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必殺ワイド・新春 久しぶり!主水、夢の初仕事 悪人チェック!!

必殺ワイド・新春 久しぶり!主水、夢の初仕事 悪人チェック!!』(ひっさつワイド しんしゅん ひさしぶり もんど ゆめのはつしごと あくにんチェック)は、1988年1月8日22:00 - 23:24にテレビ朝日系列で放送されたテレビ時代劇ABC松竹(京都映画撮影所、現・松竹撮影所)の共同製作。主演は藤田まこと

必殺シリーズの長時間スペシャル第10弾である。

目次

概要編集

『必殺』シリーズの撮影場面から始まるという、当時の日本のテレビドラマの流行になっていた「業界もの」を意識した作品。藤田まことが殺陣の撮影中に屋根から転落して気絶し、夢の中で『必殺』の世界に入り込み中村主水として振舞うという異色の内容。

サブタイトルの「悪人チェック」は、当時テレビ朝日で放送されていた『ニュースステーション』金曜日版の人気コーナー「金曜チェック」をもじったもの。本来は『必殺仕事人新春ワイド TANTAN狸御殿に恋が散る』(仮)という企画があり、『必殺剣劇人』の主人公たちに加え中村主水をゲストに迎えて制作される予定だったが、主水役の藤田まことが「主水を登場させる必要性が感じられない」と出演に難色を示したため、お蔵入りとなり、急遽企画を変更して本作が製作された[1][2][信頼性要検証]

本作に主題歌や挿入歌は設定されていないが、代わりに仕事のシーンの前には『必殺仕事人』のOPナレーションを小改変したものが使用された。またエンディングでは『新・必殺仕置人』の劇伴BGMである「観音長屋のテーマ」に乗せてスタッフロールが表示された。

あらすじ編集

俳優の藤田まことが時代劇の撮影中の事故により気絶、その間に藤田が見た夢の中で展開される仕事人たちの物語。元より夢オチが前提のストーリーであるため、藤田が江戸時代にタイムスリップするという荒唐無稽な設定やストーリー展開となっている。

京都映画撮影所では、『必殺新春スペシャル』の撮影が行われていた。藤田まこと演じる中村主水の仕事シーンの撮影中、突如監督のカットがかかる。藤田は昔からこの調子でやっていると訴えるが、監督は藤田の演技ではなく、ゲストヒロイン役の長山藍子の到着が遅れていることに加え、そもそもシナリオがどうにも気に入らないと言って撮影を中止し、スタッフと会議を繰り返していた。その様子をセットで見ていた南原宏治、今井健二、戸浦六宏ら悪役キャストは、あきれて食事に行ってしまう。楽屋でセリフを覚えていたせん役の菅井きんは、りつ役の白木万理からまたしても台本が変わることを知らされ驚く。一方、政役の村上弘明は、撮影所を訪れた女性ファンと記念撮影をして空いた時間を過ごしていた。

ようやくアイデアがまとまり、撮影が再開された。撮影はクライマックス、藤田演じる中村主水と南原演じる原野九郎右ヱ門との殺陣であったが、『必殺』史上初めての屋根の上での殺陣に、藤田は難色を示す。

屋根の上での撮影が始まり、演技を始めた藤田が足を踏み出した矢先、滑ってそのまま屋根から下の路面へと転落し気を失ってしまう。監督以下キャスト、スタッフが心配そうに取り囲む中、意識が戻った藤田が目覚めた先は…。

登場人物編集

仕事人編集

藤田まこと
中村主水を演じる大ベテラン俳優。『必殺』史上初となる屋根の上での殺陣の撮影中、足を滑らせ屋根から落下。気絶している間自身が主水となって『必殺』の世界に入り込んでしまう。最初は慣れない江戸時代の風習に戸惑いながらも、次第に役を演じてきた場数を活かし、「中村主水」として奉行所勤めや江戸の事件を解決していく。場面によって主水を演じたり、元の藤田になったりとの演出が採られ、藤田になった際は京都弁で話している。口調は中村でも太刀周りには対応できず、海老屋の送り込まれた刺客たちには意気込むも、反撃する術なく追い込まれたが、お静に助けられた。
劇中では主水を演じる中で藤田が当初は仕事シーンで太刀で切りつけるポーズがよくわからず、次第に太刀で相手を刺し殺すとの手口に定着したとの自分の殺陣のシーンに関する演出の変遷について語るシーンもある。
お静の仇を打つべく、仕事では今回は政と2人だけとなるが、徹底的に海老屋を仕留めるため加代に助っ人の仕事人を依頼した。
出陣時は「私は必殺仕事人、中村主水に間違いございません。」と演技力を高め、殺し技は相手が太刀を抜く手を押させつけ、素早く太刀で刺した。
仕事を終えた直後、奉行所に主水の仕事人の素性が露見するという危機の中、追っ手から逃げている内に建物の屋根から落下したところで無事に現実の世界へ戻り、自身の夢での出来事をドラマのアイデアとして監督に勧める。また藤田が屋根から落下して夢を見ていた間、現実の時間はわずかしか経っておらず、目が覚めた藤田が夢のことを説明するとスタッフから「随分素早い夢やな」「論理的ではありえまへんね」とつっこまれた。その後エンディングでの休憩後、スタッフ達に連れられ扉を閉めて幕を閉じた。
鍛冶屋の政
演 - 村上弘明
茶屋で働くお静と面識を持っており、海老屋一味の集団にお静が因縁を付けられた際に駆けつけ追い払う。
仕事を前に海老屋一味の仕組んだ罠で匿っていたお光により、熱で溶かされた鉄をかけられ、利き腕の右手を火傷しつつも仕事に参加する。本作ではBGM「必殺!」に乗せて、仕事を遂行する。終盤は藤田が夢から覚めたためその後については描かれていない。
何でも屋の加代
演 - 鮎川いずみ
藤田の事情も知らないため、主水を見つけた途端に仕事の情報を銭と引き換えに伝える。藤田は加代から何かと逃げようするがしぶしぶ付き合うこととなる。仕事の際は主水の頼みを受け、異人の仕事人・鬼丸を紹介する。終盤は藤田が夢から覚めたためその後については描かれていない。
鬼丸
演 - 亜仁丸レスリー[注釈 1]
本作のゲスト仕事人。加代の誘いで参加した謎の南蛮出身の助っ人仕事人。片言の日本語をしゃべる。依頼をしたとはいえ、江戸時代に現れた異人の仕事人に藤田は驚いていた。銭にがめつく、頼み料は小判のみ大量に持ち去っていった(藤田はプロ野球の助っ人外国人選手になぞらえ、「外人の助っ人は高くつくんだ」とこぼした)。出陣の際には鉄球を使いストラックアウトの要領で板の同じ箇所に投球を命中させている。また依頼料と悪人を仕留めた際は相撲に準えた手刀を使っている。
殺し技は、元プロ野球選手である演者の経験を生かし、鉄球とバット型の鎌を使用。鉄球は、そのまま相手の頭に投げ付け殺す他に鎖付きのものも持つ。鎖付きの鉄球を相手の首に投げて絡ませ、手元に引き寄せた後、バット型の仕込み鎌で相手の首を切って殺すパターンもある。投げた鉄球の勢いは非常に強く、悪人の額に鉄球がめり込むほど。BGM「殺しの旋風」に乗せて、仕事を遂行した。相手を仕留める度に「ストラーイク!!」などと大声で叫ぶ。藤田が夢から覚めたためその後については描かれていない。

