医療行為(いりょうこうい)とは、人の傷病治療診断又は予防のために、医学に基づいて行われる行為である。 一般的には医行為と同義語として扱われる。[1]広義では代替医療統合医療を含めた医療全般の行為を指す。


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概要編集

体にメスを入れたり、エックス線を照射したりするように、他者の身体を傷つけたり体内に接触したりするような医療侵襲行為は、これが正当な業務でなければ傷害罪暴行罪に該当する違法性がある。したがって、たとえ医療のためであってもこのような行為を行うには、正当な医療行為とされる後述の条件を満たす違法性阻却事由が必要である。医療従事者には、その行為が特別に許されるための要件として、資格(医師免許、歯科医師免許、看護師免許、助産師免許等)がある。医療行為には患者にとって不利益な事態をまねく恐れが大きいものもあるので、相応の知識と医療倫理が要求される。

医師のみが行える医業(歯科医師が行う歯科医業をここでは含む)とは、医行為(医)を反復継続の意思をもって行うこと(業)であり、医行為のうちの一部は他の有資格者(看護師等)にも認められている。このほか、調剤を行う薬局医療法医療提供施設と定められていることから、薬剤師の調剤も医療補助行為に該当する。

医療行為の3条件編集

医師が行う行為が医療行為とみなされるためには、以下の要件をみたさなければならない。

  1. 治療を目的としていること
  2. 承認された方法で行われていること
  3. 患者本人の承諾があること

但し、上記条件を満たさない例外的医療行為として、以下のようなものがあげられる。

  1. 輸血用血液の採血
  2. 実験的治療行為
  3. 先端医療
  4. 幼児、精神障害者、意識不明者など患者本人の承諾がとれないとき
  5. 緊急時の医療

医療行為が可能な者編集

医療行為は業として行わなければ、これを全面的に禁止する法令はない。無資格者であっても、前述の条件を満たすなどの上で正当性があれば、心肺蘇生法自動体外式除細動器の使用などの応急処置を行うことができるのは、業として行うのではないからである。

また、医師以外の者に禁止されている「医業」は「医行為」を業として行うことと解されている。「医行為」は医療行為全てを指すものではなく、「歯科医業」のうちの口腔外科以外の歯科領域や、「調剤」は医療行為であるが医行為ではないため、医師が業として行うことはできない。ただし、調剤は医師も行うことができる例外が定められている。

なお、自分自身の体に行う行為は該当せず、家族は本人に準ずるとして家族に対する医療行為は事実上容認されている。

具体的範囲編集

患者の安全の為、医療行為を業として行う者を制限することは必要なことではあるが、その範囲が曖昧なため、在宅患者に対して簡単な行為でもホームヘルパーが行えないなど不利益も生じており、一部の行為については範囲が設定された。

医療行為に該当する行為編集

医療行為に該当しない行為編集

  • 検温、血圧測定、パルスオキシメーターの装着、耳垢除去、つめ切り、点眼、湿布のはり付け、軟膏塗布、座薬挿入、一包化された薬の内服の介助、口腔内の清拭、浣腸[3][4]
  • 身長体重計測、肺活量測定、抜毛、検尿、検便、心理カウンセリング
  • 特定保健用食品、健康食品、ダイエット関連、健康体操各種 

グレーゾーンとされる行為編集

参照編集

  1. ^ 医行為と医行為でないものの違いを理解する(日総健)
  2. ^ 厚生労働省通知(平成13年11月8日医政医発第105号)
  3. ^ 厚生労働省通知(平成17年7月26日医政発第0726005号) - 医薬品にかかる箇所は医師、または歯科医による処方、および薬剤師による服薬指導が必要。
  4. ^ 医行為 - 医師法第17条、歯科医 師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について 医政発第0726005号 平成17年7月26日
  5. ^ 厚生労働省通知(平成15年7月17日医政発第0717001号、平成16年10月20日医政発第1020008号、平成17年3月24日医政発第0324006号、平成22年4月1日医政発0401第17号) - 医行為であるが当面のやむを得ない措置として許容されるとした(実質的違法性阻却論)。
  6. ^ 「介護職による医療行為の実態と研修がもたらす効果」

関連項目編集