救急指定病院

救急指定病院(きゅうきゅうしていびょういん)とは、救急医療を行うことができる医師がいて、レントゲン機器など必要な医療機器が設置されており、都道府県知事に救急告示病院として指定された病院のこと[1]

目次

要件編集

救急指定病院の要件は、

  1. 救急医療について、相当の知識及び経験を有する医師が常時診療に従事していること[注 1]
  2. エックス線装置、心電計輸血及び輸液のための設備その他救急医療を行うために必要な施設及び設備を有すること[注 2]
  3. 救急隊による傷病者の搬送に容易な場所に所在し、かつ、傷病者の搬入に適した構造設備を有すること[注 3]
  4. 救急医療を要する傷病者のための専用病床又は当該傷病者のために、優先的に使用される病床を有すること[注 4]

とされている(救急病院等を定める省令第1条)。  

体制ごとの整備編集

また、これと並行して、都道府県ごとに作成される医療計画において、初期、第二次、第三次救急医療の体制も整備されている。

救命救急センター編集

救命救急センターは、都道府県が運営、もしくは医療機関の開設者に要請をして設置するものであり、心筋梗塞脳卒中心肺停止多発外傷、重傷頭部外傷等、重篤な患者に対する救急医療を行うことが予定されている。このため、常時救命医療に対応できる医師や看護師等の医療従事者を確保しておくことが必要とされている。

この救命救急センターのうち、特に高度な診療機能を有するものとして厚生労働大臣が定めるものが、高度救命救急センターであり、広範囲熱傷、指肢切断、急性中毒等の特殊疾病患者に対する救急医療が提供される。

また、これら救急医療施設に関する情報を収集し、各医療施設や消防本部に提供するために、都道府県単位において、救急医療情報センターが設けられることになっている 。

注釈編集

  1. ^ 救急医療について相当の知識及び経験を有する医師とは、救急蘇生法呼吸循環管理意識障害の鑑別、緊急手術要否の判断、救急医薬品の使用等について相当の知識及び経験を有する医師を言うものであること。また、常時診療に従事するとは、医師が病院又は診療所において常時待機の状態にあることを原則とするが、搬入された傷病者の診療を速やかに行いうるよう、施設構内又は近接した自宅等において待機の状態もこれに含まれる[2]
  2. ^ エックス線装置とは、透視及び直接撮影の用に供しうる装置とし、輸血又は輸液のために、輸血のための血液検査に必要な機械器具を含むものとすること。その他救急医療を行うために必要な施設及び設備とは、除細動器酸素吸入装置、人工呼吸器等であること。なお、外科等を標榜する病院については、医療法手術室が必要であること[2]
  3. ^ 傷病者の搬送に容易な場所に所在するとは、救急車が通行可能な道路に面している等救急車による搬送が容易な場所に所在することであり、また、傷病者の搬入に適した構造設備とは、病院又は診療所内において傷病者を担架等により容易に運ぶことのできる構造設備を意味するものであること[2]
  4. ^ 専用病床とはいわゆる救急病室病床等、専ら救急患者のために使用される病床であり、優先的に使用される病床を有するとは、専用病床は有していないが、救急患者のために一定数の病床が確保されている状態を意味するものであること[2]

出典編集

  1. ^ 『図解 病院のしくみが面白いほどわかる本』梶 葉子 中経出版 p120
  2. ^ a b c d 『21世紀の我が国の救急医療』厚生省健康政策局指導課 篠崎英夫・野山暉男・他編 第一法規 p353