汲古書院(きゅうこしょいん)は、かつて中国の古典や学術図書の輸入をしていた「大安」の活動を引き継いだ日本有数の学術出版社である。昭和44年(1969年)創業[2]。主に書誌学中国学・日本古典文学・国語学(訓点語学・日本語学)の学術研究書の出版・販売を手掛け、近年は儒教道教仏教学史学国史東洋史)といった分野の研究書も刊行している。汲古書院の発足に大きく関わった長沢規矩也は古典籍の影印・目録学書誌学の方面で多くのすぐれた著作を遺した。その著『図書学辞典』は、現在でも書誌学を専攻する学生は勿論、図書館職員や司書にとって必携の書となっている。また「汲古書院」の社名および商標は、書家・金石学者の西川寧による書である。

汲古書院
正式名称 株式会社汲古書院
現況 2020年令和2年)現在、継続中。
種類 株式会社
出版者記号 7629[1]
取次コード 1463[1]
法人番号 3010001014747 ウィキデータを編集
設立日 1969年昭和44年)
代表者 三井 久人(代表取締役社長
本社郵便番号 101-0065
本社所在地 東京都千代田区西神田2丁目4番3号
得意ジャンル 古典学術図書
外部リンク http://www.kyuko.asia/
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書誌学の論文を掲載する古典研究会[3]編『汲古』は、年二回発行され、汲古書院の刊行物の紹介も附録している。

中国からの学術図書輸入の出版社としては、他に研文出版がある。

概要編集

1969年(昭和44年)7月、長沢規矩也編『唐話辞書類集』第1集を刊行。また9月より11月にかけて『書誌学』全10巻(影印版)を刊行。

1970年(昭和45年)6月より、長沢規矩也編・解題『和刻本正史』全30巻の刊行が始まる。

1972年(昭和47年)8月より、長沢規矩也解題「和刻本漢籍随筆集」の刊行が始まる。

1973年(昭和47年)11月より、長沢規矩也解題『足利学校秘籍叢刊』の刊行を開始。

1975年(昭和50年)12月より、長沢規矩也・西川寧編『和刻本書画集成』全12巻の刊行を開始。

1976年(昭和50年)10月より、長沢規矩也編『和刻本漢詩集成』全10巻の刊行が始まる。

1979年(昭和54年)より刊行が始まった『漢語文典叢書』(全六巻・別巻)は漢学のみならず、国語学史にも大いに貢献した。

1987年(昭和62年)に出版した『角筆文献の国語学的研究』や『角筆文獻研究導論』(2004-2005)の著作で知られる小林芳規の角筆文献研究は、1991年に日本学士院賞恩賜賞を同時受賞し、2019年には文化功労者として顕彰された。現在、『小林芳規著作集 第一巻 鎌倉時代語研究(上)』(2021- )の刊行が始まっている。

2001年平成13年)より約15年を費やし、渡辺義浩編『全訳後漢書』(全19冊)を刊行。

2006年(平成18年)、1993年に恩賜賞日本学士院賞を受賞した田仲一成の『中国地方戯曲研究 元明南戯の東南沿海地区への伝播』を刊行。

 
山根幸夫著『古典研究会小史』 Kotenkenkyukaishoshi

参考文献編集

  • 長沢規矩也『図書学辞典』(三省堂 1979年)ISBN-978-4-7629-1129-3
  • 山根幸夫『古典研究会小史』(古典研究会 1999年)ISBN4-7629-1138-0

所在地編集

〒101-0065 東京都千代田区西神田2丁目4番3号高岡ビル4F

脚注編集

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  1. ^ a b 登録出版者の検索”. 日本図書コード管理センター. 2020年9月29日閲覧。
  2. ^ 当時の事務所は、東京都文京区後楽1-1-4甲武ビルにあった。
  3. ^ 古典研究会は長沢規矩也が創始した書誌学の研究会である。長沢が汲古書院創設にともない会長に就任し、同時にその事務局も汲古書院内に置かれ、現在に至っている。

関連項目編集

外部リンク編集