その他編集

中村せん / 中村りつ
演 - 菅井きん / 白木万理
主水の姑と嫁。主水がいつもと雰囲気が違うと疑うが、藤田の策による「重要な隠密行による芝居をしていた」との言葉に多少の戸惑いを覚えながらも納得する。
藤田がお静と一夜を明かした翌日、奉行所同心から隠密行は嘘であったことを知り、憤っていた。
筆頭同心・田中
演 - 山内としお
相変わらず無責任な主水の上司。主水の正体が藤田であることに気づいていない。終盤で藤田は大人数の岡っ引きを率いた田中に追いかけられ、藤田が屋根に隠れたにもかかわらずその直後に田中ら奉行所の全員が屋根に上がり藤田を取り囲んでおり、藤田はあきれてつつもふたたび追いかけられ、狭い足場から足を滑らせてしまう。
小者・六平
演 - 妹尾友信
主水の部下。TVシリーズの『風雲竜虎編』で奉行所を退職してモグラ叩きの商売をしていたが、いつの間にか小者の仕事に戻った模様。
お静
演 - 長山藍子
本作のゲスト。茶屋の商売を営む。外道の海老屋に因縁を付けられ、命を落とす。彼女の死後、同じ長屋の住人たちが金を出し合って頼み人となる。
田丸屋金兵ヱ
演 - 戸浦六宏
原野九郎右ヱ門
演 - 南原宏治
海老屋鯛造
演 - 今井健二
お光
演 - キャティー

現代の人物編集

村上弘明
撮影を終えた休憩中、ファンの女性たちと記念写真を撮っていた。
菅井きん、白木万理
藤田発案の企画変更で時間が掛かることに2人ともうんざりしていた。また、2人の会話の口調は劇中のせんとりつのやりとりとほぼ同じである。
戸浦六宏、南原宏治、今井健二
『必殺新春スペシャル』に起用された悪役俳優。藤田の気まぐれな企画変更にあきれて休憩時に食事に行ってしまう。三人とも関西弁で喋る。(南原と今井は神奈川県出身。)
山内としお
筆頭同心・田中を演じる俳優。終盤に夢から覚めたばかりの藤田から主水の上司である筆頭同心・田中と勘違いされる(筆頭同心・田中の衣装を着用していたため、藤田から「あっ!田中様!」と言われ、目を丸くしながら「僕は山内ですよ。藤田さん、大丈夫ですか?」と答えている)。
長山藍子
『必殺新春スペシャル』のゲスト・お静役の女優。藤田が目を覚ましたあとに撮影現場に到着する。夢とはいえ共に過ごした藤田から「先立ってはどうも」と挨拶されたが、長山自身は身に覚えは無いため、何のことはかは分からなかった。
付き人・かおり
演 - 藤原ひろみ
制作主任
演 - 鈴木淳
カメラマン
演 - 細川智
大津監督
演 - 島田順司

スタッフ編集

  • 制作 - 山内久司(朝日放送)
  • 脚本 - 田上雄
  • 音楽 - 平尾昌晃
  • 監督 - 山根成之
  • 撮影 - 石原興
  • 照明 - 中島利男
  • 殺陣 - 布目真爾
  • 題字 - 糸見渓南
  • 現像 - IMAGICA
  • 協力 - エクラン演劇集団・新演技座
  • プロデューサー - 奥田哲雄・辰野悦央(朝日放送) 桜井洋三(松竹)
  • 制作協力 - 京都映画撮影所(現・松竹撮影所)
  • 制作 - ABC、松竹

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 1987年までは阪急ブレーブスの投手。

出典編集

  1. ^ 山田誠二『必殺シリーズ完全百科』pp25-26
  2. ^ 必殺公認FC同人誌「とらの会」1989年2月号[信頼性要検証]

参考文献編集

  • 必殺スペシャル DVD-BOX 中巻 封入解説書