東三省(とうさんしょう、満洲語ᡩᡝᡵᡤᡳ
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、転写:dergi ilan golo)は、清の奉天省吉林省黒竜江省を指す呼称で、20世紀半ばまで使われていた。

東三省の成立

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清朝は故地である満洲の地を神聖なものと定めており、ムクデン盛京、現在の遼寧省瀋陽市)・吉林・黒竜江のそれぞれに将軍を配置していた。3将軍の中では、副都格の盛京を預かる盛京将軍が一番の高位だった。これらの将軍の支配域が東三省のそれぞれの起源である。後に、盛京は奉天・瀋陽と時代によって名を変えた。 

3将軍制時代は省とは別制度なのに、すでに別称として中国語で「東三省」と呼ばれた。[1]:71907年、3将軍がそれぞれ奉天巡撫・吉林巡撫・黒竜江巡撫に変わって、中国本土と同じ省制となった。また、3つの省を統括する東三省総督が置かれた。[2]:313

東九省

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1945年、日中戦争が決着したので、中華民国政府は「東三省」にかえて以下の「東九省」にしようとした(東北新省区方案中国語版)。

  1. 遼寧省
  2. 安東省
  3. 遼北省
  4. 吉林省
  5. 松江省
  6. 合江省
  7. 黒竜江省
  8. 嫩江省
  9. 興安省

しかし、旧満洲国地域はソ連軍によって占領され、そこからの中国共産党の事実上の支配地として多くが引き継がれ、また、国共内戦の再燃のため、これらは十分には施行されなかった。

関連項目

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脚注

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  1. ^ Søren Clausen; Stig Thøgersen (1995) (英語). The Making of a Chinese City: History and Historiography in Harbin. M.E. Sharpe. ISBN 9781563244766. オリジナルの2021-12-10時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20211210160612/https://books.google.co.jp/books?id=RpIvpEjlEJQC&pg=PA7&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false 2021年12月10日閲覧。 
  2. ^ 趙中孚 (1976). “清末東三省改制的背景” (中国語). 近代史研究所集刊 (5): 313-335. オリジナルの2021-12-11時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20211211192904/http://www.mh.sinica.edu.tw/MHDocument/PublicationDetail/PublicationDetail_1168.pdf 2021年12月11日閲覧。. 

外部リンク

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