田中 睦夫(たなか むつお、1911年(明治44年)[1]7月10日[2][3] - 1978年(昭和53年)7月22日[4])は、日本英文学者和洋女子大学教授。専門はイギリス小説で、日本におけるサマセット・モーム研究の第一人者だった[1]

経歴

編集

鹿児島県谷山村(現・鹿児島市上福元出身[1][2]1918年(大正7年)谷山男子尋常小学校入学[2]1924年(大正13年)鹿児島県立第二鹿児島中学校 (旧制)入学[2]1929年(昭和4年)[5]卒業[1]1930年(昭和5年)青山学院英語師範科入学[2]。同科卒業[1]1934年(昭和9年)私立福山中学校 (旧制)教諭、1939年(昭和14年)東京府立第七中学校 (旧制)教諭、1946年(昭和21年)東京都立第三中学校 (旧制)教諭[2]。戦後の1951年(昭和26年)に、アメリカのノースウェスタン大学入学[2](大学院[1])。同大学で近代文学研究をおこなう[1]。翌年修了[2]明治大学講師(兼任)、母校の青山学院大学講師(兼任)を経て[2]1961年(昭和36年)に開設された和洋女子大学英文学科の主任教授[1]。死去まで同大学で教授を務める[4]

1960年中野好夫朱牟田夏雄らへ呼びかけて「日本モーム協会」を設立[1]。幹事を務めた[2][4]。随筆も書き、日本ペンクラブ日本翻訳家協会の会員だった[1]

訳著書

編集
著書
  • 『わがモーム』(垂水書房、1967年)
  • 『モーム 人間像と文学』 (朝日現代叢書(朝日出版社、1970年)
  • 『英文学への道 若き人々のために』(八潮出版社、1973年)
  • 『一筋の道』(桐原書店、1976年)
訳書
  • クラウス・W.ジョナス 編『モームの世界』(北星堂書店、1959年/改訂版:1963年)
  • リチャード・コーデル『モーム評伝』(河出書房新社、1961年/改訂新版:文理書院, 1968年)
  • ロビン・モーム『十一月の珊瑚礁』新潮社, 1964
    • その他、河出書房新社の文芸誌『文藝』にサマセット・モームの回想を翻訳連載

脚注

編集
  1. ^ a b c d e f g h i j 南日本新聞社・編『郷土人系 上』(春苑堂書店、1969年)414頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j 鶴岡正夫・編『青少年の座右銘 現代鹿児島の百人』(育英出版社、1976年)108頁
  3. ^ 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年~平成23年 2 (学術・文芸・芸術篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年、679頁。
  4. ^ a b c 朝日新聞1978年7月22日東京夕刊11頁。
  5. ^ 鹿児島県立甲南高等学校『甲南 創立百周年記念誌』(2007年3月)232頁