名蔵川

日本の沖縄県の石垣島西部を流れる河川

名蔵川(なぐらがわ、のーらがー)は、沖縄県石垣島を流れる二級河川。島の西部にある於茂登岳南麓から西流し、名蔵湾に注ぐ。島内では宮良川に次ぐ長さで、かつてはノーラフーカーラ(名蔵大川)とよばれた[1]

名蔵川
名蔵川河口(名蔵大橋から上流側を望む)
水系 二級水系 名蔵川
種別 二級河川
延長 4.55 km
流域面積 16.14 km²
水源 於茂登岳
水源の標高 526 m
河口・合流先 名蔵湾
流域 日本の旗 日本 沖縄県石垣島

地図

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名蔵川河口(バンナ公園から)

流域 編集

上流域には1999年平成11年)に名蔵ダムが完成し、農業用水として利用されている。流域は島内屈指の水田地帯で古くから開発が進み、下流の神田橋近くには下田原式土器が出土した大田原遺跡や、神田貝塚、名蔵貝塚群などがある。しかし大雨のたびに被害が出て放置される田も多かったため、乾隆5年(1740年)に初めて河川整備が行われた[2]。また、流域では近年ウナギの養殖も行われている。河口部では1km以上の細長い砂洲が河口をふさぐように南北に形成されており、両端の切れ目から名蔵湾に水が流入する。その近くには名蔵橋が架かっている。

また、付近の干潟ではの時に競馬が行われたという。支流の白水川は上水道の水源であり、近世には四箇村が管理していた[3]

生態 編集

河口部は潟原またはアンパル(網張)と呼ばれる150ha程の湿地であり、アジア湿地目録に登録されている。ここにはオヒルギヤエヤマヒルギメヒルギヒルギモドキなどからなるマングローブ林やヨシ類が存在する。林にはここを北限とするミミモチシダが自生し、野鳥の飛来地としても知られる。カニ貝類なども生息し、ここに住む14種の蟹の生態を擬人化した「あんぱるぬみだがーま」という八重山古謡がある。

参考文献 編集

  • 日本歴史地名大系(オンライン版) 小学館 (『日本歴史地名大系』 平凡社、1979年-2002年 を基にしたデータベース)
  1. ^ 『八重山島由来記』
  2. ^ 『参遣状』 乾隆6年(1741年)条
  3. ^ 『参遣状 乾隆30年(1765年)条』