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人称変化(にんしょうへんか)とは、インド・ヨーロッパ語族の用語で動詞主語と話者との関係(人称)、およびによって語形を変えることをいう。主語と話者が同じ場合を一人称、主語が話者の相手である場合を二人称、それ以外を三人称という。以下はラテン語の動詞 sum(esse)の例(直説法現在形能動態)である。

人称 単数 複数
一人称 sum sumus
二人称 es estis
三人称 est sunt

同様の人称変化は印欧語族に限らず世界の多くの言語(ウラル語族アフロアジア語族、その他)に見られる。

主語だけでなく目的語の人称によっても変化する言語もあり、例えばアイヌ語エスキモー語やウラル語族の一部などに見られる。ハンガリー語では印欧語と同様の人称変化のほかに、目的語の定性による変化(定活用・不定活用)がある。

印欧語の多くでは動詞に人称変化があるため、主語の人称代名詞を明示する必要がない(プロドロップ言語)。しかし英語フランス語のように人称変化が退化した言語では、こういうことはできない。また現代のスカンジナビア語群、デンマーク語ノルウェー語スウェーデン語には人称変化は存在しない。

日本語中国語など東アジアを中心に分布する主題優勢言語では、動詞の人称変化はないが、文脈に応じて主語を明示しない。このうち日本語、朝鮮語ジャワ語など文法的な敬語法が発達した言語では、場合によってはそれが人称変化の代用となっている。

動詞だけでなく、名詞に所有者の人称を示す人称接辞がつく言語もあり(ウラル語族やトルコ語など)、特にアイヌ語では体の一部分などについてはこれが義務的である。