三井記念美術館
三井記念美術館(みついきねんびじゅつかん)は、東京都中央区日本橋室町にある、旧財閥三井家の伝来品を収蔵展示するために設立された、公益財団法人三井文庫が運営する私立美術館である。
三井記念美術館 Mitsui Memorial Museum | |
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外観 | |
施設情報 | |
正式名称 | 三井記念美術館 |
前身 | 三井文庫別館 |
専門分野 | 美術 |
館長 | 清水眞澄 |
管理運営 | 公益財団法人三井文庫 |
開館 | 2005年10月8日 |
所在地 | 東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階 |
位置 | 北緯35度41分10.8秒 東経139度46分22.0秒 / 北緯35.686333度 東経139.772778度座標: 北緯35度41分10.8秒 東経139度46分22.0秒 / 北緯35.686333度 東経139.772778度 |
外部リンク | http://www.mitsui-museum.jp/ |
プロジェクト:GLAM |
歴史
編集1985年、三井家の修史事業を行う三井文庫の本館(史料館)がある東京都中野区上高田に、文化史研究部門として「三井文庫別館」を併設・開館し、数次にわたり三井家伝来の美術品・郵便切手等の寄贈を受けて収集・研究・一般公開を行うようになった[1]。
2005年10月8日より、旧三井鉱山の入居していた東京都中央区日本橋室町の三井本館(重要文化財建造物)7階に「三井文庫別館」が担っていた一般公開施設としての機能を移転し、「三井記念美術館」と改称して開館した。
2022年(令和4年)、前年からの空調設備、照明、床、エントランス、映像ギャラリー、ショップなどの改修工事を終えて三井記念美術館がリニューアルオープンした。改修延べ床面積は3,301.52 m2[2]、美術館面積は2,865 m2、展示室面積は914 m2[3]。
主な収蔵品
編集三井家は本家にあたる総領家(北家)を含め11家に分かれているが、三井記念美術館には北家(総領家)、新町家、室町家、南家、伊皿子家、本村町家のほか、三井家の親戚である鷹司家から寄贈された文化財が収蔵されており、その総数は約4,000点である。中でも北家(総領家)、新町家、室町家からの寄贈品が多く、北家(総領家)から1,900点、新町家から1,050点、室町家から700点が寄贈されている。それらには国宝6点、重要文化財75点、重要美術品4点が含まれおり、茶道具の名品が多い[4][5]。
北家(総領家)伝来品は、三井文庫別館開設時に11代当主・旧男爵の三井八郎右衛門(三井高公、1895-1992)から寄贈されたものである。円山応挙が三井家のために描いた『雪松図』、国宝2件を含む刀剣類、藤原定家の日記の一部である「熊野御幸記」、金剛右京家伝来の能面類などが著名である。
新町家伝来品は、同家10代当主・旧男爵の三井高遂(みついたかなる、1896-1986)から寄贈されたもので、火葬墓から出土した墓誌としては日本最古の年紀をもつ「船氏王後墓誌」(ふなしおうごぼし)が著名である。
室町家伝来品は1993年(平成5年)に寄贈されたもので、日本製の陶磁器としては数少ない国宝のひとつである、志野茶碗「卯花墻」(うのはながき)が著名である。
他に、三井新町家当主・三井高堅(みつい たかかた、1867-1945)の収集にかかる中国古拓本の聴氷閣(ていひょうかく)コレクション、南家当主・三井高陽(みついたかはる、1900-1983)の収集にかかる、世界有数の郵趣コレクションも収蔵されている。
