木下助之
（木下季吉から転送）
木下 助之（きのした すけゆき、1825年-1899年）は、日本の政治家。衆議院議員（1期）。初代熊本県会議長。孫は、『夕鶴』で知られる劇作家の木下順二[1]。
| 木下 助之 きのした すけゆき | |
|---|---|
| 生年月日 | 1825年 |
| 出生地 |
 肥後国菊池郡 |
| 没年月日 | 1899年 |
| 前職 | 熊本県会議長 |
| 選挙区 | 熊本2区 |
| 当選回数 | 1回 |
| 在任期間 | 1890年7月2日 - 1892年 |
経歴 編集
- 1825年（文政8年） 木下右衛門の四男として肥後国菊池郡に生まれる[2]。
- 1848年 玉名郡南関手永（手永：近世に細川氏が豊前、肥後で設けた地方行政単位）惣庄屋の木下初太郎の娘・那智と結婚して養子となり、補佐役を務める[2]。
- 1864年（元治元年） 勘定所主幹[2]。
- 1865年（慶応3年） 玉名郡内田手永惣庄屋兼代官[2]。
- 1868年（慶応4年） 時習館（肥後藩の藩校）訓導助勤・学校方奉行触[2]。
- （明治元年） 玉名郡南関手永惣庄屋兼代官[2]。
- 1869年（明治2年） 中小姓役吟味役[2]。
- 1870年（明治3年） 会計局主計に任じられ、禄百石を賜った[2]。
- 1872年（明治5年） 上京し、東京府八等出仕[2]。
- 1874年（明治7年） 東京府大属・郷村取扱課長心得に任命され、東京府荏原郡等々力村の灌漑治水工事にあたる[2]。
- 1876年（明治9年） 東京府大属を免官[2]。
- 1878年（明治11年） 伊倉小学校教師[2]。
- 1879年（明治12年） 初代熊本県会議長[3]。
- 1880年（明治13年） 玉名郡長[2]。
- 1890年（明治23年）7月1日 第1回衆議院議員総選挙熊本2区に出馬し、初当選。
- 1892年（明治25年） 第2回衆議院議員総選挙に立候補せず、引退。
- 1899年（明治32年） 死去[2]。
家族 編集
- 兄の木下犀潭は儒学者[5]。その息子の木下広次は初代京都帝国大学総長、娘の鶴は井上毅の妻となった。
- 妻は二人で、那智（木下初太郎の娘）と、友。初太郎の弟の妻は竹崎順子で、横井小楠や徳富蘇峰ら多くの名士と姻戚関係にある。
- 娘のツネ（那智の子）は、助之の甥・木下広次といとこ結婚した。子に木下道雄、木下正雄（東工大教授）、トネ（鈴木由哲三男・鈴木三郎の妻）。
- 次男の木下彌八郎（1871年生、那智の子）は、1896年に家督を相続し、1902年に東京帝国大学農科大学を卒業後工科大学進学、日露戦争従軍後、農商務技師となり1918年退職して実業界に入り、渋沢栄一が設立した中央開墾の重役になった[6]。妻の重との三女・シズは木下道雄といとこ結婚。重との子・木下国助（1900-1931）は東京天文台技師を務めた天文学者で、Kunisukeと命名された小惑星があるが、30歳で早世した。妻の三愛子（佐々醒雪の妹）との子に劇作家の木下順二[6]。
- 三男-木下季吉（1877－1935、友の子）は放射線学者で東京帝国大学教授。長岡半太郎に学び、東京帝大物理科卒業後、アーネスト・ラザフォードに師事した[7][8]
- 四男-木下熊雄（1881-1947、友の子）は生物学者で、深海サンゴ研究で知られる。東京帝大理学部動物学科卒[7]