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乱と灰色の世界』(らんとはいいろのせかい)は、入江亜季による日本漫画作品。

作者初の長編連載作品。2008年に『Fellows!』(エンターブレイン)にて連載をスタートし、『Fellows!』が『ハルタ』へ誌名変更した. 2015年4月15日発売のハルタにて完結した。単行本は全7巻。

概要編集

地方都市・灰町を舞台にある魔法使いの一家「漆間家」を中心に巻き起こる現代ファンタジー。

完結マンガ大賞2015・銀賞受賞[1]

あらすじ編集

地方都市・灰町には4人の魔法使いが住んでいる。その中で一番幼い漆間乱の特技は大きすぎる大人用のサイズのシューズを履いて大人の姿になること。それを利用して大晦日の夜に初詣に行こうとした乱だったが眠気に負けて寝てしまった。寝てしまった乱を部屋まで運んだ兄・陣はそこで母親の手鏡が割れていることに気付く。そして迎えた1月1日。卵を割れば三つ子と四つ子が出てきたり、空を見上げれば朝から花びらが降ってきて…。どんどん漆間家を中心に不思議な事が起こり始めて行く。

登場人物編集

漆間家編集

漆間乱(うるまらん)
大人サイズのシューズを履くと大人に変身できる魔法使い一族の少女。10歳の小学生。いつも履いているシューズ以外だと魔法の制御がしにくく大人に変身できない。
両親の強い魔力を受け継いでおり制御に関しては大人になること以外の魔法は余り上手く扱えず、寝ている最中にベッドや部屋の物ごと事空中に浮いて空中から床に落ちて目覚めることがしばしば。
灰町にきてから家族以外のクラスメイトなどの周囲の環境に馴染めておらず、学校生活においても浮いている。また魔力がコントロールできないため魔力が弱いと思われており同郷の子ども達からもいじめに遭っている。
しかし、クラスメイトのいじめてくるグループにいた人間の日比とは足をねん挫したことがきっかけで徐々に親睦を深めている。本来の性格は天真爛漫で明るく素直な少女である。
第7話からは母 静の探してきた魔法使いの家庭教師たま緒の指導で魔力の勉強を始める。本人は気づいていないが桁外れに大きな魔力が潜在しており制御の訓練に苦労して自分で魔法が使えたと実感できたのは第21話。
漆間陣(うるまじん)
乱の兄。18歳の高校3年生。いつもワガママでお転婆な妹の尻拭いばかりで妹に対し甘い家族の中で叱咤できる数少ない人物。基本悩みの種は乱だが時折帰ってるマイペースな母 静の起こす騒動の尻拭いも多い。
なんだかんだで心配性な妹思いの兄である。特殊能力は狼に変身できること。狼の特殊能力の効果で目・鼻・耳がとても良い。学内では文系トップの成績でスポーツ万能、硬派で男気にあふれる性格から
女子にモテる。また男子からは尊敬されている。狼としての本能で自身と相性の良い伴侶を見つける時期に入ったことで獣の心が行動を支配して学校でひと騒動起こした。
最終的にもとより自身に好意の有った珊瑚と結ばれる。
漆間全(うるまぜん)
乱と陣の父親。年齢不詳。妻の静が家にほとんどいないため家事一切に苦労している。鴉に変身できる黒羽衆の頭目。実力も魔力も高く屈指の実力者で人望も厚い。
静とともに魔法使いの一族を守護する黒羽衆の頭目として立場的にも自身は人間界におり魔法使いの村にいる静とは役割分担をしている。今は丸くなったが昔はかなりの暴れん坊であった。
静にはかなり甘くラブラブで夫婦仲は良い。厳格ながらも家族思いの良い父親。たこ焼き好き。妻の静とのなれ初めは静が人間の村を魔法で従わせていたところを黒羽衆として静の討伐にやってきたことがきっかけ。
漆間静(うるましずか)
乱と陣の母親で全の妻。年齢不詳。最強の魔女。全をもしのぐ魔力の持ち主。ある役目により魔法使いの村から長く離れられず灰町にはほとんどいない。
幼く甘えたい盛りの乱のことを気にかけておりいろいろ苦心し灰町で一緒に暮らせるようになった。たぐいまれなる美貌の持ち主。飄々としており天然で奔放な性格である為歳頃の息子 陣には悪態をつかれることもある。本人は至ってマイペースな母であるが魔法使いを束ねる人物として全ての魔法使いのあこがれの存在でもある。生まれてすぐ死んだが蘇った過去をもつ。運よく老魔女にかわいがられ育つも家族へのあこがれも強かったため誰よりも家族のことを思っており家族に関すると感情的になる面も。夫の影響もあってか使い魔などは鳥であることが多い。

