改B3 (航空機)
改B3（かいB3）は、日本の防衛庁技術研究本部（現防衛装備庁）第3研究所（現航空装備研究所）が試作した研究用の無人航空機。
経緯
編集1954年（昭和29年）度に開始された「無人機の研究」[1]の一環として[2]、技術研究本部[1][2]第3研究所[3]では無人機の一般的資料の収集などを目的とする改B3の開発を行った[2]。システム構想や設計は、海法泰治第一部長が率いる第3研究所の無人機グループによるものだった[4]。
実験場所には館山沖が選ばれ、1958年（昭和33年）9月には、本実験に先駆けて空力特性や発進・着陸法のテストを目的としたダミーによる落下実験が行われた[2]。1959年（昭和34年）3月には機体の試作が完了し[5]、同年9月より飛行実験が試みられている。ただし、テレビ系統の故障や気象状況の影響を受けて同年度中の本実験は見送られている[6]。
改B3の試作以後も、「無人機の研究」はターボジェットエンジン装備の「改B-010」の設計試作などへと発展し[7]、最終的には1962年（昭和37年）に行われたロケットエンジン搭載機の飛行成功によって終了している[8]。
機体
編集無人偵察機に区分される設計の機体であり[4]、主な材質はガラス繊維強化プラスチック[2][5]。機首に小型テレビカメラを備え、その後方の胴体前部にはテレメタリング機構や無線操縦受信・管制のための各種装置、自動安定機構が収まる。胴体中部と主翼は多孔性プラスチックを用いた一体構造で、このブロック自体が耐圧式のインテグラルタンクとなっている。胴体尾部には着陸用のパラシュートが格納されている[6]。主翼はデルタ翼で[5]、昇降舵に加えて横と方向の運動のコントロールに用いる翼端舵を備える[6]。動力は液体プロパンを燃料とする[2]ラムジェットエンジンで[1][2][5]、胴体下部のポッドに収められている[2]。
操縦は地上指揮車の操縦桿を用いて、昇降舵と翼端舵を操作する形で行われる[2]。テレビカメラの前方視界映像はテレビ送信器を、機体のピッチ角およびロール角、速度や高度はテレメタリング機構を介して[5][6]それぞれ指揮車の操縦席前面と計器板に伝えられる[2]。テレビ、テレメータ、操縦にはそれぞれ別の無線系統があてがわれている[5]。
発進は、ヘリコプターに懸吊された状態で離陸した後に空中で切り離し、その後エンジンを始動させる形式が取られていたが、カタパルトやJATOの使用も想定されていた[2]。
諸元
編集脚注
編集参考文献
編集- 50年史編さん・刊行作業部会編『防衛庁技術研究本部五十年史』防衛庁技術研究本部、2002年、267,271,292頁。NCID BA62317928。2024年6月9日閲覧。
- 榑林宣「国産のテレビ無人機 改B3その後」『航空情報』第116号、酣燈社、1960年、94,95頁、ISSN 0450-6669。
- 「表紙写真説明 無人機」『日本航空学会誌』第8巻第73号、日本航空学会、1960年、46頁、ISSN 2432-3039、2024年6月9日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 昭和33年防衛庁記録 - 防衛省・自衛隊公式動画チャンネル（YouTube）。6分35秒頃より改B3の記録映像が閲覧できる。
 | この項目は、軍用機や空軍に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています（PJ軍事、PJ航空/P軍事）。 |