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1988年イエローストーン国立公園で発生した火災旋風

火災旋風(かさいせんぷう、英語: firestorm)とは、地震空襲などによる都市部での広範囲の火災山火事などによって、をともなう旋風(つむじ風)が発生し、大きな被害をもたらす現象である。しかし、旋風の発生条件や発生メカニズムは未解明である。一方、旋風の温度は1000℃を超えるとされ輻射熱による被害も生じる[1]竜巻に似た外観になることもあるが、竜巻は上空の大気状態により発生する全く別のものである。

概要編集

 
2003年キャンベラ北部の山火事で発生した火災旋風
 
火災旋風により発生した竜巻状の炎

個々に発生した火災が空気(酸素)を消費し、火災の発生していない周囲から空気を取り込むことで、局地的な上昇気流が生じる。これによって、燃焼している中心部分から熱された空気が上層へ吐き出され、それが炎をともなった旋風になる。さらに、これが空気のあるほうへ動いていき、被害が拡大していく。火災旋風の内部は秒速百メートル以上に達する炎の旋風であり、高温のガスや炎を吸い込み呼吸器を損傷したことによる窒息死が多く見られる。火災旋風は、都市中心部では、ビル風によって発生する可能性が指摘されている。

分類編集

Lee(1972)[2]は、静止型火災旋風(stationary firestomtype) と移動型火災旋風(moving fire stomtype)の2種類に分類した[3]

主な発生事例編集

1755年リスボン地震1923年関東大震災で約4万人が焼死した本所被服廠跡[4]をはじめ多数発生している。1943年のハンブルク空襲、1945年のドレスデン大空襲東京大空襲広島市への原子爆弾投下[3]長崎市への原子爆弾投下[3]などの大規模な空襲によっても発生が確認されている。

第二次世界大戦後に発生した事例編集

  • 2003年
なお、1995年の阪神・淡路大震災兵庫県南部地震)では発生していない[6]

脚注編集

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  1. ^ 佐藤晃由, K. T. Yang、「火災旋風の研究』 『日本流体力学会誌「ながれ」』 2000年 19巻 2号 p.81-87, doi:10.11426/nagare1982.19.81
  2. ^ Lee(1972):Fire Research, Applied Mechanics Review, p503.
  3. ^ a b c 広部良輔, 米谷恒春, 森脇寛、「火災旋風発生に関する実験的研究」『国立防災科学技術センター研究報告』 1990年3月 第45号 p.17-29
  4. ^ 相馬清二:被服廠跡に生じた火災旋風の研究」 『地學雜誌』 1975年 84巻 4号 p.204-217, doi:10.5026/jgeography.84.4_204
  5. ^ 【追記あり】ジム・ビームの工場に嵐で落雷が直撃→300万リットルのウィスキーが流出し「炎の竜巻」が発生→近くの小川の魚が大量死
  6. ^ 山下邦博、「多発火災の周囲で発生する火災旋風」『混相流』 1995年 9巻 2号 p.105-115, doi:10.3811/jjmf.9.105
  7. ^ 篠原雅彦, 松島早苗、東日本大震災で目撃された火災旋風 消防防災博物館

外部リンク編集

  • 小紫誠子, 河村哲也, 桑原邦郎、「回転する高温熱源による熱対流における渦崩壊」『数理解析研究所講究録』 1999年 1081巻 p.180-191, hdl:2433/62722、京都大学数理解析研究所
  • 市街地火災時の「旋風」・「火災旋風」の現象解明をめざして 消防庁消防大学校 消防研究センター
  • イギリスで突如現れた「火災旋風」 TABI LABO