加賀谷寛
加賀谷 寛 (かがや ひろし、1930年 - 2019年6月19日)は、西アジア・南西アジアの諸言語・宗教・歴史を研究対象とした研究者。大阪外国語大学名誉教授[1]。専門はイスラーム研究、ウルドゥー語学、イラン近現代史。
人物情報 | |
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生誕 |
1930年??月??日 日本東京都 |
死没 | 2019年6月19日 (89歳没) |
出身校 | 東京外国語大学、東京大学 |
学問 | |
研究分野 | 言語学、宗教学、歴史学 |
研究機関 | 東京大学東洋文化研究所、大阪外国語大学 |
経歴
編集1930年、東京都生まれ。東京外国語大学ヒンドスタニー語学科(現・ウルドゥー語学科)を卒業後、東京大学大学院修士課程で宗教学を専攻した[2]。
東京大学東洋文化研究所で助手を務めたのち、大阪外国語大学の講師に就いた。後に助教授、教授昇進。2019年6月19日に死去した[3]。
栄典
編集著作
編集著書
編集- 『アラブのナショナリズム』弘文堂 昭和36年
- 『イラン現代史』近藤出版社 昭和50年
- 『イスラム思想 朝日カルチャーブックス』大阪書籍 昭和61年
- 『もっと知りたいパキスタン』弘文堂 昭和62年
- 『パキスタンにおける政治と権力』アジア経済研究所 平成4年
- 『ウルドゥー語辞典』大学書林 2005年(平成17年)
- 『加賀谷寛著作集』全3巻、京都大学イスラーム地域研究センター、2013年(平成25年)
- 1南アジアとイスラーム、2南アジアの政治と文化、3近現代イランの社会と思想
共著・訳書
編集- 『イスラム文明』(H.A.R.ギブ著) 昭和42年 紀伊国屋書店
- 『パキスタンの再建』(アイユーブ・カーン著、浜口恒夫共訳) 昭和43年 オックスフォード大学出版局
- 『イスラム文明史』(H.A.R.ギブ著、共訳) 昭和43年 みすず書房
- 「パキスタンの政治と宗教―イスラム国家(Islamic State)の理念について」『現代パキスタンの研究1947~71』 昭和48年 アジア経済研究所
- 「18世紀におけるイスラム宗教神秘主義史叙述」『宗教と歴史』1977年(昭和52年) 山本書店
- 『南アジア現代史Ⅱ―パキスタン・バングラデシュ』1977年(昭和52年) 浜口恒夫共著、山川出版社
- 『中東現代史Ⅰ―トルコ・イラン・アフガニスタン』1982年(昭和57年) 永田雄三・勝藤猛共著、山川出版社
- 『中東ハンドブック』講談社 1978年(昭和53年)
- 「南アジアにおける民衆宗教スーフィズム―聖者崇拝を中心に」『神々の相克』中牧弘充(編) 1979年(昭和54年) 新泉社
- 『近代ウルドゥ文学史』(アブ・ル・ライス・スィッディーキー著) 昭和54年 東海大学出版会
- 「近代イラン・ムスリム社会の宗派的二分化対抗」『宗教と社会』 1981年(昭和56年)
- 『イスラム 誕生から現代まで』(H.A.R.ギブ著) 東京新聞出版局 1981年(昭和56年)
- 『イスラム入門』講談社学術文庫、2002年(平成14年)
- 『イスラム事典』平凡社 1982年(昭和57年)
- 『パキスタン―世界の歴史教科書』(A.ハミード、A.G.チョウダリー著、共訳) 昭和60年 ほるぷ出版
- 「イラン民族運動の発展」『オリエント史講座』第6巻 学生社 昭和61年
- 「アル・アフガーニーとムハンマド・アブドゥフ」『オリエント史講座』 学生社 1986年
- 「現代のイスラームの諸動向の地域間比較」『人々のイスラーム』昭和62年 日本放送出版協会
- 「総論」「イラン近現代史とアイデンティティ」『他文化を受容するアジア』和泉書院 2000年
- 『イスラーム世界事典』(共編) 明石書店 2003年
論文・翻訳等
編集- 「近代におけるイスラーム思想の展開とその現状」『理想』304号 1958年
- 「西アジアにおけるナショナリズム」『思想』1960年12月号 昭和35年
- 「パキスタン国家形成におけるイスラムの役割」『東洋文化』29,pp.71-98. 昭和36年
- 「ペルシャ語によるイラン立憲革命史文献」『西南アジア研究』第9号 昭和36年
- 「イラン立憲革命の性格について」『東洋文化研究所紀要』第26冊 昭和37年