国宝
重要文化財
- 紙本金地著色日月松鶴図 六曲屏風一双
- 紙本著色東福門院入内図 四曲屏風一双[6]
- 旧金剛宗家伝来能面 54面(明細は後出)[7]
- 楽焼黒茶碗(雨雲)本阿弥光悦作
- 黒楽茶碗(俊寛)長次郎作
- 赤楽茶碗(鵺)道入作[8]
- 唐物肩衝茶入(北野) [9]
- 鸞天目茶碗
- 粉引茶碗(三好)[10]
- 太刀 銘国信
- 太刀 銘助真
- 太刀 銘則宗
- 太刀 銘備州長船基光
- 太刀 銘備州長船住兼光 暦応二年正月日
- 薙刀 銘一
- 刀 銘国広
- 拾遺抄[10]
- 古林清茂墨蹟 与無夢一清偈 泰定四年至節後三日
- 手鑑「たかまつ」(百八十六葉)
- 清拙正澄墨蹟 霊致別称偈 延元元年仲夏
- 白氏文集巻第二十三、第三十八(金沢文庫本)[11]
- 日本航海図(羊皮紙著色)
- 典拠:2000年までの指定物件については『国宝・重要文化財大全 別巻』(所有者別総合目録・名称総索引・統計資料)(毎日新聞社、2000)による。
- 国宝・重要文化財の所有者は公益財団法人三井文庫(東京都中野区上高田5 - 16 - 1)
その他
- 聚楽第図屏風(じゅらくだいず・びょうぶ / じゅらくていず・びょうぶ)
翁(伝春日作)、不動、孫次郎(伝孫次郎作)、顰(しかみ、伝赤鶴(しゃくつる)作)、白色翁(伝日光作)、黒色翁(伝春日作)、黒色翁(伝日光作)、小尉(伝小牛作)、小尉(伝小牛作)、石王尉(伝福来作)、稲尉、大癋見(おおべしみ、伝赤鶴作)、小癋見(伝赤鶴作)、長霊癋見(伝長霊作)、牙癋見(伝赤鶴作)、大飛出(おおとびで、伝赤鶴作)、小飛出(伝赤鶴作)、獅子口(伝赤鶴作)、顰(伝夜叉作)、黒髭(伝赤鶴作)、天神(伝徳若作)、怪士(あやかし、伝千種作)、三日月(伝徳若作)、痩男(伝日氷(ひみ)作)、平太(伝夜叉作)、中将(伝福来作)、若男(伝徳若作)、童子(伝千種作)、喝食(伝夜叉作)、喝食(伝春若作)、小面(伝龍右衛門作)、孫次郎、増女(ぞうおんな、伝増阿弥作)、宝来女(伝宝来作)、曲見(しゃくみ、伝龍右衛門作)、泥眼(でいがん、伝龍右衛門作)、十寸髪(ますかみ、伝龍右衛門作)、痩女(伝日氷作)、老女(伝日氷作)、姥(伝千代若作)、山姥(伝福来作)、山姥(伝徳若作)、般若(伝龍右衛門作)、蛇(じゃ)、舞尉(伝三光坊作)、阿古父尉(近江満昌作)、三光尉(出目満照作)、三光尉(金剛長頼作)、茗荷悪尉(出目満照作)、癋見悪尉(洞白満喬作)、三日月(古元休満永作)、中将(金剛頼勝作)、猩々(金剛頼勝作)、景清(出目満照作)
交通アクセス
編集東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階
脚注
編集- ^ 三井文庫 概要
- ^ 三井記念美術館改修
- ^ 館内のご案内 三井記念美術館
- ^ 美術館の概要 三井美術館
- ^ 館蔵品の概要 三井美術館
- ^ 平成18年6月9日文部科学省告示第79号
- ^ 2008年に既指定の重要文化財の能面4件(翁、孫次郎、不動、顰)を統合し、これに重要美術品40面、未指定品10面を追加指定し、「旧金剛宗家伝来能面 54面」の名称であらためて重要文化財に指定された。(平成20年7月10日文部科学省告示第113号)
- ^ 平成26年8月21日文部科学省告示第106号
- ^ 平成15年5月29日文部科学省告示第103号
- ^ a b 平成28年8月17日文部科学省告示第116号
- ^ 平成26年8月21日文部科学省告示第107号