魔法使い編集

月光院仁央(げっこういんにお)
乱と同い年の10歳の魔法使いで銀髪にメガネの美少女。得意な魔法は風、空気を操るもの。
第20話から登場。師と仰ぐたま緒(たまお)が自分を弟子にしてくれず乱を指導することになったと知り逆恨みに近い感情を持って乱の学校へ転入してくる。人間の前で魔法を行使するなど乱に対しかなり攻撃的であった。乱と対決するが乱の桁外れに大きな魔力と自分の魔力の差に驚愕することになる。
魔力の制御技術や自身の魔力の特性の理解に置いては乱や同世代の中でもは類を見ないほど優秀かつ大人顔負けの技術力を持ったエリート。真面目で実は面倒見がよいその性格から毒舌を吐きながらも乱に対する態度は軟化し友人としてライバルとして乱とは切磋琢磨し成長していく。月光院家は代々強い魔力をもつ格式高い家柄であり、母(月光院月光)が非常に厳格で若干重さを感じている。
橘たま緒(たちばなたまお)
魔力をもっていないため魔法が使えない魔女。酒豪で細身の大食い。但し魔力の発生原理と活用方法について体系的な知識を会得しており魔法研究の第一人者。体に触れるだけで魔法使いを無力化することもでき、全さえもおそれさせる。静も頼りにしており乱の指導を頼み込んだ。乱の学校に保険医として入り込んでいる。魔力がなかったことで幼少時はかなり苦労したが全と出会ったことで魔法使いに対する価値観が変わった。普段は口も悪く飄々としているが切れ者。
皇瑪瑙(すめらぎめのう)
皇四姉妹の長女。21歳。強い魔力の持ち主で攻撃性のある氷と雷の魔力特性を持つ。静たちと一緒に大仕事をこなす。女性では珍しい攻撃力の高い魔法を得意とするため男衆(黒羽衆・白狗衆)に交じって戦う。
魔力を使うとお腹が空く体質の為魔力消耗後は大食いである。ショートヘアと男前な気質で女性からもモテる美女。妹思いの心強い姉。骸虫との戦いを通じ白狗衆の頭目 洲々呂とは実力を認め洲々呂に修行を受けている陣に彼の話を聞きたがるなど交流が続いている様子。怒ると男まさりな性格に拍車がかかり血の雨が降るほど怖い。
皇瑠璃(すめらぎるり)
皇四姉妹の次女。年齢は分かっていないが長姉の瑪瑙と三女の珊瑚の年齢から17~20歳。姉に次ぐ力の持ち主でやはり容姿端麗の美人。銀の髪を刀のように自在に操り大魚を一瞬でさばいた。刃に関しては魔女随一。魔法医の別珍先生の大ファンで助手の看護師の一人。一見軽そうだが姉を助けて妹たちを気遣い頼れる一面も持ち合わせている。
皇珊瑚(すめらぎさんご)
皇四姉妹の三女。16歳。自身で糸を紡ぎ、魔力を込めたその糸で織った布や紐を自由自在に操ることが魔法が得意。それらを用い結界や透明化することも可能。皇四姉妹の中では序盤から登場し一番登場回数が多い。乱の良き理解者であり優しい姉のような存在でもある。
静の従者として傍にいる事も多く魔法使い召集の会議には静(分子化された姿)に同行し強力な結界を張った。その為若年ではあるが結界術に関してはトップレベルである。
5歳の時陣と同衾したことでもとより思い込みの激しい性格に輪をかけて「彼の妻にならなくてはならない」と思い込んだ事がきっかけで陣に片思いをしていた。陣の為ならば自分の事は後回しにするなど自身を顧みないところがある。彼の「狼としての春」の時期に相性が良いことが分かり伴侶として選ばれる。陣に望まれるがまま操をささげるなどその後も二人の関係は続き、結果的に物語後半で正式に陣より求婚されて応じてははいたが未婚のまま妊娠が発覚する。(出産後陣と結婚式を挙げている)四人の中で一番おとなしい性格であるが芯の通った大和撫子タイプの美少女。料理も上手。人にものを教えるときは意外とスパルタ。
皇琥珀(すめらぎこはく)
皇四姉妹の末っ子の四女。14歳。得意魔法は謎の炭火焼き。いろいろな意味で成長途中。素直で優しい性格。姉たちにとても愛されており、自身も姉思い。
別珍先生(べっちんせんせい)
他に並ぶ者のいない魔法医の名医。蛇の魔法使い。灰町の病院には代々受け継がれた別珍先生用ホットラインがあり魔法絡みの難病で呼ばれることもある。助手の一人のベルベットは彼の娘で彼女もまた蛇の魔法使いである。
洲々呂(すずろう)
狐に変身できる白狗衆を束ねる若き頭目。風呂ギライで普段の身なりはひどい。好戦的で戦闘能力は非常に高く全の召集を受け骸虫討伐のため遠方より参上する。実力至上主義な白狗衆で一番の強さを誇る。
全に対しては他の魔法使いと同様敬意を払っている。非常に気性が荒い性格で特に黒羽衆のメンバーとは衝突が激しい。皇姉妹の長姉瑪瑙のことは「良い女だがやりづらい」とこぼしながらも修行に来た陣に帰り際に
「瑪瑙によろしくな」と伝えるなど彼女のことは気に入っている様子。嫁募集中であり、身なりを整えれば美丈夫である。味覚は破壊的。マヨネーズ好きのマヨラー。