- 「近代におけるイスラムについて」『宗教研究』35巻四号 昭和37年
- 「インド・パキスタンにおけるムスリムの現代思想史(1)」『大阪外国語大学学報』31 1963年(昭和38年)
- 「イラン立憲革命の性格について(後編)」『東洋文化研究所紀要』第39冊 1964年(昭和39年)
- 「戦後イラン出版のシーア・イスラム文献について」 アジア・アフリカ文献調査委員会、第13冊 1964年(昭和39年)
- 「イラン種族社会の近代的発展」『アジア経済』第5巻第5号 1964年(昭和39年)
- 「近代イスラムのコーラン解釈」『オリエント』7:3,4 1964年
- 「近代イスラムの一評価」『東洋文化』38 1965年
- 'Islam as an Ideological Force', "Developing Economies", Vol.IV, No.1. 1966年
- 「近代イラン権利闘争史と立憲革命」『アジアの革命と法』(仁井田博士追悼論文集第2巻) 1966年(昭和41年)
- 「現代イスラムの主体変革の基本動向」『東洋研究』14 1966年
- 「後期イスラムの二重構造」『オリエント』第9巻2・3号 1967年(昭和42年)
- 「18世紀インド・イスラムの宗教・思想」『西南アジア研究』19, pp.1-13. 1967年
- 「イスラム史観の近代化」『アジア研究』第14巻3号 1967年
- 「イスラムの宗教構造」『東洋学術研究』第6巻第8号 1967年(昭和42年)
- 'Changing Muslim Views of Islamic History and Modernisation' "Developing Economies", Vol.VI, No.2 1968年(昭和43年)
- 「イスラームの宗教思想にみられる社会組織論」〈所内資料No.44―16〉アジア経済研究所調査研究部 1969年(昭和44年)
- 「ガズナ朝支配下のホラーサーン地方の宗教集団」『西南アジア研究』22号 1969年
- 「イランにおけるレザー・シャー政権の成立」『岩波講座世界歴史』第25巻 1970年(昭和45年)
- 「十九世紀イランの民族運動」『岩波講座世界歴史』第21巻 1971年(昭和46年)
- 「ハーリー作『イスラムの盛衰』の本文(ローマ字訳)訳注(その一)」『大阪外国語大学学報』60. 1979年(昭和54年)
- 「19世紀インド・イスラムの聖者崇拝批判」『オリエント』24:1 1981年(昭和56年)
- 「イスラム都市内部の非ムスリム社会―近代イランの場合」『現代アジア社会の研究』(大阪外国語大学アジア研究会) 1982年(昭和57年)
- 「イスラム世界と政治的アイデンティティー」『現代アジア政治における地域と民衆』(大阪外国語大学アジア研究会) 1983年(昭和58年)
- 「19世紀南アジアから海路による集団的メッカ巡礼」『大阪外国語大学学報』76号 1988年
- 「革命状況と説教者」 『オリエント』第33巻第2号 1991年(平成3年)
- 「情報とイスラム世界」『歴史学研究』625号 1991年(平成3年)
- 'A Socio-Historical Study of the Iranian Constitutional Revolution', "Orient", XXVIII, 平成4年
- 'Aubash and Their Role in Modern Iran', "Orient", XXX, XXXI, 平成7年
- 「ラクナウと周辺に、南アジア・イスラームの多様性の一端を求めて」『アジア文化学科年報』第3号 追手門学院大学文学部アジア文化学科 2000年
脚注
編集- ^ “大阪大学外国語学部ウルドゥー語専攻 教員紹介”. 2012年10月7日閲覧。
- ^ a b c 「知の先達たちに聞く (4) ――加賀谷寛先生をお迎えして――」(PDF)『イスラーム世界研究』第4巻第1-2号、2011年3月、318-346頁。
- ^ 『官報』57号、令和元年7月25日
- ^ “平成22年春の叙勲 瑞宝中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 6 (2010年4月29日). 2010年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月20日閲覧。