游仲勲
日本の経済学者
游 仲勲(ゆう ちゅうくん、1932年10月8日[1] - )は、日本の経済学者。専門は、社会主義経済論、計画経済論、中国経済論、新興国経済論、華僑・華人経済論、人間の国際移動研究など。とりわけ、社会主義中国の計画経済と世界の中国系諸経済(中国、香港・マカオ、台湾、海外華僑・華人の経済)の研究が多い。日本華僑華人学会(在日華僑・華人だけでなく、もっと広く世界全体に分布する華僑・華人を研究する研究者の学会。さらには広く、華僑・華人だけでなく、中国人・中国系人[2]を研究)創始者。初代会長。
略歴
編集台湾人を父親とし、日本人を母親として、1932年、台湾・台北に生まれた。日本で育ち、教育もすべて日本で受ける。兵庫県立神戸高校卒業後、神戸大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程修了。1970年、経済学博士。1984年に、中国籍から日本国籍に復帰、日本名は遊仲勲(ゆう ちゅうくん)。熊本商科大学(現・熊本学園大学)、国際大学大学院、亜細亜大学、東邦学園大学(現・愛知東邦大学)などの各教授歴任。この間、大学院研究科長、研究所長、学部長、学長事務取扱など併任。日本華僑華人学会会長を経て、現在同顧問[3]。
著書
編集- 『華僑経済の研究』(アジア経済研究所、1969年)
- 『東南アジアの華僑』(アジア経済出版会、1970年。新装改訂版が1983年に出され、『東南亜細亜華僑経済簡論』と題して、1987年に中国・厦門大学出版社から中国語訳が出版された)
- 『華僑政治経済論』(東洋経済新報社、1976年。1984年に台湾・中華学術院南洋研究所から同名の中国語訳が出版された)
- 『華僑 ネットワーク化する経済民族』(講談社現代新書、1990年)、
- 『華僑は中国をどう変えるか』(PHP研究所、1993年)
- 『華僑はアジアをどう変えるか』(PHP研究所、1995年)
- 『世界経済の覇者:華人経営者の素顔』(時事通信社、1995年)
共編著
編集- 『現代計画経済論』(編著、ミネルヴァ書房、1971年)
- 『南北問題をみる眼』(本山美彦・徳永正二郎と共著、有斐閣新書、1980年)
- 『現代中国の計画経済』(編著、ミネルヴァ書房、1982年)
- 『世界のチャイニーズ』(編著、サイマル出版会、1991年)
- 『華僑華人』(可児弘明との共編著、東方書店、1995年)
- 『華僑・華人経済』(編著、ダイヤモンド社、1995年)*
Ethnic Chinese:Their Economy, Politics and Culture(編著、The Japan Times, 2000年)
- 翻訳
脚注
編集- ^ 『著作権台帳』
- ^ 華僑、華人、中国人、中国系人などの概念の違いについては、たとえばリン・パン編『世界華人エンサイクロペディア』(監訳、明石書店、2012年)の「利用の手引き・凡例」参照。
- ^ 游 仲勲 ユウ チュウクン (Yu Chukun)researchmap
- ^ 2002年現在までであるが、より詳しい略歴、業績一覧が游仲勲先生古希記念論文集編集委員会編『日本における華僑華人研究―游仲勲先生古希記念論文集』(風響社、2002年)にある。