六月の蛇』(ろくがつのへび)は、2002年の日本のエロティック・スリラー映画である。塚本晋也が監督を務め、黒沢あすか神足裕司が主演を務めている。第59回ヴェネツィア国際映画祭にて「コントロ・コレンテ」部門の審査員特別賞を受賞した[1]

六月の蛇
監督 塚本晋也
脚本 塚本晋也
製作 塚本晋也
出演者 黒沢あすか
神足裕司
音楽 石川忠
編集 塚本晋也
製作会社 海獣シアター
配給 ゼアリズエンタープライズ
公開 イタリアの旗 2002年9月1日(ヴェネツィア国際映画祭
日本の旗 2003年5月24日
上映時間 77分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

あらすじ

編集

「こころの健康センター」電話相談室でカウンセラーを務める辰巳りん子(黒沢あすか)は、夫の重彦(神足裕司)と暮らしている。りん子と重彦はセックスレスの状態が続いている。ある日、りん子のもとへ写真の束が送られてくる。そこには、部屋で自慰行為をする彼女の姿が収められていた。写真の送り主は、かつて彼女が自殺を思いとどまらせた相談者の飴口道郎(塚本晋也)である。

りん子は飴口からの電話を受けて、指定された駅のトイレに向かう。彼女は写真のフィルムを受け取る代わりに、屋外で自慰行為をするよう命令される。次第に、りん子の心に眠っていた性的な欲望が目覚めていく。後日、りん子は医師の診断を受けた結果、乳癌を患っていると知らされる。

1枚の写真を拾った重彦は、りん子の行動に疑念を抱き、彼女を尾行する。りん子は、雨が降りしきる路地裏の空き地に到着すると、衣服を脱ぎ捨てて自慰行為をする。自動車に乗った飴口は、彼女の姿を写真に収める。りん子は無数のフラッシュを浴びながら絶頂を迎える。重彦は、驚きと興奮の入り交じった表情で、その様子を物陰から見つめる。

重彦は飴口に呼び出されて、暴行を受ける。末期癌を患っている飴口は、その後、命を落とす。りん子は、傷だらけの重彦と再会を果たす。2人は裸になり、激しく愛し合うのであった。

キャスト

編集

評価

編集

Rotten Tomatoesでは、9件の批評家レヴューで平均値は5.4点、支持率は56%だった[2]

Variety』のデヴィッド・ルーニーは、「操作と支配という暗い主題から、回復と再生という結末へ至る本作は、監督の塚本晋也にとって珍しく楽天的な作品である」と指摘した[3]。『The Guardian』のピーター・ブラッドショウは、「三池崇史監督の『オーディション』や村上龍監督の『トパーズ』に似た日本的な味わいが感じられる」と述べて、本作に5点満点の4点を与えた[4]

受賞

編集

脚注

編集
  1. ^ 特集:ベネチア国際映画祭”. 朝日新聞デジタル. 2016年10月13日閲覧。
  2. ^ A Snake of June (Rokugatsu no hebi) (2002)”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2016年10月13日閲覧。
  3. ^ Rooney, David (2002年9月10日). “Review: ‘A Snake of June’”. Variety. 2016年10月13日閲覧。
  4. ^ Bradshaw, Peter (2003年6月13日). “A Snake of June”. The Guardian. 2016年10月13日閲覧。
  5. ^ ベネチア映画祭が閉幕。塚本晋也監督作に特別賞”. 映画.com (2002年9月10日). 2016年10月13日閲覧。
  6. ^ 東京スポーツ 映画大賞”. 東スポWeb. 2016年10月13日閲覧。
  7. ^ 第25回ヨコハマ映画祭 日本映画ベスト10”. ヨコハマ映画祭. 2016年10月13日閲覧。

外部リンク

編集