灰町の住民編集

日比誠(ひび まこと)
乱の同級生の10歳の男子。家は花屋で花に詳しく花が大好き。乱に不思議な魅力を感じつつも仲間と共についつい乱をいじめるが、時折乱に対し不器用な優しさを見せる。
乱が捻挫した事がきっかけで見舞いに来た際変身する乱を見てしまう。後に紆余曲折はあって乱と友達になり乱の友達作りに協力する良き理解者となる。乱を異性としても好きであり、灰町に起こる不可思議な事件に乱と関わったことで巻き込まれていく。魔法使いである乱に対し理解を示し、人間の身でありながら命がけで乱を守る為行動を共にするなど男らしい一面も。
三門凰太郎(みかど おうたろう)
容姿端麗で女遊びを趣味にする御曹司であり社長も務める道楽者。29歳。優秀であり、何でも手に入る自身の環境に飽き飽きしながらも自堕落な生活を送っていたところ大人に変身した乱と出会う。
乱が自分の周りに今までいなかった天真爛漫で無垢な人物であったことで徐々に心惹かれていくことになる。乱に対してはかなり甘いが時には本人らしからぬ正論を説き乱をやさしくたしなめることも。次第に彼女にとっての家族以外の「人間」として心許す存在となっていく。乱の初恋の人である。その毒にまみれた生活のせいか乱達の魔法使いたちのとある事故に巻き込まれてしまう。
乱に好意のある日比に関しては自身より年の離れた子供でも大人げなく攻撃的。

用語編集

魔法使い(まほうつかい)
遺伝によって受け継がれる常人とは異なる特別な能力を持つ人々。容姿端麗のものが多い。魔力とは精神力ではなく体内で生成される結晶体が体外で起こす物理作用として説明されている。魔法使いの存在目的は代々受け継がれてきたものであり迷いはなく、能力の種類によって仕事を分担している。魔法が使えること以外は普通の人間と変わらない。成人までは人間と同じように成長するがその後の寿命や老化に関しては人間より遅いようである。
魔力の弱い人に関しては排他的で差別的な部分を持っており実力主義な一面も目立つ。和装が基本だが女性は現代のエステにも興味をもっていたりする。
魔力や魔法の特性は人それぞれで親から継承するものもあればそうでないものもあり能力が覚醒するまでわからない。男性は攻撃魔法・女性は守護や防御魔法を得意とする傾向がある。特に女性で攻撃魔法も得意な魔女は稀でその傾向がある魔法使いは総じて魔力が強い。
黒羽衆(くろばねしゅう)
鴉に変身できる男たちの呼び名。飛ぶだけでなく様々な魔法も使えるが人によりそれは異なる。全が頭目を努め彼らを纏めている。
白狗衆(しらこましゅう)
狐に変身できる男たちの呼び名。黒羽衆とは気が合わずぶつかり合うこともある。全には敬服しており招きにより骸虫討伐のため漆間家に参上した。好戦的でありそれが故に普段は魔法使いの村には留まっていない。自ら骸虫を食らうことで耐性があり骸虫を食べ毒に耐えたものが白狗衆に入隊できるなど強いものしか残れないエリート集団。(もちろん骸虫に耐えられなければ死を意味する)
頭目は洲々呂。
骸虫(むし)
魔法使いたちが人の世界への侵入を阻止する対象で形状は蜂に似ており人に取り付くと卵を産み付け孵化すると脳に達しすべてを蝕み操る。封じ込められたのが異世界なのか不明だが魔法使いの一族のなかでも魔力の高いもの達が山中の大穴にある巨大な扉の中に封印している。静が魔法使いの村を離れられないのはこの役割があるからである。閉じ込められているが群体としての意識が存在し扉を破り脱出することを常に目論む。魔法使いであっても寄生されれば死に至る。まして人間たちには爪一つでも猛毒であり死に至る危険なものである。
灰町(はいまち)
名前の由来は一度灰になったから。過去に骸虫の害で焼却されたとため思われる。現在は普通の中規模地方都市だが歴代市長は魔法使いたちとのつながりを受け継いでおり、骸虫の害を受けないよう、受けたとしてもここで食い止めるよう覚悟を決めた町の名と推測される。
魔法使いの村(まほうつかいのむら)
灰町の北東約90キロの山中にあり、数百年前から魔法使いたちが住んでいる集落。そこにある骸虫を封じた扉を締切り維持することが魔法使いたちの使命。
プリンくん
乱のお気に入りマスコット。頭部がプリン。プリンくんピンバッジがハルタ年間購読者にプレゼントされた。

書籍情報編集

単行本発売元は第1巻から第4巻までは「発行:エンターブレイン / 発売:角川グループパブリッシング」、第5巻のみ「発行:エンターブレイン / 発売:KADOKAWA」の表記で発売。

脚注編集

  1. ^ 完結マンガ大賞2015にラブやん、乱と灰色の世界、シドニアの騎士など”. コミックナタリー (2016年1月27日). 2016年1月28日閲覧。

外部リンク編集