岡真史
自殺によって夭折したのち、書き残した詩が発表された少年
岡 真史(おか まさふみ、1962年9月30日 - 1975年7月17日)は、自殺によって夭折したのち、書き残した詩が発表された少年。
経歴
編集東京都生まれ。作家の高史明、当時高校教師であった岡百合子との間に誕生した。たいへんな読書家で、愛読書はサン=テグジュペリ『星の王子さま』、ルナール『にんじん』、ミハイル・イリーン『人間の歴史』であった。また、夏目漱石の『こころ』も12歳にして読み、没後詩集に掲載された逸話からも繊細な感性の持ち主であったことがうかがわれる。
1975年7月17日夕刻、近所の団地で飛び降り自殺。12歳9カ月であった。父である高史明が『生きることの意味』を発表しわずか半年余りのことだったが、動機は全く不明である。また、足跡が無かったため団地の何階から飛び降りたのかも分からなかった。
亡くなったのち、遺書などは発見されなかったが、1974年から自殺当日まで日記帳に綴られた何編もの詩が発見される。その詩は後に詩集『ぼくは12歳』として出版された。
1977年、高橋悠治が10編を歌曲集として付曲し、発売。このうち3曲(「みちでバッタリ」「小まどから」「リンゴ」)を矢野顕子が歌唱、収録した。
文献
編集詩集
編集- 高史明・岡百合子編『ぼくは12歳―岡真史詩集』筑摩書房、1976年
- 文庫版
- 『ぼくは12歳』角川書店、1982年
- 『新編 ぼくは12歳』筑摩書房、1985年 ISBN 978-4480020291
- 『ぼくは12歳』角川書店、2000年 ISBN 978-4041512012