R.550は、フランスマトラ社製の短距離空対空ミサイルアメリカ製のサイドワインダーと競合するミサイルであり、原型のマジックと、改良型のマジック2に分けられる。

R.550
種類 短距離空対空ミサイル
製造国 フランスの旗 フランス
性能諸元
ミサイル直径 157mm
ミサイル全長 2.75m
弾頭 12.5kg
射程 15km
推進方式 固体燃料ロケット
誘導方式 赤外線ホーミング(IRH)
飛翔速度 M2.7
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概要 編集

1968年より開発が開始され、1972年1月11日グロスター ミーティアよりCT20 ターゲットドローンへ発射されたのが最初の発射となった。1976年に量産が開始され、ミラージュIIIミラージュF1F-8E(FN)シュペルエタンダールといったフランス空軍海軍航空機に装備され、7,000発以上が生産された。AD3601型シーカーを搭載しているが、これは、窒素によるジュール=トムソン効果を利用した冷却措置を導入している。

1970年代末より改良型のマジック2が開発され、1985年に完成。新型のAD3633型シーカーの導入により、オールアスペクト性が向上し、標的の向きを問わず運用することが可能となったほか、射程も延長された。

R550は、南アフリカアルゼンチンイラククウェートなど各国で用いられ、数多くの戦果を上げている。現在、ラファールに至るまでのフランス戦闘機に留まらずF-16J-7MiG-21MiG-23など15機種による運用が可能で、18ヶ国で使用中であるが、フランスではMICA IRにより更新されつつある。

サイドワインダーとの外観上の差異は、翼の数(R.550は12枚(前方に8枚)であり、マジックとマジック2は、半透明の先端部を持つ物がマジック、不透明の物がマジック2であることにより識別できる。また、1995年からは、精度、機動性を向上し、最大射程を20kmに延伸した改良型のマジック2Mk.Ⅱの実用配備が開始されている。

採用国 編集

 
青は運用国、赤は退役国

退役国 編集

外部リンク 編集