北山川
奈良県・三重県・和歌山県を流れる河川
北山川(きたやまがわ)は、奈良県南部を流れる新宮川(熊野川)水系の支流。一級河川。大台ヶ原から奈良県・三重県内や和歌山県の飛地である北山村を抜け、和歌山県新宮市(熊野川町)で熊野川に合流し熊野灘に注ぐ。
北山川 | |
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三重県熊野市紀和町小船付近 | |
水系 | 一級水系 新宮川(熊野川) |
種別 | 一級河川 |
延長 | 92 km |
流域面積 | 761 km2 |
水源 | 伯母峰峠 |
水源の標高 | 991 m |
河口・合流先 | 熊野川(和歌山県・三重県) |
流域 |
日本 奈良県・和歌山県・三重県 |
地理
編集日本有数の多雨地帯である大台ヶ原を源流域とし、上流部は吉野熊野国立公園の一部となっている。豪雨と急流により削られた深い渓谷が続く渓谷は瀞峡と呼ばれ、下流部の瀞八丁は国の特別名勝および天然記念物である。この渓谷は、隆起準平原である大台ヶ原周辺から流れを発した川が、多雨と水成岩の脆弱な地質によって、台地を侵食し形成されたもので、急峻な屏風状の断崖をなしている。険しい地形のため、河畔の人口は乏しく、原生の常緑広葉樹林が残る箇所も残されている。
上流部では林業がかつては盛んであったが、急峻な地形に阻まれて、伐採された木々を陸路で搬出することは不可能であった。そのため案出されたのが、伐採された木材で筏を組んで下流まで流していく筏流しである。筏流しによって下流に流された木材は、本流の筏流しと合流し、河口の新宮市において集積・出荷された。
上流のダム建設に伴う水量の減少と林業自体の斜陽のため、1964年(昭和39年)3月、筏流しはひとたびは途絶したが、15年後の、1979年(昭和54年)、観光用に復活され、北山村の観光名物となっている。
流域の自治体
編集奈良県吉野郡上北山村、同郡下北山村、三重県熊野市、和歌山県東牟婁郡北山村、奈良県吉野郡十津川村、和歌山県新宮市
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上流部分 奈良県上北山村
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中流部分 和歌山県北山村
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熊野川との合流地点。奥が北山川(新宮市・熊野市)
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北山川観光筏下り
関連項目
編集外部リンク
編集- 北山川電力所(池原発電所) - 電源開発株式会社公式サイト内。北山川上流の発電所。
- 北山川-コトバンク