国鉄コ10形貨車(こくてつコ10がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道に在籍した、事業用貨車衡重車)である。

国鉄コ10形貨車
形式図
形式図
基本情報
製造所 鉄道省大宮工場
製造年 1928年(昭和3年)
製造数 1両
消滅 1956年(昭和31年)
常備駅 国立駅
主要諸元
車体色
軌間 1,067 mm
全長 6,978 mm
全幅 2,200 mm
全高 2,586 mm
自重 30 t
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概要 編集

1928年(昭和3年)、鉄道省大宮工場で1両(コ10)のみ製作された、橋梁の荷重試験車で、鉄道技術研究所に配属(常備駅は国立駅)された。

構造は他に類のない特異なもので、車両中央部に直径1,750mmの車輪を設け、その前後に1軸ずつを配した三軸車である。いずれの輪軸も板ばねにより支持されている。全長は6,978mm(車体長5,900mm)、全幅は2,200mm、全高は2,586mm、軸距は1,900mm×2で、自重は30tである。車体上には、ガソリンエンジンと燃料タンク、水タンク、手ブレーキを配置している。

試験時には、前後の車輪を吊り上げ、釣合錘を調整してバランスを保ち、中央の車輪のみで橋梁に負荷をかけつつ転動させ、橋梁のたわみ量を測定した。

本形式は、1956年(昭和31年)3月10日に廃車となった。

参考文献 編集

  • 吉岡心平「3軸貨車の誕生と終焉(戦後編)」 2000年、ネコ・パブリッシング刊 RM LIBRARY 9
  • 貨車技術発達史編纂委員会「日本の貨車―技術発達史―」2009年、社団法人日本鉄道車輌工業会

関連項目 編集