侠女 第一部:チンルー砦の戦い/第二部:最後の法力』(きょうじょ だいいちぶ ちんるーとりでのたたかい/だいにぶ さいごのほうりき、原題:俠女、英語題:A Touch of Zen)は、キン・フー監督・脚本による台湾香港の武侠映画である[1][2]

侠女
第一部:チンルー砦の戦い
第二部:最後の法力
タイトル表記
繁体字 俠女
英題 A Touch of Zen
各種情報
監督 キン・フー
脚本 キン・フー
原作 蒲松齢聊斎志異』の中の一篇「侠女」
出演者 シュー・フォン
シー・チュン
パイ・イン
ロイ・チャオ
公開 中華民国の旗(第一部)1970年7月10日、(第二部)1971年5月3日
香港の旗1971年11月18日
日本の旗1989年8月29日
上映時間 (第一部)100分
(第二部)87分
(デジタル修復版)180分
製作国 中華民国の旗 台湾 香港の旗 イギリス領香港
言語 北京語
テンプレートを表示

中国の古典文学『聊斎志異』の中の一篇「侠女」から題名と物語の大枠だけを借りて映画化。台湾の聨邦影業公司で製作。台湾での公開時は上下二部であり、上が1970年、下が1971年に公開された。1971年に香港で公開された際に、上下巻が1本となった。第28回カンヌ国際映画祭高等技術委員会グランプリ受賞作品[3]。有名な竹林のバトルシーンは後にアン・リー監督が『グリーン・デスティニー』で応用しオマージュをささげている。

日本では1989年8月29日より、池袋サンシャイン劇場にて開催された「胡金銓電影祭」にて上映。第一部と第二部と合わせたデジタル修復版が第17回東京フィルメックスにて2016年11月27日に上映、2017年1月28日より劇場公開された。

あらすじ 編集

スタッフ 編集

キャスト 編集

  • 楊慧貞(ヤン)(チンルー砦に母娘で引っ越してきた娘。実は魏忠賢ら宦官たちに殺された東林党の忠臣楊漣の娘)/シュー・フォン(徐楓)
  • 顧省斎(グー)(チンルー砦に住み、絵や書を売る書生。諸葛孔明に憧れている)/シー・チュン(石雋)
  • 石問樵(シー将軍)(盲目の占い師。実は楊の父親の部下の将軍だった)/パイ・イン(白鷹)
  • 欧陽年(オウヤン)(明朝の組織東廠の刺客)/ティエン・ポン(田鵬)
  • 魯定庵(ルー将軍)(旅の薬売り。実は楊の父親の部下の将軍だった)/シュエ・ハン(薛漢)
  • 慧圓大師(楊慧貞たちを助けた高僧)/ロイ・チャオ(喬宏)
  • 門達(欧陽年の後に派遣されてきたその上司の宦官)/ワン・ルェイ(王瑞)
  • 許顕純(東廠の最後の刺客)/ハン・インチェ(韓英傑)

評価 編集

Rotten Tomatoesでは、12件のレヴューで支持率は92%、平均値は7.6点だった[4]

Empire』のパトリック・ピーターズは「振り付けの巧妙さは、息をのむ素晴らしさである」と述べた[5]AllMovieのジョナサン・クロウは、「見事なジャンル映画として、最良かつ最も革新的なアクション場面が展開されている」と述べる一方、「ラスト20分で『2001年宇宙の旅』以来のトリッピーな結末を迎える本作は、実験映画の領域へと進行方向を変えていく」と指摘した[6]

1975年の第28回カンヌ国際映画祭にて、高等技術委員会グランプリを受賞した[3]

脚注 編集

  1. ^ 『キン・フー武侠電影作法』(草思社)P.362
  2. ^ Planet Hong Kong, p1, Harvard University Press, 2000,ISBN0674002148,ISBN 978-0674002142
  3. ^ a b 17 Chinese films with a Cannes Award”. Shenzhen Daily (2015年5月29日). 2015年9月1日閲覧。
  4. ^ A Touch of Zen”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2015年9月1日閲覧。
  5. ^ Peters, Patrick. “A Touch Of Zen - Vintage Hong Kong sword opera”. Empire. 2015年9月1日閲覧。
  6. ^ Crow, Jonathan. “A Touch of Zen - Review”. AllMovie. 2015年9月1日閲覧。

外部リンク 編集