剣持点
幾何学において、剣持点(けんもつてん、けんもちてん[1]、英語: Kentmotu point,congruent squares point)は和算で発見された三角形の中心の一つである[2][3][4]。探賾算法を著作した剣持章行の名を冠する[5]。剣持点の英名は"Kenmotu"であるが、剣持章行の苗字の読みは「けんもち」である[6]。また、その定義から合同正方形点とも呼ばれる[1]。
定義
編集三角形△ABCについて、三角形の内部にあるAB,BC上、BC,CA上、CA,AB上に頂点を持つ合同な3つの正方形のある頂点は一致する。正方形が三角形の内部にある場合これを剣持点または第一剣持点(1st Kentmotu point)という。また、剣持点と辺上の点でない正方形の頂点から成る三角形と基準三角形は配景である。これを第二剣持点(2nd Kentmotu point)という。
三線座標
編集剣持点はEncyclopedia of Triangle CentersのX371,X372に登録されている。それぞれの三線座標は以下の式で与えられる[7]。
剣持円
編集剣持点を構成する正方形の三角形の辺上にある点計6点は共円である。この円を剣持円(Kenmotu Circle)という[8]。半径は以下の式で与えられる。また円の中心は第一剣持点である。
ただしa,b,cは三角形の辺長で、Sは面積である。
性質
編集第一剣持点
編集第ニ剣持点
編集関連
編集出典
編集- ^ a b “三角形の心”. taurus.ics.nara-wu.ac.jp. 2024年7月15日閲覧。
- ^ Weisstein, Eric W.. “Kenmotu Point” (英語). mathworld.wolfram.com. 2024年7月6日閲覧。
- ^ Kimberling, Clark (2006-12-01). “Traditional Japanese mathematics problems of the 18th and 19th centuries; Japanese temple geometry problems San Gaku” (英語). The Mathematical Intelligencer 28 (1): 61–63. doi:10.1007/BF02987007. ISSN 0343-6993 .
- ^ a b Eric Danneels (2005). “The Eppstein Centers and the Kenmotu Points”. Forum Geometricorum vol 5: 73-180 .
- ^ “探賾算法 | 東北大学総合知デジタルアーカイブポータル”. touda.tohoku.ac.jp. 2024年7月15日閲覧。
- ^ 日本人名大辞典+Plus,世界大百科事典内言及, 改訂新版 世界大百科事典,デジタル版. “剣持章行(けんもちあきゆき)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年7月15日閲覧。
- ^ “ENCYCLOPEDIA OF TRIANGLE CENTERS”. faculty.evansville.edu. 2024年7月6日閲覧。
- ^ Weisstein, Eric W.. “Kenmotu Circle” (英語). mathworld.wolfram.com. 2024年7月6日閲覧。