コマチアイト: komatiite[1])は超苦鉄質マントルに由来すると考えられる火山岩の一種。

コマチアイト
火山岩
カナダ楯状地のコマチアイト、大きさ9cm
プロジェクト:地球科学Portal:地球科学
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名前は南アフリカコマチ川に由来する。

性質・特徴 編集

マグネシウム分が18%以上と高く、シリカ他の成分が少ない特徴を持つため、カリウム他に富むキンバーライトとも異なる。太古代の岩石がほとんどで、変成作用を受けている。このマグマ溶融点は1,600℃で玄武岩より高く、このことから当時の地球内部は現代より高温であったと推定される。

アルミニウムの有無で2種類に分けられる。これはマントル内部での部分溶融の程度による。

化学組成
成分 コマチアイト[2]
SiO2 45.8
TiO2 0.30
Al2O3 7.30
Cr2O3 0.20
Fe2O3
FeO 11.2
MnO
MgO 26.1
CaO 7.60
Na2O 0.70
K2O 0.10
P2O5
合計 99.3

コマチアイト溶岩は流動性が著しく、割れ目に入り込み、厚い堆積層をつくらなかった。ただし、シル状に500mの厚さを持つ場合があり、ニッケルコバルトに富むため、オーストラリアカナダ南アフリカガイアナ楯状地で、鉱床価値が高い。

脚注 編集

  1. ^ 日本地質学会 編『地質学用語集 - 和英・英和』共立出版、2004年、328頁。ISBN 4-320-04643-9 
  2. ^ 国立天文台 編「おもな火成岩の化学組成」『理科年表 平成20年』丸善、2007年、631頁。ISBN 978-4-621-07902-7 

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集