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大型ピロプラズマBabesia ovata)は、寄生性単細胞真核生物で、ピロプラズマの1種。フタトゲチマダニ(Haemophysalis longicornis)などマダニ類が媒介し、ウシ発熱黄疸血色素尿などを主徴とするピロプラズマ病大型ピロプラズマ症)を引き起こす。

大型ピロプラズマ
分類
ドメ
イン
: 真核生物 Eukaryota
階級なし : ディアフォレティケス Diaphoretickes
階級なし : SARスーパーグループ Sar
階級なし : アルベオラータ Alveolata
: アピコンプレックス門 Apicomplexa
: 無コノイド綱 Aconoidasida
: ピロプラズマ目 Piroplasmida
: バベシア科 Babesiidae
: バベシア属 Babesia
: 大型ピロプラズマ B. ovata
学名
Babesia ovata
Minami et Ishihara, 1980[1]
和名
大型ピロプラズマ[2]

目次

形態編集

赤血球中では1.5×3 μmほどの洋梨型の細胞が対になって観察される。

分布編集

東アジアおよび東南アジアに存在しているが、感染割合は数パーセントと低い[3]。日本においても広く存在が知られている。

分類編集

ピロプラズマ類は伝統的に大型のバベシアと小型のタイレリアに分けられてきたが、これは分子系統解析により生物の系統を反映しない人為分類であることがわかっている[4]。もっとも大型ピロプラズマはバベシア属のタイプ種である牛バベシアと比較的近縁であり、仮に今後バベシア属を分割したとしてもバベシア属の所属で変わらない可能性が高い。

近縁種としてはウシを宿主とするフタゴバベシア(Babesia bigemina)がごく近縁で、ついでヒツジを宿主とするBabesia motasiがある。[4][5]

歴史編集

日本におけるウシのバベシア症は、かつてフタゴバベシアが病原体だと考えられていた。しかし媒介者がフタトゲチマダニであるということが明らかになり、ウシに感染する他のバベシア種との比較を経て、家畜衛生試験場の南哲郎と石原忠雄が1980年に新種として記載した[1]

参考文献編集

  1. ^ a b Minami & Ishihara (1980). “Babesia ovata sp. n. isolated from cattle in Japan”. Nat. Inst. Anim Health Q. 20 (3): 101-113. 
  2. ^ 日本寄生虫学会用語委員会 「暫定新寄生虫和名表」 2008年5月22日 Archived 2011年4月14日, at the Wayback Machine.
  3. ^ Yoshinari et al.. “A PCR based survey of Babesia ovata in cattle from various Asian, African and South American countries”. J. Vet. Med. Sci. 75 (2): 211-214. doi:10.1292/jvms.12-0329. https://doi.org/10.1292/jvms.12-0329. 
  4. ^ a b Lack et al. (2012). “Phylogeny and evolution of the Piroplasmida as inferred from 18S rRNA sequences”. Int. J. Parasitol. 42 (4): 353-363. doi:10.1016/j.ijpara.2012.02.005. 
  5. ^ Tian et al. (2013). “Cytochrome c oxidase subunit III (COX3) gene, an informative marker for phylogenetic analysis and differentiation of Babesia species in China”. Infect. Genet. Evol. 18: 13-17. doi:10.1016/j.meegid.2013.04.002.