空中消火(くうちゅうしょうか)とは、航空機を用いて、空から消火活動を行うことである。

カリフォルニアの山火事で消火活動を行なうアメリカ空軍のC-130

概要編集

広大な森林や険しい山が多い国では、林野火災の現場まで消防車がたどり着けないことが多く、空中消火専門の消防隊が存在している。国によっては消防隊ではなく軍隊、警察や国境警備隊、山林を管轄する機関、民間企業などが行っていることもある。

空中消火機には水タンクを増設するスペースがある大型機を改造するのが主流であり、輸送機(C-130、C-47IL-76など)の他、低空低速での飛行を前提とした哨戒機(S-2P-3)など軍から払い下げられた退役機や、航空会社から売却された旅客機(B-747DC-10DHC-6DC-6)が利用される。

ヘリコプターはS-64Eのような輸送ヘリコプターを改装した機体もあるが、汎用ヘリコプターで水の入ったバスケットを吊り下げることも多い。

これらの空中消火機は『エアタンカー』とも呼ばれる。

ヘリコプターによる空中消火は直接消火ではなく延焼を防ぐために行われる[1]

アメリカ合衆国編集

 
エアロユニオン社の『エアロユニオン・エア・タンカー』
 
エバーグリーン航空の747 スーパータンカー

アメリカ合衆国農務省森林局英語版では山火事に対応するため森林消防隊が組織されており、自治体が組織した消防隊の消火活動を補助する。また航空機から火災現場に直接降下する降下消防員(通称スモークジャンパー)も存在する。しかし森林面積に対して規模が十分ではなく、予算が不足し大規模な消防隊を常設できない自治体も多いため、火災発生時にはエバーグリーン航空など空中消火事業も行う航空会社やエアロユニオン英語版のような専門会社へ業務をアウトソーシングするなど、航空ビジネスとして市場が形成されている。民間企業であるためカナダやメキシコなど隣国でも事業を展開している。またエリクソン・エアロ・タンカー (Erickson Aero Tanker)はMD-87を空中消火機に改造して運用している[2][3]

ロシア編集

世界初の森林専門消防隊である航空森林消防隊が、広大な森林で発生する火災に備え待機している。

航空機からの空中消火に加え、現場付近にヘリコプターで移動した後、落下傘で降下し地上から消火活動を行う機動部隊もある。

日本編集

日本では1960年代から実施されている。 地方自治体が所有する消防防災ヘリコプター(2018年現在総数75機)では、機体固定式タンク(約1800L)又は吊り下げ式バケット(約1000L)を使用し消火を行う。
自衛隊中型ヘリコプターUH-1の場合、吊り下げ式バケット(約500L)、大型ヘリコプターCH-47の場合、吊り下げ式バケット(約7000L)を使用し消火を行える。

イタリア編集

イタリアでは森林警備隊S-64Fを4機配備している。

大韓民国編集

林野火災の対策として農林畜産食品部傘下の山林庁S-64Eを4機配備している。

脚注編集

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  1. ^ 日本テレビ. “山火事の火元は?消火より…空中放水の目的|日テレNEWS24” (日本語). 日テレNEWS24. 2021年2月27日閲覧。
  2. ^ Home” (英語). Erickson Aero Tanker. 2021年2月27日閲覧。
  3. ^ SHIMBUN,LTD, NIKKAN KOGYO. “【電子版】米AerSale、MD-87ベースの空中消火航空機 追加建造へ”. 日刊工業新聞電子版. 2021年2月27日閲覧。

フィクション編集

関連項目編集

外部リンク編集