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双手刈の基本形のイラスト

双手刈(もろてがり)は、柔道投げ技手技16本の一つ。刈り技の一種だが、刈り技で唯一、手で相手の脚を刈る技である。現代仮名遣いを用いて、双手刈りとも表記される。IJF略号MGA

解説編集

基本形は相手の両膝裏を両手で刈り、肩で押しながら重心を崩して、後方に倒す技。

技の特性上瞬時の一本勝ちも期待できることから、時間終了の間際に優勢負けしそうな選手が双手刈を狙う場面が時折見られる。

なお、日本国内のルールでは中学生以下の試合では両手で脚を取る行為自体が反則であるため、該当する年齢層の公式戦において双手刈は使用できない。

また、組み合いを重視し技の華麗さを求める傾向にある日本では、双手刈は朽木倒と並んで美しくない技の代表格であるとされる。

しかし、国際大会ではこの限りではなく、組み手を徹底して拒否し、双手刈を狙う戦法をとる選手もしばしば見られる。

これは、日本国内で古来から推奨されてきた「組み合いから投げ技で一本を取る」スタイルに対し、海外においては「ポイントを稼ぎ優勢勝ちする」スタイルが発展し、柔道という同じルールの中で生じた競技的観点の相違であるとする意見が多い。

双手刈の基本形は、タックルレスリングダブルレッグダイブとほぼ同形であることから、朽木倒踵返と同じ様に、「投げる」というよりも、「倒す」または、「押し倒す」様な形となる。

また、他競技から転向した選手が習得する技として容易な部類に入るという評もある。

この技の名手としては、1993年と1997年無差別世界チャンピオンであるポーランドのラファウ・クバツキや、1997年66kg級世界チャンピオンであるイギリスのケイト・ホーウェイが挙げられる。

外双手編集

外双手(そともろて)は受の側方から両手で受の両脚をとらえてから倒す双手刈[1]

歴史編集

この技は古流柔術不遷流[2]膝折が由来。これは、両膝裏を両手で引いて折ってから持ち上げて相手の背後に倒す技である。双手刈の命名者は神田久太郎とされる[3]

2000年代になって双手刈や朽木倒、隅返といった「掛け逃げ」が可能な技を多用するスタイルを問題視する声の高まりを受け、国際柔道連盟がルールの改正を検討[4]、2009年にルール改正を決定。

掬投朽木倒、双手刈、肩車を制限し、連続技や返し技に絡めずにこれらの技を使うことを反則とした。

その後も連携の一つとしての使用は認められていたが[5]、2012年12月に帯から下の部位を掴んでの攻撃、防御ともに反則技に指定する案件が検討中と発表され、2013年2月から改正された新ルールを試験的に導入した[6]

この変更点により公式試合において双手刈の使用は非常に難しくなるとみられている。

脚注編集

  1. ^ 嘉納行光川村禎三中村良三醍醐敏郎竹内善徳『柔道大事典』佐藤宣践(監修)、アテネ書房、日本 東京(原著1999年11月)、277頁。ISBN 4871522059。「外双手」
  2. ^ 嘉納行光川村禎三中村良三醍醐敏郎竹内善徳『柔道大事典』佐藤宣践(監修)、アテネ書房、日本 東京(原著1999年11月)、360頁。ISBN 4871522059。「膝折」
  3. ^ 嘉納行光川村禎三中村良三醍醐敏郎竹内善徳『柔道大事典』佐藤宣践(監修)、アテネ書房、日本 東京(原著1999年11月)。ISBN 4871522059。「双手刈」
  4. ^ NIKKEI NET - 国際柔道連盟、「朽ち木倒し」禁止検討 しっかり組む戦い目指す
  5. ^ 「タックル技」は一度で反則負けに 来年より実施-ウィキニュース
  6. ^ 「一本を取る」見栄えのする柔道へ。新ルールに日本は対応できるか? - Number Web

外部リンク編集