素敵ギルド』(すてきギルド)は、遊知やよみによる日本漫画作品。

Cookie』(集英社)にて2005年7月号から2007年10月号まで連載されていた。単行本全4巻。

あらすじ 編集

20歳の雨宮ふうは住み込みの仕事を探していた。スタッフを募集していた中華料理店へ行くと、既に決まってしまったとのこと。住む所がないため、公園で野宿をしようとベンチで寝入るふう。そんなふうを3人の男が拾っていった。目が覚めたふうに、3人はここで働かないか、と持ちかける。怪しい行動をする3人をふうは訝しむが、3人の正体は漫画家だった。

ある日、事務所空き巣が入った。特に被害はなかったものの、ふうの様子がおかしい。「ここもかぎつけられたんだ……」そう思い、事務所を出て行こうとするふう。ふうは一体何者なのか。

登場人物 編集

主人公 編集

雨宮 ふう(あめみや ふう)
20歳。本名は宝城風雅(ほうじょうふうが)。聴覚が異常に発達しており、一度聴いた音は忘れない、遠くの音、何種類もの音を聞き分ける能力を持つ。神経が高ぶると感度が良くなる。その能力を悪用しようとする組織に追われている。
高名なバイオリニストを母に持ち、自身も2歳半の頃からバイオリンを習い始め、17歳の時チャイコフスキー記念コンクールで優勝するほどの腕前。

花札カブ 編集

岩沢 壱太(いわさわ いちた)
通称・壱。花札カブのリーダー的存在。気に入った人には最初に会ったときに「どこかで会ったことあるよね?」と聞くクセがある。(本人は気付いていない)
父親は映画監督で、ふうの正体を知っている。
黒田 三慈(くろだ さんじ)
過去に起こした交通事故以来、車を運転しなくなった。
陣内 五佑(じんのうち ごう)
ケチで自分のお金を出すのを嫌がる。お金以外のことでは、何があってもくよくよせず前向きな性格。

追っ手 編集

優(ゆう)
ふうの母違いの兄。大手化粧品メーカー社長。日本に逃げてきたふうを心配し、美紗子の愛人よりも早くふうを見つけ出そうとするが、逆に自分が追っ手だと勘違いされてしまう。
星(ほし)
優の部下で、ふうを探している。
小津(おづ)
星と同じく、優の部下。小太りで、人の良さそうな男性。
愛人
美紗子の愛人だったとされる男。名前は作中に登場しない。プロモーターとして美紗子と知り合う。ふうの能力に気付き、悪用しようとする。美紗子の死後はふうに暴力をふるっていた。

その他 編集

梢 ミニカ(こずえ ミニカ)
三慈の幼馴染み。人気タレントだったが、三慈とのドライブ中に交通事故に遭い、そのことを週刊誌に叩かれ、事務所をクビになる。
バイオリンとピアノを習っていたことがあり、ふうの能力の非尋常さに気付く。
庭野 ワニ(にわの ワニ)
本名・丹羽一郎。3人の同級生で、漫画家。花札カブよりも売れている。
尾関(おぜき)
花札カブの週刊ステップの担当編集者ヤクザ顔だが、一人娘・心愛(ここあ)を愛する良き父親。
宝城 美紗子(ほうじょう みさこ)
ふうの母親で、有名なバイオリニスト。離婚後は、愛人とふうと共にミュンヘンで暮らしていた。
ヘルマン・シュワルツコフ
生の音にこだわって、CDなどを一切出さず幻のバイオリニストと呼ばれた演奏家。

書誌情報 編集