の一覧 / 非周期彗星の一覧 | |
|---|---|
| 発見 | |
| 発見者 | パウル・ヴィルト |
| 発見日 | 1978年1月6日 |
| 符号・別名 | 1978 XI = 1984 XIV 1990 XXVIII |
| 軌道要素 - IAUNASA | |
| 離心率 (e) | 0.5384 |
| 近日点距離 (q) | 1.592 AU |
| 軌道長半径 (a) | 3.45 AU |
| 遠日点距離 (Q) | 5.308 AU |
| 公転周期 (P) | 6.408 年 |
| 軌道傾斜角 (i) | 3.2394° |
| 近日点引数 (ω) | -° |
| 昇交点黄経 (Ω) | -° |
| 前回近日点通過 | 2010年2月22日[1] |
| 次回近日点通過 | 2016年7月20日[2][3] |
ヴィルト第2彗星は、近日点が火星の周回軌道付近、遠日点が木星の周回軌道付近にある木星族の彗星である。軌道を過去に遡って調べた結果、ヴィルト第2彗星は、かつては木星付近から天王星付近の間を40年前後かけて周回するケンタウルス族の軌道を取っていたが、1974年9月9日に木星へ0.0061天文単位(約91万2千㎞)まで接近したことから摂動を受けて軌道が変わり、近日点が4.9天文単位から1.49天文単位(当時、以下同)に、公転周期が43.17年から6.17年に変化したことが分かった[1]。
このことから、ヴィルト第2彗星は太陽の影響をほとんど受けていないと考えられ、アメリカ航空宇宙局 (NASA) のディスカバリー計画の対象となった。そして1999年に探査機スターダストが打ち上げられ、2004年1月3日にヴィルト第2彗星の核をフライバイして72枚の写真を撮影した(最接近距離240 km)。それと同時にスターダストはエアロゲルにより彗星の塵を採集しており、2006年1月15日にサンプルリターンに成功。現在、日本を含む全世界の科学者たちにより分析が進められており、これまでに輝石やカンラン石、鉄とニッケルの単体及び硫化物[4]が発見されており、その成分はコンドライトに近いものであった。他に、アミノ酸のグリシン(彗星からの発見は初)[5]が発見されており、生命誕生の元となる物質の一部が宇宙起源であるという説の立証となると期待されている。
過去に探査機が到達したハレー彗星やボレリー彗星とは異なり、ヴィルト第2彗星の核(直径5km)は丸く、核全体が切り立った壁のクレーターで覆われていた。このことから、ヴィルト第2彗星の核には氷のほかに粘着性の強い物質が含まれていると考えられている[6]。なお、核の色はハレー彗星などと同様にほぼ黒色であった。
外部リンク編集
- 81P/Wild 2 - GARY W. KRONK'S COMETOGRAPHY
- ヴィルト第2彗星の軌道 - NASA
- 吉田誠一 ヴィルト第2彗星 - 彗星カタログ
出典編集
- ^ a b Kinoshita, Kazuo (2005年4月13日). “81P past, present and future orbital elements”. Comet Orbit. FC2. 2010年10月24日閲覧。
- ^ Nakano, Syuichi (2009年12月12日). “81P/Wild 2 (NK 1861)”. OAA Computing and Minor Planet Sections. 2010年10月24日閲覧。
- ^ Yeomans, Donald K.; Chamberlin, Alan B.. “Horizons Ephemeris”. JPL Solar System Dynamics. 2010年10月24日閲覧。
- ^ 留岡和重、富岡尚敬、大西市朗『スターダストが回収したヴィルト2彗星塵の鉱物科学:透過電子顕微鏡による研究』、日本惑星科学会誌 Vol.16.No.4、2007年、2015年10月31日閲覧
- ^ 彗星の宇宙塵に「生命の前駆物質」を確認、WIRED、2009年8月19日、2015年10月31日閲覧
- ^ 科学技術トピックス→『彗星探査機スターダストが明らかにした彗星の多様性』、科学技術専門家ネットワーク、2004年、2015年10月31日閲覧
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